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元大聖女シャルロットは、転生してからスローライフを満喫するようです!?  作者: Atelier Lotus


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第68話 負けられない!

 収穫祭三日目。


 今日もフルールの街は、お祭り一色に染まっていた。


 広場には色とりどりの屋台が並び、香ばしい匂いが風に乗って漂う。


 大道芸人が芸を披露し、子どもたちは笑いながら走り回る。


 街中に笑顔が溢れていた。


「今日は催し物を回りましょう!」


 シャルロットがそう提案すると、仲間たちは嬉しそうに頷いた。


 その時だった。


「大食い大会参加者、受付開始!」


 広場に響く呼び込みの声。


 リュンヌの耳がぴくりと動いた。


「……!」


 次の瞬間。


「今年こそ優勝する!」


 勢いよく駆け出していく。


「リュ、リュンヌさん!?」


 シャルロットたちも慌てて後を追った。


 大食い大会の会場には、屈強な冒険者や大柄な男性たちがずらりと並んでいる。


 その中へ、小柄なリュンヌが堂々と腰を下ろした。


「今年は負けない!」


 司会者が高らかに宣言する。


「それでは、開始!」


 合図と同時に料理が次々と運ばれてきた。


 焼き肉。


 パン。


 シチュー。


 山盛りの料理が並ぶ。


「いただきます!」


 リュンヌは驚くほどの勢いで食べ始めた。


「速い!」


「またあの子か!」


 観客席から歓声が上がる。


 皿が空になるたびに、新しい料理が運ばれてくる。


 それでもリュンヌの勢いは止まらない。


「まだまだ!」


「おかわり!」


 そして――。


「優勝!」


 リュンヌは両手を高く掲げた。


「やったー!」


 観客から大きな拍手が送られる。


 シャルロットたちも笑顔で迎えた。


「おめでとうございます!」


「頑張ったね!」


 リュンヌは照れくさそうに笑う。


「今年は勝てた!」


 続いて一行は射的大会へ向かった。


「我もやってみるのじゃ!」


 エレナが興味津々で木製の銃を受け取る。


 静かに狙いを定める。


 パン!


 一発目で景品が倒れる。


「おおっ!」


 二発目。


 三発目。


 狙った景品を次々と撃ち抜いていく。


 店主は思わず苦笑した。


「お客さん、うますぎるよ!」


 エレナは嬉しそうに景品を抱える。


「飛んでいる魔物を狙うことに比べれば簡単なのじゃ」


 その言葉に周囲からどっと笑いが起こった。


 一方その頃。


「わぁ!」


「可愛いです!」


 ソレイユは屋台巡りを満喫していた。


 可愛らしい髪飾り。


 手作りの木彫り細工。


 焼き菓子。


 果実飴。


 見るものすべてが新鮮だった。


 アマリリスも大はしゃぎで飛び回る。


「こっちも見よう!」


「あっちも楽しそう!」


 二人は屋台から屋台へ駆け回り、お祭りを満喫していた。


 夕方。


 噴水広場で全員が再び集合する。


 リュンヌは優勝賞品の大きな果物を抱え、


 エレナは射的の景品を両腕いっぱいに持ち、


 ソレイユはお気に入りの髪飾りを嬉しそうに眺めていた。


 その様子を見て、シャルロットは自然と笑みを浮かべる。


「皆さん、とても楽しそうですね」


「もちろん!」


 リュンヌが元気よく答える。


「収穫祭最高!」


 エレナも満足そうに頷いた。


「人間のお祭りも、とても楽しいのじゃ」


 ソレイユも笑顔で髪飾りを見せる。


「素敵な思い出ができました」


 アマリリスは宙でくるりと一回転する。


「また来年も来たい!」


 秋空には夕日が沈み始め、祭りの灯りが街を優しく照らし始めていた。


 笑い声が絶えない。


 温かな家族がいる。


 守りたかった日常が、ここにはある。


 シャルロットは仲間たちの笑顔を見渡し、穏やかに微笑んだ。


「来年も、皆さんと一緒に来ましょう」


「はい!」


 元気な返事が重なり、笑い声は夕暮れのフルールへと響いていくのだった。

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