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考古学者の異世界探索紀行  作者: 桜井由貴
第1章 遺跡の攻略紀行
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第9話 旅支度

今回、切りのいいところで投稿しようとしたら、今までで一番長くなりましたあ。長すぎたりして読みづらいなど、意見ありましたら気軽にコメントに残してください。

「いやーすまなかった。つい、興奮して我を忘れてしまったよ。」


 今、俺とシーナはフランのお店の奥の部屋で、フランからお茶をふるまわれていた。

 あれから、フランが正気に戻るまで、1時間近い時間を要し、その間俺はずっと顔を上に向け目を閉じ、直立不動であった。若干、惜しい気もしたが、目を開けてしまったら、もう戻れない気がしたので、理性を総動員して耐えた。


 考えても見てほしい、すぐそばで女の子2人があられもない姿でいるのである。それも、シーナの色っぽい声と共に。フランは興奮して、最初は咥えて大きくするだとか、よくほぐさないとだとか、ここが気持ちいい場所だとか、男は征服欲が強いから、嫌がる娘を無理やりするのが好きであるとか、わけのわからないことをほざいていたのだ。時々、水音が聞こえてきたのは多分気のせいだ。俺の精神衛生上、気のせいということにしておく。

 そんな状態で1時間、俺は耐えたのだ。女性と交際経験のない俺には、つらい時間だった。


「本当に、ひどい目に遭いましたわ。私、もうお嫁にいけませんの。」


 本当、フランはシーナに何したんだよ。


「何、大丈夫さ。シーナはボクと違って体つきも女の子らしいし、そんなにかわいいのだから引く手あまたであろう。それに、ミツキが責任を取って、お嫁にもらってくれるさ。いや、この場合はミツキが婿入りするのか。」


「ミツキ、私、こんな体ですが、お嫁にもらってくれますの?」


 マジで、フランは何しやがったんだよ!


「いや、それは…」


 流石に、アルの娘とはいえ貴族の子女と平民の俺とはつり合いが取れない。


「そう、ですわ、よね、こんな汚れた私など、お外であんなあんなことをしてしまう、淑女にあるまじき女ですから…」


 が、シーナは俺の言葉を逆の意味で受け取り、さらに落ち込んでしまった。


「ちょ、違う、シーナは綺麗だから。どこも汚れてない!シーナさえ良ければ、ニース家に婿入りしたっていいよ!!」


「お世辞でも、そう言っていただけると嬉しいですわ。」


 シーナの表情は暗いままである。そういえば、朔夜も俺に何度も迫っては、そのたび俺が邪険に扱っていたので、1度本気で落ち込んだ時があった。確かその時は、いかに朔夜が魅力的な女の子であるか語って元気づけた気がする。


「お世辞だなんてそんなことはない!」


 俺は、シーナの肩を掴み、その碧い瞳を見つめる。


「シーナは可愛いよ。髪はふわっとしていて柔らかそうだし、陽の光が当たるとキラキラしてとても絵になる。顔立ちだって、まだ幼さは残っているけど、ぱっちりとした目は海のように透きとおっていて、鼻もすっとしていて、桜色の唇は小さくてかわいらしい。体型だって年齢からしたら胸はある方だし、ウエストもキュッとしまっているし、ふっくらとしたお尻も魅力的だよ。だから、シーナには自分に自信を持ってほしい。」


 ボンッ、と音が鳴りそうなほどシーナの顔が真っ赤に染まる。そういえば、朔夜も元気づけたあと、同じようになっていた。その後、元気を取り戻したので、今回もシーナの様子を見るに、元気づけることに成功したのだろう。


「っっっ!ミツキは私のことをそこまで…。そうですわね、ありがとうございます。ミツキの言うとおりですわね。」


「ああ!シーナはいつものように元気だとさらに魅力的だよ。本当にお嫁さんに欲しいくらいさ。」


 少しキザったらしいが、ここはシーナのためだ。恥ずかしさは捨てて、シーナは励ます。


「っっっっ!!!」


 シーナは言葉にならない悲鳴をあげ、茹ったように頬を上気させている。この反応も朔夜と同じだ。


「すごいじゃないかミツキ!ニース嬢は元気になったようだね。」


「他人事のように言っているが、すべての元凶はお前だからな?そこんとこわかっているのか?」


「ボクが?どうしてだい?」


 ダメだこいつ。自分が何をしたのか本当にわかっていない。


「そんなことより、先ほどの剣だよ剣。君の故郷のものだって言っていたけど、それはどこなんだい?」


 先ほどの剣とは村正のことである。村正は室町から江戸初期にかけて伊勢の国で活躍した刀匠で、徳川家康の祖父清康と父広忠はこの村正で切られ、殺害されたことから、徳川家では縁起の悪い刀とされ、妖刀とまで呼ばれた、日本における伝説にも等しい刀である。

