第三話「ふふふ」
「で、一体どうなってるんだ!?俺に何をした!ここはどこで!お前はだれだ!?家に返せよ!」
執事だと思う人の後を付いて行った所、ベットとテーブルが置いてある簡素な部屋に着き、そこで一つしかない椅子に足と手を組んで少女が待っていた。
感情が高ぶってるためいきりなり怒鳴ってやった。
「あ~うるさいわね!今から説明するから少し《黙りなさい、そして冷静になりなさい》。」
なんだと!
…あれ?あーあー…あれ?言葉が喋れなくなったぞ?何やったんだ?
それに怒りが鎮まってきた。
「よし。これで静かになったわね。あんたが気にしている事を教えてあげるわ。セバスお願いね。」
「お嬢様。その前に自己紹介したほうがよろしいでしょう。」
「あぁ。そうね、忘れてたわ。よく聞きなさい。私の名前はアシカリア・ゼン・ファンデルフール。年は13よ。西の領域を守護する一族だわ。それと、この私の隣にいるのが、セバス・チャン。私の専属執事兼護衛よ。」
「どうぞ。これからよろしくお願いします。」
俺が話せない事スルーして話し出したよ。
まだ少女だからだろうか無い胸を前に出し威張りながら自己紹介する。隣にいるセバスと言われた男は綺麗な一礼と一言挨拶する。
いやいやいや。なんで俺いきなりしゃべれなくなるんだ?まずそこから説明するだろう!
名前なんてどうでもいいだろう!
はぁ早く現状教えて。
「ふふふ。パクパクさせて馬鹿みたいだわ。」
ってお前がさせたんだろう!もう早く教えて。
「では、私があなたが知りたい事、現在の状況をお教え致します。しっかり聞きいて下さい。」
そう言ってセバス饒舌に話し始めた。
「まずあなた、クロの現状ですが、こちらのアシカリアお嬢様奴隷になりました。」
…え?何それ。いきなりひどくね。
驚きの表情をするが、セバスは気にせず話を続ける。
「そして、今は消えて見えなくなっておりますが先程の光った鎖は奴隷の証で、今でも首にうっすら鎖みたいなあとが残っております。奴隷の契約にいくつか制約と補助がございまして、まず大きな補助ですけれどもアシカリアお嬢様の言語認識に元づいてクロもこの国の言葉を理解できるようになったと思います。現に今私たちの言葉はおそらくクロのいた世界とは違うはずですが、理解できてますよね。」
たしかに冷静になれば最初はわからなかったが、今は普通に理解できる。どうりで英語とかフランス語ドイツ語等とは、違うとは思った。
……まぁ日本語しかわからないけど。
「他には契約者の位置が漠然とですがわかるぐらいです。まぁ奴隷の補助は大体それぐらいですね。」
少な!もっとあるんじゃないの?えぇ~と契約者の言葉がわかって大体の位置がわかる。少な!
思考し頭を抱えて落ち込み始めるが、そんな事は気にせずにセバスは話続けた。
「次は制約です。契約者に暴力や殺害などできません。契約者が奴隷と死後の契約をしてない場合契約者が死にますと奴隷も死にます。隷は死にたくないのでしたら必死になって契約者を守って下さい。
そして、魔法力の含んだ言葉(魔言)命令できますが、簡単な命令と後は、一時的に体の麻痺や静止が出来ます。」
じゃー今しゃべれなくなったのは其のせいか!何それ!めっちゃ怖い!
「よろしいですが?お嬢様的確に命令お願いします。奴隷の躾も大事ですよ。」
「えぇ。問題無いわ。」
アシカリアは頬を少し上げながら返事を返した。
めっちゃニヤニヤ嫌な笑いしてるし!!こぇ~~。
「制約は他にもございますが、それは追追教えていきます。それではなぜ我々が召喚魔法を行なったか教えます。こちらのアシカリアお嬢様は大変優秀です。巷では百年に一人の天才魔法使いと呼び声があります。」
げっマジかよ!この女そんなにすごいのか…。まぁいいや。
それにしても、魔法ってあるんだ。…ファンタジーだなぁ。
俺がこの世界に来て初めて喜びの表情になる。
「魔法力、魔力量、魔法数がどれをとっても大変素晴らしいのですけれども、こちらの諸事情によりなかなか『護り人』が見つからい事態でした。『護り人』と言うのは、魔法使いを守る人です。魔法を唱えるのに時間がかかる為、その間に魔法者を守る仲間が必要であます。基本的に魔法使い一人では戦闘はしません。最低でも二人以上で行動しない殺されてしまいますので。」
誰に殺されるの?やっぱ魔物とかいるのかな?
