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トラ×ヨネ飯   作者: 有栖 多于佳


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7/12

茸の炊き込みご飯

当時の食料事情とは違っている箇所があるやもしれません。

川芝村はフィクションです。

周辺の市町村は空襲を受けなかったので比較的食べ物が手に入りやすいという設定です。

ご了承ください。

誤字誤謬は可及的速やかに訂正致しますがご不快になられる方申し訳ありません。

誤字報告大変ありがたいです。

実りの秋、川芝村の住民は忙しくしていた。

トラ達一家も例外ではない。

稲刈りの時期である。


分家の一家と共に田んぼに出て稲を刈る。

刈った稲を纏めて干して、脱穀して精米して。

それ以外にも、畑で冬野菜の種まきをしたり。かぼちゃや小豆の収穫をしたり。薩摩を掘ったり。

冬の前にする仕事が目白押しだった。


ヨネにとっては初めての収穫、春とは違い張り切っての農作業である。

うまい米がこんなにたくさん。新米だ!涎が口中に溜まってくる。


そんな忙しい中でも、楽しみがある。


「ヨネ、山に行ってきのこ採りに行かないかい?」

「うん行く!」


山に朝から入り、一番狙いは霜降りシメジ。

枯れ木の根本にナラタケが群生していた。


「うまそ。上物だ。ナラタケの根っこは毒があって食べ過ぎると腹壊すから根はハサミで切り落とすんだよ」

「ハイ!わかった。」


奥の木には野生のナメタケが出ていた。


「これは上物だ。味噌汁うまいぞー。」

「いっぱいあるね。空の弁当箱持ってきたからそれにいれるわ。」


山道の脇の倒木にはヌキタケが生えている。


「これはまだ早生だな、出始めだ。少し採るか。」

「ハイ。」


奥へ奥へと入っていく。この頃になるとヨネは倒木を見たら走り寄る。

もう条件反射である。


「ねえ、トラちゃーん、ふあふあしたのあるよ、これ食べれる?」

「こりゃ、ヤマブシタケだ。大きいな、開いてないから食べれるよ。」

「やったー」


「ヨネは目が良いな!その目の良さをいかして枯れ草の間を見てくれよ!グレーの傘のきのこを探して」

グレーの傘、グレーの傘


トラと目を皿にして探す。

「あ、やっぱりあった!霜降りシメジだ!うめーぞ。こりゃあ。香り松茸味シメジって言うやつだよ」

「それが、シメジなのね!探すわー」


木の根元に苔のが這えている一面に極上の霜降りシメジが生えてた。

「下から採ってな。結構生えてるなー」

「一個見つけたら周りにあるね、次々見つけられるわ。」


腰を屈めて枯れ葉を除け、一帯の大捜査である。


「そろそろ行くか、ヨネ」

「ハイ」


********************************************


家に帰ると採ってきたきのこをきれいに洗ってザルに広げた。


お裾分けを分家に届けたトラが、絞めた鶏の肉を貰ってきた。


畑で採れたゴボウとニンジン、菩提寺の墓掃除の帰りに拾って処理しといた銀杏。

鶏肉と霜降りシメジやヤマブシタケやらナラタケやら茸をたっぷり入れて、今年の新米で炊き込みご飯。

かつお節と昆布の出し汁に醤油と酒と砂糖少々を入れて、塩で味を整えて。

硲炊きである。

同じ出汁に味噌を溶かして、豆腐とナメタケをたっぷり入れて、小口切りのネギを散らせば

ナメタケ汁の出来上がり。


居間の机に炊き込みご飯のお櫃とナメタケ汁と並べると、トラが居ない。


「あれ、トラちゃんが居ないわ。ナナちゃん、ちょっと見てくるわ。」

ヨネが部屋を出て探すと、トラは縁側で小刀片手に何かしていた。

「トラちゃん、どうしたの?ご飯だよ」

「ああ、ヨネ。今日拾った栗を剥いていたのさ。灰汁を抜いて甘露煮にするだろ?」

「まあ、それは!素敵ね。でもご飯が冷めちゃうから、また後でにしましょ?」

「ああ、わかったよ。」


居間で七緒に山でのキノコ採りがどんなだったか、まだまだ秋のうちは採ってくるからと熱く語るヨネと

にこにこ楽しく話を聞く七緒を見ながら、しみじみ幸せを感じたトラであった。


秋の恵みを腹一杯三人で食べたそんな話。


お読みくださいましてありがとうございました。


誤字誤謬があるかもしれません。


わかり次第訂正いたします。


いいねなどいただけますと励みになります。


よろしければお願いいたします。

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