 今はフランから奪い返し、魔法の袋の中にしまってある。出しておくと、再びフランが暴走しかねないからだ。


「お前、反省しろよな?」


「済んだことを気にしても仕方ないだろう。それよりも、ミツキの生まれ故郷について教えてくれよ。」


「はあ、わかったよ。」


 こいつにこれ以上言っても無駄である。職人てやつは、一度一つのことに熱中すると周りが見えなくなる、迷惑な連中なのだ。


「俺の出身地は大和だよ。それは大和の国の武器で刀っていうんだ。」


 流石に、異世界出身とは言えないので、大和の国を出身地にしておく。


「それは嘘だね。」


 だが、俺の嘘はすぐさまフランに見抜かれた。


「嘘?どういうことですの?」


 復活したらしいシーナが、不思議そうに俺を見てくる。


「さっきの村正は確かに大和の刀と同じ形状をしていた。だけど、あれの銘は村正だが、名は日本刀となっていたんだ。大和の刀は名を大和刀というんだ。村正とは作り方からして別物さ。」


 そういえば、フランは武器鑑定のスキルを持っていた。確かに、村正の名は日本刀になっていた。てか、大和で作られたのは大和刀っていうのか、知らなかった。


「大和刀は、まず土に魔法をかけ金属化させ、金属化させた土を魔法で生み出した炎にくべる、それを引き伸ばし刀の形にしていく。そして強度をあげるため、魔法で生み出した水に炎で熱した土を一気に冷ます。こうやって、魔法を使って作ることで、魔法も切り裂くことのできる刀剣として出来上がるのさ。しかし、村正には造られた際に一切魔法の使われた痕跡がなかった。また、村正の材料も不明だ。鉄なのだろうが、鉄とはまた違うものであるんだ。こんな金属は見たことない。」


 流石はシーナが一流の鍛冶屋であるというだけのことはある。見ただけで村正と大和刀の違いを見抜き、使われている材料にもおおよその目星をつける。優秀であることは間違いないようだ。


「日本刀という名からして、日本という国で作られたものなのだろう。しかし、ボクはそんな名前の国は聞いたことがない。ニース嬢はどうだい?」


「私も聞いたことありませんわ。」


「だからこそ、仮説が2つ立つ。1つはこれが遺跡から出土した可能性だ。」


「遺跡ですか、そうですわね、遺跡から発掘されるものは、今の技術では作ることができないものが見つかることがあると聞いたことがありますわ。ミツキは考古学者ですのでその可能性はありますわね。」


「だが、この可能性はないだろう。」


「どうしてですの?」


「だって、彼はこれは生まれ故郷で作られた武器であると言っていたんだ。遺跡から出土したもので、その言い方はおかしい。」


「なるほどですわ。」


「それでもう1の可能性だ。ミツキ、君は境界を越えし者、迷い人なんじゃないかい?」


 境界を越えし者、ばあちゃんも俺にあった時そんなことを言っていた。迷い人は初めて聞いたが、両方とも異世界から来た人物を指す言葉なのだろう。


「境界を越えし者?迷い人?私、そのような言葉聞いたことありませんわ?」


 どうやら、シーナはそれらの言葉を聞いたことがないようだ。


「そうだね、人族の言葉でわかりやすく言うと…なんて言ったか、ああ、そうだ、勇者だ。」


「勇者!勇者ってあの伝説の?」


「厳密には違うが、ニース嬢が知っている勇者はどんなものだい?」


「確か、何百年も前、世界の破滅の危機にこの世界へと突如現れ、世界を救ったとされる人物ですわ。なんでも、この世界の人物ではなかったとも言われていますわ。」


 シーナの語る、勇者の話は俺が昨日ばあちゃんに聞いた話と、大筋として同じものだった。勇者の話は有名な話なのであろう。


「そう、ミツキはその勇者と同じく、この世界の人間ではないのさ。ボク達エルフはそういった人間を境界を越えし者と呼び、他の世界からこちらの世界に迷い込んできてしまった、迷い人として支援してきた歴史があるのさ。」


