黒龍帝
「誰だ!」
『わいか、結構有名なドラゴンやと思うんやけどな』
「……竜か。大きい。この前、凛子達と行った恐竜博物館で目をならしてなければ失神していたかもな」
ドラゴン……ファンタジー系の創作物には絶対登場するスライムと共に知名度が高い西洋ファンタジー系竜の総称だ。
巨大なトカゲのような姿をしており、四本足に鋭い爪、背にはプテラノドンのような巨大な翼の風圧で突風が吹き荒れる。
モンスタートップの防御力を誇る硬そうな黒光りしている鉱石のような鱗、オークションで売ったら凄い値段が付きそうだ。
「もしや、お前はビジュアルデットエンド『黒龍帝キャス・パリーグ』か?」
「ブラックドラゴン。ファンタジー最強種かよ」
ビジュアルデッドエンドって、どんな景観な景色も破壊してしまうって意味か?
巨大な羽をはためかせて、漆黒の竜は獰猛そうなルビーの様に赤い眼孔を俺達に合わせる。
『そうや。わいこそが竜族七皇帝の一竜、ビジュアルデッドエンド』
『――って、ちょい待て! その人間が付けた二つ名気に入らんやんけ。そいじゃ、わいのビジュアル系イケメンがデッドエンドみたいやないかい! しかも昔、たまたま花粉症で大陸一個焦土化した程度やで』
一人ボケ突っ込み……カッコいいブラックドラゴンのイメージが………………。
しかもくしゃみで大陸を破壊しても、全然反省していないなんてスケールが違う。
「何故竜が私の邪魔をする。太古から互いの世界に干渉しないのが暗黙のルールだったはず」
『せやな。ただしマブダチが関わっているのなら話は別や。遥か昔、お互い拳と拳で喧嘩して世界の半分が消しとんだのが懐かしいのう』
マブダチ?
そうなの?
しかも超物騒な事を言っているし……。
だが、ブラックドラゴン……そうかあいつの魂の結合が成功したのか。
ならば俺のプラン通りだ。
そう、ここまでは予定通りの展開なんだ。
俺の役目は予言者から多くの情報を聞き出す事。
その間に魔王軍が救出にくる手筈になっていた。
まさかドラゴンが来るとか聞いて無かったけど。
「竜相手となると私もただではすまないな」
『いや、わいは今回、ただの運び屋に徹するわ。流石に核弾頭より危険なブツ運んできたからめっさ疲れたんや』
どうやら救援は一人じゃないらしい。
でも核弾頭とは、どれだけヤバイ奴だ?
「――おいおい、予言者よ。俺様と友の感動の再会を水をささないでくれ」
「仲間がいるのか?」
ブラックドラゴンの背に見えるシルエット。
月光の明かりでスポットライトの様に照らされる。




