番外1:防衛の徹底強化の前に旧敵国条項を完全廃止させよ!
◇日本の防衛強化30年の歴史
筆者:
ここでは必ずしも愚策とは言えないわけですが、「手順が違う」ために防衛に関して危機に陥るかもしれないという事について語っていこうと思います。
まず、90年以降に絞ってですが防衛力の強化の推移について見ていこうと思います。
日本が初めて海外派兵をしたのは1992年の湾岸戦争でした。
この際には国連平和維持活動(PKO)に限ったものに関して出来るように法律改正(PKO協力法)がされました。これにより海外の大規模災害、医療活動、災害復旧に限って自衛隊を海外派兵できるようになりました。
そして、2001年にはアメリカで「911テロ」というのが起きました。
これが皮切りとなり「テロとの戦い」というのがアメリカと中東の間で始まり、
アメリカは日本においても自衛隊の後方支援を要求してきました。
それに対して小泉政権においてはテロ対策特別措置法を制定し、失効する民主党政権の2010年まで補給活動を付けたようです。
質問者:
自衛隊派兵をしていたなと思ったらアレは時限的なものだったんですね……。
筆者:
アメリカ様の要求は絶対ですからね。
安倍政権ではより防衛力を強化しようという流れになり、
2015年には去年の高市総理の発言で話題になった「存立危機事態」に対する対応について法整備されました。
これまでは具体的にどういう時に防衛をするのか、攻め込まれたとき以外では、「日米同盟」という枠組みだけにとどまっていたので、どこか漠然としていたのですが、
日本周辺でアメリカが攻撃された際にそれが「日本国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」であれば自衛隊が戦うと規定することになったのです。
この際には「台湾有事」については「存立危機事態」の例としては挙がっていませんでした。
高市政権の25年の国会答弁は「台湾有事」についても「あり得る」としたところが大きな問題になったのです。
そもそも、台湾有事について「一つの中国」を認めている場合は「内政のこと」であるためにアメリカ軍自体がやってこない起こりえないので中国が怒ったという事です。
気持ち的には台湾に加担する1択ですけど、外交上は中国と友好条約、台湾とは国交断絶状態ですからね。
質問者:
こうして少しずつではありますが自衛隊の活動範囲と言うのは広がっていったんですね。
筆者:
これまでは活動範囲について語ってきましたが予算措置の拡大について話していきましょう。
実は23年にようやく「GDP1%枠」というのが取り払われたんですね。
これはロシアのウクライナ侵攻によって欧州各国が「防衛費2%」に設定した国が相次いだために「プレッシャー」という形で日本も1%を超える金額が設定されるようになりました。
25年度は補正予算も加味すれば11兆円になり、ついに2%に突破したために目標の27年度を2年前倒しで達成することになったんです。
https://www.asahi.com/articles/ASTCX4Q6QTCXUTFK00SM.html
26年現在では次の安保3文章改定でこの11兆円を遥かに超えるだけの金額を設定し、
今後は、核保有、核共有や更なる武器強化についても検討されていくことになるでしょう。
◇「旧敵国条項」をチラつかせる中露
質問者:
筆者:
僕は「旧敵国条項」を削除してからでないと核兵器を持つことは危険だと思います。
1995年9月の国連総会決議において「旧敵国条項」が死文化したとの認識と削除への投票が賛成155 反対0 棄権3で決議されています。
2005年9月の国連首脳会合においても、削除への国連加盟国の決意が表明されました。
しかしですね。日本と戦闘をする可能性があるなんてほとんど中国とロシアしか無いわけじゃないですか(北朝鮮はその2国の後ろをついてくるだけ)。
よりもよってその2国が「旧敵国条項」について相次いで話題にしているという事が最近でも起きています。
https://www.sankei.com/article/20190222-ZQ2KCUYJFVJJNMFC36WTSKJU7I/
https://www.sankei.com/article/20251124-TMUIUK37X5BOJKD635DXK2GNHI/
「死文化」しているのなら即刻削除できるはずですし、それが30年出来ていないというのは「活用される可能性アリ」という事を意味しているんです。
これは一回中国が削除に賛成したからOKという事では無いです。「日本が30年で変わり果ててしまった」とかこんな感じの言い訳をして発動することだって可能性はゼロでは無いんです。
その他の200カ国が旧敵国条項は無いと主張しても肝心の2国が旧敵国条項を出している――しかもこの2国は常任理事国で国連憲章から削除することも出来ないわけです。
※これを書いた直後に高市総理が国連で旧敵国条項削除を求める演説を行いましたが、中露と関係が悪い以上(自ら関係を悪くしている)、こんな呼びかけだけでは絶対に不可能だと思います。
中国は演説に対して旧敵国条項を巡り「再び軍国主義が国際平和の脅威となることを防ぐため、重要な現実的意義がある」と予想通りの返答をしています。
質問者:
一度戦闘が始まってしまえばウクライナでもイランでもなかなか終わらないことは明らかですからね……。
筆者:
かと言って「左側の人たち」みたいに攻められたら手を上げて降伏するみたいな考え方はあまりにもみっともないですからね。
「旧敵国条項」という「戦後の状態」から脱することが出来ていない現状を打開し(ある意味その時までは中露に下手に出ておく)、その後で単独で防衛できるぐらい強化するのが理想だと思います。
ただ、そのプロセスを踏むことなく軍事力強化してマッチョになろうとしている感じですからね。
これは非常にリスクがある状況だと僕は思っています。
現状は距離が出ない相手国に届かないような戦闘用のドローンなどでとどめていかなければいけないと思うんですけどね。
質問者:
「核共有」とは言いますけど、結局アメリカさん頼みですし、本当に核兵器で反撃してくれるかも分かりませんからね……。
筆者:
ロシアも「核の恫喝」はするもののそれを使った際の国際的な完全排除は免れないことは知っていますので、戦術核すら使いませんし、アメリカも中東の基地を攻撃されて核で反撃してくれるとかそう言うこともしていないです。
つまり使えば国際的な信用の低下という不可逆的なダメージを追うために「使えない兵器」になっているんです。
そんな核をアメリカ自身のためでは無く日本のために本当に使うのか? この点を核共有論者には本当に考えていただきたいと思います。
※核を日本のみでの保有はよっぽど旧敵国条項を発動されるリスクがありそうです。
今現在は自民党の防衛強化について「愚策」と評価できる段階では無いですが、いよいよ周辺がきな臭くなってきている中で、将来的な政策次第では禍根を残しかねないという分岐点にいると僕は思っています。
次の項目では完全には「愚策」とは断言できないまでも国民から反対の声が大きいODAなどの「海外支援」に焦点を当てて語っていこうと思います。