「では、ミツキは勇者ですの?」


「いや、勇者ではないとボクは思う。勇者を召喚するための秘儀は一部の王家にしか伝わっておらず、星の配列も関わってくる。たしか、次に勇者召喚を使える星の配列のなるのは、今から半年後から1年後の間だったと思う。ボクも詳しくはわからないが。」


「???ミツキは勇者ではないんですの?」


「多分、ミツキは偶発的にこちらの世界に迷い込んでしまったんだ。ボク達エルフの森は膨大な魔力で、森を結界で覆っている。しかし、管理をしていてもどうしても魔力だまりができてしまう。魔力だまりに溜まった魔力が一定量を超えると、その魔力を消費するため、魔法が発動することがある。その際に、異世界とつながることがあるんだ。その魔法に巻き込まれて、こちらの世界に来てしまった迷い人は結構いるんだ。ミツキも同じさ。どうだい?ボクの仮説、間違っているかな?」


 フランは自分の仮説がすでに正しいものと認識しながらも、俺に確認を取ってくる。


「そこまでわかっているなら隠す必要もないか。フランの言う通りだ。俺は他の世界の人間だ。」


「やはり!ボクも迷い人に会うのは初めてだよ。でも、どうして秘密にしていたんだい?」


「昨日ばあちゃん、ギルド長に俺が異世界から来たっていう話をした際に、信頼できる人物以外には、異世界人であることは秘密にしておいた方が良いって言われてな。」


「大長老様が?そうか、大長老様はミツキが迷い人であることに気付いているのか。」


 大長老?ばあちゃんが?どういうことだ?


「フランさん、お婆様が大長老ってどういうことですの?」


 シーナも俺と同じことを疑問に思ったようである。


「おや、2人とも知らなかったのか、この町でギルド長を務めている彼女は、ボクらエルフの大長老様なのだよ。大長老様はエルフでも長寿なお方で、1000年近く生きているとされている。それと大長老様は時々、未来を見ることがあるそうだ。見えた未来を人に話すことはないが、見えた未来が悪いものである場合は、自ら未来を変えるために動くそうだ。この町でギルド長をやっているのもその一環だとボクは思っている。」


 ばあちゃんは確かに只者ではないと思っていたが、エルフでしかも大長老とは驚きである。1000年近く生きていることにも驚きだ。


「お婆様、とても偉い方でしたのね。」


「ボク達エルフにはなくてはならない方ではある。もちろん、エルフも大長老様に頼るばかりではなく、今エルフの森は13人の長老方が統治しているよ。君たち2人は大長老様に気に入られているようだから、これまでと変わらずに接してあげてほしい。」


