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18、ヴィル様からのお話

遅くなりすみません…


ルセットはヴィルの前では呼び捨て、それ以外では様付で呼んでいます。




神に近しいと言われたこの髪色…。

この世界に来る前にあったクソ女神の嫌がらせに決まってる。絶対そうだ。


「はぁ…。見た目が良くて、目の色も髪色も珍しい、養子になって爵位が付くとか…完璧ヒロインポジじゃん。私男だけどさぁ」


私は誰もいない自室で呟いた。


「ずっと屋敷から出なかった…外に行かなかったのも目と髪色が原因かなぁ」


いや、ヴィル様の過保護が原因か。

なんて考えていると扉がノックされた。


「シェロー?ヴィル様が帰ってきて僕たちに話があるって。今平気?」


ルセット兄さんは扉を開けることなくそう問いかけてきたので扉を開けて答えた。


「うん。大丈夫。…でも、話って何だろう」

「シェロは今日も可愛いね。…ね?なんだろうね。ヴィル様も最近忙しそうだよね」


そうなのである。

ヴィル様は昨日の午前中も、今日も王様に呼び出されているのだ。

なんでも王弟が見つかった、とかで。


あ、ルセット兄さんに可愛って言われるのは良くあるので、スルーする私である。

でも、昨日から頻度が増えた気がする。

顔を合わせるたびに言われるような…気のせいか。


「ヴィル様 部屋で待ってるからとりあえず行こう」

そう言って差し出された手を握って部屋に向かう。

事あるごとに手を繋いでいるので、決まり事?になりつつある。


…そういえば、この世界で初めて手を握ったのは誰だっけ?5年前の事なのに記憶があやふやである。成長すればするほど幼い頃の記憶は無くなっていくのか…。


そんなことを考えていたら部屋に着いたらしく、ルセット兄さんに続いて部屋に入った。


部屋に入るとこちらを見て、「あぁ。手を繋いでいる…マジ天使…」と、聞こえてきたが、これも毎回なのでスルーである。


「ヴィル お待たせしました。話とはなんでしょう?」

ルセット兄さんもスルーした。


「今回エヴァ…殿下に頼まれてな。ルセットに王弟とあって欲しいんだ。出来れば友達、とやらになって欲しいらしいが、無理強いはしない」

どうだろうか。とヴィル様は問いかけた。


「…え?」

ルセット兄さんは目を見開いて停止した。

ちなみに私も停止した。

色々な意味で。


「えっと、それは僕に何を求めているのでしょうか」

いち早く戻ったルセット兄さんはヴィル様の目を見ながら聞いた。


「別に大層な事を求めているわけではない。ただ、まだ味方のいない王弟の味方になって欲しいだけだそうだ。ルセット()に白羽の矢が立ったのはカトラリー家の者だからと、ルセットの力を借りたかったらしい」

「…力…」

ルセット兄さんは一言呟いてから


「わかりました。私ルセットはシャルルヴィル様の名に従い、その役目全う致しましょう。……勿論、僕と気が合わなければこの役目、放棄しても良いのでしょう?」


と笑って答えた。


「そうだ。気が合わなければ私にそう言ってくれ。殿下には私から伝えるよ」

ヴィル様も笑って答えた。


「で、具体的にはどうすればよいのです?」

「これから週3.4回程、王宮に出向いて王弟と勉強したり、語り合ったりしてきてくれ」

「え、王宮…。ここでは駄目なんですか?」

「殿下はどちらでも構わないと言っていたが私が嫌なのだ。ここでしたら、王弟にシェロを会わせることになる。それは避けたい」


今まで蚊帳の外だったはずなのにいきなり渦中にぶち込まれた。

私が原因でカトラリー家でやらないのか。


「なるほど」


そして今の理由で王宮に行く事を納得しちゃうのね。ルセット兄さん…。


「ヴィル様。私は王弟さんに会えないのですか?」

見つかったばかりの王弟。気になる。

「ごめんね。私が、王弟にシェロを会わせたくないんだ。嫌でも学園が始まったら会うから、それまではお留守番してくれるかなぁ?」

「はぁい」

私はお留守番でした。


「ヴィル。その…王弟の相手は僕でいいんですか?だって、僕は…」

「大丈夫だよ。ルセットはカトラリー家の自慢の息子なんだから。もう、カトラリーの子なんだから、ルセットが気にすることは何もない」

「はい…」


…?

ヴィル様はルセット兄さんの言葉を遮って大丈夫だって言った。

でも、だって、僕は…なんだろう。

うーん?と唸っているとヴィル様に頭を撫でられた。


「シェロは王弟に会いたい?」

そう聞かれ、見上げると少し寂しそうな顔をしたヴィル様と目があった。

「…ただ、王弟という人が気になっただけで、絶対に会いたいと言うわけではありません。ヴィル様が王弟に私を会わせたくないのであれば、私はそれでいいです」

今はヴィル様とルセット兄さんが一番ですから。と私は笑顔を向けた。


ヴィル様は嬉しそうに微笑んで私の頭を優しく撫でた。


「そっか。じぁあ、私が王弟を認めない限り会わせない。学園まではね。王弟がシェロに会いたいって言っても聞かない事にする」


ヴィル様は素敵な笑顔で言い放った。



……私からはともかく、王弟から私に会いたいなんて言われないと思うんだけどな。

少なくとも私はそう思う。











読んで頂きありがとうございます!


シェロは5年前の事を所々覚えていて、重要なところは覚えていません。

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