「そして、現在お嬢様と私は一緒に行動していますが、あと三~四年後には私事の理由で契約を解約する予定のため、今のうちに次の仲間を探しております。」
こんなの女の仲間になりたいと思う人なんかいないでしょ。やっぱおっちゃんもこのお嬢様に嫌気がさしたのかなぁ?あぁ最悪だ!
「そんな困っていた時、ファンデルフール家の蔵から〔×××の召喚〕って本を見つけまして、読んだところ他の世界から人を召喚でき、この召喚で現れた人間は基本的に高い能力を保持してる事がわかったのです。(×××は虫食いにあったらしく読めなくなってしまった)
まぁ下手に探すより手っ取り早く召喚しようって事になりまして、召喚されてすぐ反抗や逃亡されないように直ちに奴隷の契約をする事になりました。」
へぇ~俺強いのかな?やべっ、ちょっとだけわくわくしてきた。
「そして、今いるところがダイモアナ大陸のススペリア王国、西の守護者ファンデルフール家の領土です。ファンデルフール家は五大守護者というススペリア王国の要の一つです。ススペリア国では、王の次に高い身分なります。」
その話を始めだしたらまな板女はまた無い胸を前に出してきて「とても偉いのよ!私の奴隷になれたこと感謝しなさい!」って言い出した。
いやっそう言われてもよくわかんないけど…。てか、この状況で感謝なんてできないだろう!
「ちなみにですけれども、西には、森や山が多く魔物って言われる生き物が多数存在しており、その魔物から国を守っているのがファンデルフール家であります。アシカリアお嬢様は三女になります。」
やっぱ魔物がいるんだ!どんな感じなのかな?見てみたい!けど、戦いたく無い!怖いよなぁ。
頭を抱えて顔を下に向ける。
その様子を見ていたセバスは微笑ましく思ったのか、うっすら笑を浮かべ(今日はここまでですかね。)とちらっとアシカリアの方見た。
アシカリアはそれを見て頷いた。
「大雑把にこんなところですかね?もう時間ですから、詳しいの事は後日でもよろしいでしょう。」
とセバスは壁にかけてある時計を見て言った。
この世界の時間も前いたところと同じで二十四時間みたいだ。…たぶん。
それよりさっきから体がダルく感じてきた。体が熱いから熱があるのかも?もっと聞きたいことはあるけど、俺も今日はこれぐらいでいいかな。
「そうね。私も眠くなったから今日はここまででいいかしらね。あと、あの本に書かれていることが本当なら…クロ、今日の夜から大変だけど頑張るのよ。わざわざ召喚して死なれたら困るから。…じゃー私は寝るわ。セバス行くわよ。クロは今日からこの部屋で寝なさい。」
心配する素振りを見せ、直ちに部屋から出て行く。
「何かありましたら寝台の上の赤い紐を引っ張りなさい。それで使用人が向かいますので。それでは、私も下がります。頑張るのですよ。」
おっちゃんは、一礼してゆっくりとドアを閉めた。
その瞬間部屋の明かりが消え、月明かりが部屋の中を満す。
どうやって明かりを灯しているんだ?まぁいいそれよりやばい…本当に体が重くなってきた。もう寝よう。
鈍亀状態の体をなんとかベットまで運んだ。ベットまで着いた頃には、視界が揺らぎ、体は運動した後のように熱を持ち汗も噴き出してくる。
それでも何とかベットで横になり、上を見ると横の窓から月の光が見えたが、その月は普段見慣れた月ではなく、藍色の月だった。
本当に異世界だなぁ。これからどうしよう。いや、どうなるんだろう。でも、魔法か…。
それと、あの子性格はきついなぁ~。
今日は色々あったから考えるのは明日以降にしよう。
目を閉じると急に眠気が遅いまたたく間に眠りに着いた。
寝ている顔を藍色の光が照らし、これからの人生を祝福または、見守るように暖かく包み込むのだった。