「まあ、異世界人の俺にとって、エルフの大長老だと言われてもよくわからないし、ばあちゃんはばあちゃんだからな。態度を変えるようなことはないよ。」


「私も、お婆様にはこれまで良くしていただきましたから、態度を変えるような真似はしませんわ。」


「そうか、なら、話をミツキのことに戻そう。秘密にしていた理由はわかった。今後ミツキはどうするんだい?」


「できれば、元の世界に帰る方法を見つけたい。」


「それは無理だろう?これまで、迷い人が元の世界に帰ったという話は聞いたことがない。勇者召喚も召喚だけで、送還は出来ないと聞いたことがある。」


 そういえば、ばあちゃんにも帰れるか聞いた際、わからないと言われた。


「やはり、そうなのか…」


 覚悟はしていたが、どうしてもキツイものがある。


「ミツキ…」


 そんな俺の様子を見て、シーナが心配そうな表情をしている。


「しかし、可能性がないわけではないとボクは思う。もちろん、確実に帰れるなんて無責任なことは言えない。あくまで可能性だ。」


「そうなのか?」


「1度、遺跡に行く必要があるが、遺跡に何かミツキが帰るための手掛かりがあるかもしれない。」


 ばあちゃんも、東にある遺跡は異世界人が作ったものかもしれないと言っていた。やはり、その遺跡を探索する必要があるはずだ。


「俺、ばあちゃん東の遺跡に行くならしっかり準備して、パーティー組んでから行けって釘刺されてるんだよな。」


「東?そっちじゃなくて、北にある、君が初めてこちらの世界に足を踏み入れた際にいた遺跡の方だよ。どうして東の遺跡がでてくるんだい?」


 俺は、昨日ばあちゃんに言われたことを説明した。


「なるほど。なら両方の遺跡を探索する必要がありそうだね。ミツキはどっちの遺跡から探索するつもりだい?」


「んー、北の遺跡かな?北の遺跡の方が近いし、何かわかったらラッキーって感じで。」


「そうか、なら早速準備しよう。」


 そう言って、フランは席を立った。


「準備って、なんの準備だ?」


「決まっているだろう、旅の準備さ。北の遺跡は近いとはいえ、丸1日以上かかる。しっかり準備しないとダメじゃないか。」


「そうじゃなくて、なぜフランが準備するんだ?」


 遺跡探索に行くのなら装備を整えたり、食糧を買ったりいろいろと準備が必要であるのは、元の世界での経験から身に染みている。しかし、なぜフランが準備を始めるのだろうか。


「なぜって、決まっているじゃないか。ボクも一緒について行くからさ。ボクはこれでも元Aランクの冒険者なんだ。実力的には問題ない。」


「いや、そうじゃなく、どうして俺と一緒に行くことになっているんだ?」


「それこそ決まっているじゃないか。ボクはもう君の性奴隷、もしくはペットさ。奴隷やペットが主人について行くのは当たり前だろう?」


 ヤバい、また頭が痛くなってきた。こいつ、頭の回転早いのに、馬鹿すぎる。てか、まだ村正諦めていなかったのか。


「ミツキ、私もついて行ってよろしいですか?」


「シーナも?」


「いけませんか?」


「いけなくはないけど、何で?」


「私も何かミツキの力になりたいと思ったからですわ。それと、遺跡探索ですのよ!それも考古学者であるミツキと一緒に!私がついて行かないはずないじゃありませんか!!」


 あーそういえば、シーナは考古学者に興味深々で、遺跡探索にもあこがれを抱いていた。


「わかった。アルとセレスさんが許したら一緒に連れて行くよ。」


「本当ですの?なら今から確認してきますわ!」


 シーナの目がキラキラしている。俺に断る勇気はなかった。アルとセレスさんが説得してくれることを願うばかりだ。


「ふむ、ボクもギルドに行くから、その前にニース邸によって許可を取ろう。ミツキもそれでいいだろう。町でいくつか買い物もあるだろうし。」


 フランの中では、シーナも一緒に行くことがすでに決まっているようだ。


「フラン、その前に俺の武器と防具を見繕ってくれないか?」


 俺とシーナがここに来た目的は、俺の装備を整えるためである。決して、フランが欲しくて来たわけではない。フランとシーナはすでにそのことは忘れているようであるが。


「そういえば、君たちはそのためにここに来たんだったね。でも、武器は村正があるから必要ないんじゃないか?」


「俺はまだ村正を使いこなせないんだよ。さっきはありったけの魔力でぶっ放したけど、威力調整できるまで、なるべく使わないでおきたい。それに、もう1本日本刀持ってはいるが、もし壊れた時に予備がないと不安だから武器も欲しいんだ。」


「なるほどわかった。防具はどんなのがいい?」


「なるべく動きやすいやつ。できれば金属製じゃないのがいいな。」


 金属製の鎧なんて着たことがないので、確実に邪魔になる。


「動きやすさ重視か…ニース嬢はどうする?」


「私?私はいつも訓練で使っているものが…」


「それは練習用だろう?旅に出るならば、それ相応のものを装備しなければいけないよ。ニース嬢には訓練で使っていたものに近いものを用意しよう。武器は今使っている剣で問題ないはずだ。少し待っていてくれたまえ。」


 フランはそう言い残すと、部屋の隣にある倉庫へと消えていった。


 数分後、フランは両手に装備品を持って戻ってきた。


「ミツキの装備はまず、武器がボクが以前造った大和刀。防具がアイアンリザードの皮から作ったジャケットとズボンだ。アイアンリザードの皮は鉄のごとき硬さと、ゴムのようなしなやかさを持った素材でね、革製の防具では最上級品だよ。魔法抵抗力も高い。ただ、火に弱いから注意してくれたまえ。」


