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第四話「相談しな!」

 用意されたベットの中で熱にうなされて五日が経過していた。


「んんっ。今何時かなぁ?」


 寝床から顔だけ動かし、テーブルの上に乗っている時計に目を向けた。その時計の針は三時半を指していた。

 外が明るいから昼の三時半だと判断する。

 てか、この時計の動力は何だろう?まぁいいや。


「ふ~。大分よくなったなぁ。まだ熱はあるけど、収まってるし。はじめはどうなるかと思ったけど…。まぁなんとかなったかなぁ。」


 寝ながら右手を布団から出し、意味は無いが手を開閉して自分の状態の確認をする。それと伴い今の現状のとこれからについて真剣に考え出して始めた。


 最初の数日は熱で何にも考えられなかったからなぁ。ここらへんで考えないと


 手を布団の中に戻し、寝返りをうった。


 さてとまず何で俺はここにいるんだ?確か中学校の卒業式に参加して帰っている途中だった気が…。いや、その後友達と飯食べにいったなぁ。その帰り道か…。そうだ!夜帰っていたら空から光が落ちて来て眩しくてそれで…。気づいたらここに…。

 家族は心配してるだろうなぁ。

 そこまで考えて自分の家族の事を思い浮かべた。

 俺には両親と四姉妹の姉達がいる。その中で一番下の末っ子として生まれた。

 姉ちゃんズかぁ…。

 姉ちゃん達との思い出が一瞬フラッシュバックする。

 

 (ダメだよ姉ちゃん!俺の息子は取れないよ!無理やり女の子にしないでよ!!)


 (ダメだよ姉ちゃん!女装してるからってここのお手洗いは入っちゃダメだよ!無理やり入れようとしないでよ!)


 ストォォプ!

 …やべぇ!トラウマ発生!思い出すだけで震えてくる!あいつらに合わなくていいのがせめてもの救いだ。


 落ち着け落ち着けここに姉ちゃんズはいないんだ!


 自分に言い聞かせて何とか震えるのを抑える。

 なかなか収まらないなぁ…

 チラリと時計を見た。時刻は三時四五分だ。


「ふぅ。そろそろ時間的に掃除しにフランがくるかな。」


 落ち着いて過去(姉弟によるトラウマ)を考えるのを中断して今度の事を心配する。


「今クヨクヨマイナスの事考えても仕方ない。これからの事考えなければな。」


――ガチャッ。


「失礼するよ。掃除しにきたぜ。」


 考えだそうとした所で部屋に赤毛の短髪で身長180センチ以上で肌は褐色の体躯の良いメイドさんが入ってきた。額に斜め傷が残っているものの、顔は美女だ。年も27歳と年上のお姉さんで、サラフランって名前だそうだ。因みに巨乳だ。

 寝込んでいる間サラフランが世話になっており、顔はもう見慣れた存在となっていた。目だけサラフランに向け、すぐにまた目を閉じ体を休めるのに努めた。多少よくなっからと言ってまだ体は重く、忽ち疲れが蘇って来る。


「おっ。目覚ましてたか。体はまだ治ってないだろ。まぁまだ無理せず寝ときな。掃除してすぐ去るよ。」


 そう言ってサラフランは掃除を始めた。

 俺はそれを気にせず、先ほど中断された考えを始め頭の中で整理をする。


 とりあえず先日話したことを考えるか。

 実は俺が寝込んでから何回かおっちゃん(セバス)や例の美少女アシカリアが様子を身に来てくれていた。その際に簡単な自己紹介はしたけど、結局名前は聞いて貰えなかった(すでに決まってるから聞く意味がない)

 一通り終わったところで何か戦う術とか習った覚えはないかと問われた。

 14年生きてきて一度も無いって答えたらセバスは目を光らせて仕方ないって言ってたけど、なぜか今後大変な思いしそうだなぁって思った。

 そして俺の今後だけどやはり奴隷だ。けどこの世界には奴隷が二種類あるらしく、戦争等の戦いの為の戦奴隷、掃除や料理、夜の世話等の生活奴隷がある。基本的に男は戦奴隷、女は生活奴隷みたいだ。ちなみに俺はやっぱ戦奴隷だそうです。

 ここで大事なのは何時奴隷から解放されるかだけど、アシカリアお嬢が16歳になった際、今から三年後王都で武術大会があり、その大会で優勝した時に解放されるみたいだ。そのために俺が呼ばれみたいだ。ちなみに大会は3人未満のチーム戦です。

 そして、解放されたら元の世界に帰る事ができるかって聞いたけど、今は不可能らしい。召喚は一方通行みたいだ。…おいおい本当に身勝手だなぁって思ったけど、解放されたら、一緒に帰れる方法探すと約束してくれた。

 ただ、アシカリアお嬢は、はいはいって感じで全く興味無い素振りだけど…大丈夫だよな。嘘だったら襲っちゃうぞ。

 まぁ今はあんまり物騒な事は考え得ずに優勝を目指しますかね!


 この決意が数日後に後悔する事になるなんて。


「はい、掃除終わり。」


 考え事していたら何時の間にか掃除が終わってた。フランは掃除道具を片手に部屋を後にしようと。


「まぁなんだ。あんたの境遇は同情するよ。こっちの都合でいきなり親元から引き離されて一人になっちまってさ。」


 まだ行ってなかったのか、少し暗い顔で目を伏せ片手をドアに掛けながら話しかけて来る。

 本当だよ。


「姉弟も居たんだろ心配してるだろうな。」


 あ、それはいいです。


 フランは顔を上げ俺の目と視線を合わせると言った。


「でも、それはそれとしてこっちに来ちまったもんはしょうがないと思ってさ、前向きに考えるんだよ!人生前向きだ!」


 ドアから手を離しガッツポーズを取る。その腕には大きい力瘤ができ、男らしさが滲み出てた。

 言ったら怒られるな。


「前も言ったけど、困った事が相談しな!じゃあな!」


 最後に手を振りながら部屋を出て行く。フランは初見の自紹介の時にも同じ事を言っていた。


 『あたいは、サラフラン。フランでいいよ。一応メイドって事になってるから。お前は名前は聞いてるクロだっけ?よろしくな!あ~起きなくていい寝てな。これから大変だけど困ったら相談しな。一人で抱え込むなよ。じゃ掃除して出ていくな。またご飯の時に来るよ。じゃおやすみ…。』


 同じ事を二度も言って念押すだもんなぁ。フランはいい人だ。あと美人。この世界に来て初めてのイイことだ。

 少しだけ目尻が熱くなる。

 さてと、もう一眠りしていい加減この熱を下げないとなぁ。

 そう思い再び寝返りを打ち、暗闇の中に堕ちていく。

 

 


 …頑張ろう。


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