第2話 ゲームをしよう!
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そんなわけで、お風呂タイムである。
最近、自分の造った簡易風呂しか入っていなかったので、久々にゆっくりとつかれるお風呂だ。
「パパ、気持ちいいですね。」
「ああ、気持ちいいな~。」
ちなみに、花凛と一緒に露天風呂に入っている。
花凛も俺と同じくというか、俺がよく風呂に入っているので、それを真似て入っていたら、風呂好きになっていた。
やはり、日本人としての知識が花凛をそうさせたのだろう。
「星が綺麗です。」
「本当だ。あっちじゃ考えられないよな。」
「パパの住んでいたところはどんな場所だったんですか?」
「都内に住んでいたから、星はほとんど見えないし、空気は悪いし、その点はこっちの世界に来て感動したな。なにせ、蒸気機関すら発明されてないから、空気が澄んでいて綺麗だし、空気がおいしいってよく言うけど、本当そうだもんな。」
まあ、じいちゃんと一緒に海外に行った時はそこそこ空気が綺麗なところにも行ったが、そこには風呂がなかった。
向こうの世界でも、毎日風呂に入るのなんて日本人ぐらいだからな。
「パパはこっちの世界に来て寂しくないんですか?私はパパと会えなくなあると考えるだけで寂しいです。」
「寂しくない、なんて言えないけど、こっちに来てからいろんな意味で充実しているから、そんなこと考える暇なかったからな。それに、俺は向こうの世界に帰ることを諦めたわけじゃないし。」
「もし、帰れる方法が見つかったら、パパは帰っちゃうんですか?」
「今は何とも言えない。こっちの世界に来てまだ一か月ちょっとだけど、大切なものが出来たからね。でも、家族にはもう一度会いたいと思ってる。」
「そういえば、パパの話の中で時々朔夜さんという方が出てきますが、パパの恋人なんですか?ママたちもその人のこと気にしてましたよ?」
「そうなのか?シーナ達が?」
「はい、この旅の途中、パパがいない時にそんな話してましたよ。」
思ってみれば、朔夜についてみんなに説明した記憶がないな。
「みんなは何て?」
「パパがママたちに手を出さないのは、朔夜さんがいるせいかもって言ってました。」
手を出すっていうのは要するにあれだ、俺はシーナ達にキスまでしかしていないのだ。
それ以上手を出していないのは、単に俺にまだ覚悟が出来ていないからである。
「そのことと朔夜は別に関係ないぞ?」
「本当ですか?」
「ああ、朔夜は俺のこと好いてくれてるし、俺も朔夜のことは好きだ。けど、俺と朔夜は実の兄妹だからな。」
「パパは妹と恋人なんですか?」
「花凛、なぜそうなる?」
「パパと花凛さんは互いに好きあっているんですよね。それは恋人とは違うんですか?マスター凛から貰った知識の中には兄妹で結婚するという知識がありましたし。」
どうして堺さんが花凛に与えた知識は、微妙にずれているのだろうか。
俺の中で、あの人がオタクだったんじゃないかという疑惑がどんどん膨らんでいく。
うちの母親と同じ匂いがするのだ。
俺の母親は重度のおたくで、俺と朔夜が付き合ったり、結婚することに反対するどころか、諸手を挙げて賛成してくるのだ。
「花凛、それはきっと創作物の中でのことだ。日本じゃ兄と妹は結婚できないし、恋人にも成れないんだ。」
「私、パパと話していて時々思うんですが、私の持っている知識って偏ってません?」
「正直に言って偏っていると思う。」
「…マスター凛はどうしてこんな知識を私に?」
「さあ?俺も会ったことないし。多分、面白そうだからとか、そんな理由じゃないか?」
研究所でのこともあるので、その可能性が一番高いと俺は踏んでいる。
「さて、のぼせる前に風呂あがろうか。」
「はい、パパ。」
もうすでに一時間ほど風呂は堪能した。
明日もここに泊まるのだから、最低でもあと3回は入れるから、あまり長湯する必要もない。
そう考え。俺は風呂から上がる。
花凛も俺に続いて上がった。
もちろん、何もつけておらず、裸である。
手のひらサイズに膨らんだ胸も、キュッとした腰も、プリッとしたお尻も全部見えている。
何も感じないことも無いが、花凛は俺の中ですでに娘にカテゴライズされている。
俺は家族に欲情したりする変態じゃない。
風呂から上がり、着替え、魔法の袋から途中の町で仕入れた牛乳を取り出す。
「ほい、花凛。」
「ありがとうございます。」
花凛にも牛乳を渡し、腰に手を当て一気にあおる。
「ゴクッ、ゴクッ、ぷはっ!やっぱ風呂上りは牛乳だな!」
「はい、とてもおいしいですね。」
流石花凛だ、このおいしさがわかるとは。
シーナ達にも風呂上がりの牛乳を勧めたことがあるが、理解されなかった。
そして、牛乳の栄養がいかに素晴らしいか語ったら、フランが若干いじけてしまった。
最近、フランの前では胸に関する話題が禁句になっている気がする。
フランは俺に告白して以降、女の子らしくなろうといろいろ頑張っており、出会ったときに比べ、しぐさがかわいくなったと思う。
時々、ドキッとさせられることが増えた。
「風呂あがったぞ。」
「気持ちよかったです。」
俺と花凛が風呂から出ると、シーナとフランがチェスをやって遊んでいた。
このチェスは俺が土魔法の練習がてら作ったもので、ニースの町を出たその日から少しずつ作り続けていた。
そしてとうとう3日前に完成したのだ。
みんなには変なものを作ったと不思議がられたが、チェスが対戦型のゲームだと説明すると興味を持ち、ルールを教えたらシーナとフランははまってしまった。
リアには駒の動き方が複雑すぎて覚えられないと、不評であった。
この差はこれまで受けてきた教育の差が表れているのかもしれない。
「チェックですわ。」
盤面を覗き込むと、シーナがナイトでフランのキングにチェックを掛けるところであった。
フランのキングにはまだ逃げ道があるし、しばらく勝負は終わりそうにない。
「花凛、リア実はもう一つゲーム作ったんだが、やるか?」
そういって、袋からボードと石を取り出す。
「ご主人様の作るゲームはあたしには難しすぎるよ。」
「どんなゲームなんですか?」
「いや、今回は結構簡単だぞ?」
盤面は64升に分かれており、石は片方が白、もう片方が黒で石の裏表で色が異なるものである。
そう、今回作ったのはリバーシ、オセロである。
俺は2人にリバーシのルールを説明する。
「ご主人様、これなら私にも出来そう!」
チェスと比べればリバーシは比較的簡単であると言える。
しかし、やってみると何気に奥深い。
「なら、最初は2人で対戦してみるといい。」
リアが黒、花凛が白で対戦が始まった。
俺はその様子を見ながら、次は何を作ろうかと考えていた。
実はチェスより先に将棋を作ろうかと考えたのだが、いかんせん、漢字を読める人がいない。
なので、一度諦めたのだ。
将棋はシーナが日本語を覚えてからにしようと思っている。
麻雀は牌の数が多すぎてめんどい、34種136枚の牌に点棒まで作ろうと思ったら、どれだけ時間がかかるかわからない。
囲碁は俺もルールうろ覚えだし、いっそ人生ゲームでも作ってみようか。
それとも、カタンやカルカソンヌもいいかもしれない。
ならまずはサイコロを作ってみよう。
グランフィズに到着したその日の夜は、久しぶりの宿ということもあり、みんなリラックスして過ごすことが出来た。
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