 フランから日本刀とさほど変わらない形状の武器、大和刀と黒い光沢のあるジャケットとズボンを受け取る。ジャケットとズボンは、硬いのに柔らかいという矛盾した触り心地をしている。ジャケットは太ももくらいまでの長さで、全身黒ではなく、襟やそで口、裾などに金色の刺繍が入っている。


「ニース嬢には、ミスリルゴーレムの素材から作ったプレートメイルと、同じくアイアンリザードから作ったインナーとパピヨンスパイダーの素材から作ったスカートだ。パピヨンスパイダーのスカートは魔法の威力を高め、魔力を回復させる効果がある。」


 フランはシーナにも同じように装備を渡す。プレートメイルは胸を守るもののようで、銀色に輝いている。スカートはプリーツになっており光の加減によって色が変わり、装備品というよりは、ドレスのようである。インナーも黒一色ではなく、ところどころ赤い刺繍が施されている。全体的におしゃれな装備だ。シーナによく似合うだろう。


 ちなみに、フランの姿も変わっており、薄い緑色のローブを羽織り、桜色のチュニックに白を基調とし葉の柄がはいったキュロットという装いだ。右腰には杖が、左には片手剣を装備している。こうしてみると、ちゃんと女に見える。胸はないが。


「どうだい?気に入ったかい?ニース嬢はそちらの部屋で着替えてくるといい。ミツキは別にここでも問題ないだろう?」


「まあ、気にしないが、これいくらだ?」


「2人分合わせて売るとしたら15000Xだ。だが、ボクは君のものだ。だから、それも君のものさ。ボクのものは君のもの。君のものは君のものってやつさ。」


 なんだ、その逆ジャイアニズム。


「いや、悪いから金払うよ。」


「そうですわ。私も払いますわ。私の分はいくらですの?」


「いや、本当に気にしないでくれ。ボクは別にお金が欲しくて鍛冶屋になったわけじゃない。楽しそうだから鍛冶屋になったのさ。それに、ボク、お金に全く困っていないんだ。その装備だって、自分で取ってきた素材で作ったものだからね。それに、これは今後の先払いさ。ミツキと一緒に居れば楽しく過ごせると思うんだ。そのための投資だよ。」


「そこまでいうなら、ありがたくもらうよ。サンキュな。」


「私はいただく理由がありませんわ。」


 俺はありがたく装備をいただくことにしたが、シーナはまだ割り切れないようだ。


「そんなことはないさ。ボクはミツキの性奴隷兼ペット兼妾だからね。正妻であるニース嬢はきちんと立てるさ。」


「なっ、せ、正妻!わ、私が!?」


 フランの頭の中は本当にどうなっているのだろう。マジで一度頭の中をのぞいてみたい。変人にもほどがある。


「さっき、ミツキがニース嬢を嫁にもらうと言っていたじゃないか。なら、ニース嬢が正妻だろう。」


「っわた、私が、ミツキの正妻…」


「だから、受け取ってくれたまえ。」


「そういうことでしたら、その、ありがとうございますわ。」


 なぜだか、シーナが納得してしまった。顔を真っ赤にしながら。俺はシーナを元気づけるために言ったんだけどな。


「じゃあ、着替えてくるといい。」


「わかりましたわ。」


 シーナが着替えるために隣の部屋へと移動した。シーナが移動したので俺も着替えることにする。

 ジャケットはともかく、ズボンが少し長い気がしたが、履いてみるとちょうどいい長さにフィットした。履き心地も悪くない。軽く体を動かすも、特に抵抗はない。めちゃくちゃ動きやすい。


「着替えましたわ。」


 防具の性能を試していると、隣の部屋から着替えたシーナが入ってきた。

 うん、やはりよく似合っている。


「よく似合っているよシーナ。」


「ありがとうござますわ///」


「よし、なら早速行こうか。」


 俺たちはフランに先導され、遺跡に行くための行動を開始し


最後まで読んでくださりありがとうございます。

誤字脱字、その他気になった点がありましたら、コメントよろしくお願いします。

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