表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で、変身ヒーローやりました。  作者: ヤガミタケト
79/80

閑話 ヤマトが誇る最強ヒーローが、やってきましたよ!

とうとうこの日がやってきたか! さあ、ネクストステージの始まりだ!

俺の名前。

そう、誇るべき俺の名前!


その名は、マックス! 大地マックス!

え? 本名は別?


否。断じて否。

戸籍名称と誇るべき名前は別物だと言うことを、あえてここでは言っておこう。


ということで、俺の名前は大地マックス。

さあ、気軽に呼んでくれ。



天呼ぶ、地呼ぶ、俺を呼ぶ!

ヤマトを守り、世界を守る最大級のヒーロー!


マックス! と!



よし、現実逃避終了!

というわけで、俺は今!

デパートのビルの屋上にいる。


それはいい。

そこはマックスに問題ない。例え問題があったとしてもマックスに解決できる俺なので、問題はない。


問題は、目の前だ。

「おーい、君! 日本語通じてるかい?」

目の前に繰り広げられているのは、ショーだ。


ヒーローショーというやつだ。


それもマックスに問題ない。

昔、子供のときに両親や友達、さらに小さいときにはミサトと一緒に都会のデパートの屋上やらで、何度も見たことがある。ああいうご都合主義は嫌いじゃない。

とにかく、問題ない。そう、そこもマックスに以下略。


さて、具体的に言うならば、そのショーの舞台裏になぜ俺がいるか、ということだが。

地面にある音響器具のコードやら、台本なのかは分からないが紙。

着ぐるみ? だろうかウサギとこれは……カメ、レオン? 

何、そこもマックスに問題はない。

カメレオンらしきものが実はカメだったとしても、問題はないのだ。

そうマックスに。



既にショーは始まっているのが声で分かる。

子供の声が聞こえているのも確かだが、司会進行のお姉さんの声で分かる。

新人からまだ抜け出せていないのだろう。声に硬さを感じる。


そして、子供たちの注目度があまりないことも分かる。

聞こえてくるのが、このショーに対しての言葉ではなく、何かがゲットできてないだとか、何ストップの何とかだとかカードのレア度だとか……。


うーん。このショーの意味合いがよく分からないが、そこもマックスに問題はない。


だって、俺、ヤマトの特務のトップ。

ヒロユキの兄貴とか佐々山博士とかといると、自分のキャラクターというかマックスの個性というか。

そういうのが薄れてる感じがするから、自分でとりあえず確認する。


よし。俺のアイデンティティの確認、今日もマックスに問題はない。


さて、何が問題なのかというと、だ。これも確認しておこう。

「だーかーら! 君! 日本語分かってるよね! ここ、スタッフルーム! どこから来たのか知らないけど出てった出てった!」

目の前のスタッフジャンパーを着ている女性に怒られているのが問題……、ではなく。


彼女が喋っている言葉が理解できていること、なのだ。

ヤマト語ではなく、『日本語』と言われている言葉を。


つまり俺は--。


(いつの間にかヤマトじゃなくて日本に着ちゃったよマーックス!!!!!)

「聞こえてる!? アンタ!」


うるさい女性スタッフの声など、よそに、俺は天を見上げるしかなかった。



見慣れない、コンクリートの天井しかないことは、分かっていたのだが。




「ったく、まあいいわ。もうそろそろ山場だから、しばらく残ってなさい。ま、どうせこういうショーに何の興味があるんだか」

「いや、勧善懲悪をテレビなどの映像ではなく、きっちり身近にあることを体験させることで道徳教育にはいい方法だと思うのだが、そういう視点で行なっているのではないのか?」

女性スタッフの愚痴につい、ヤマトの特務としての見解を述べてしまう。

もしかしたらだが、こういう視点がないから、日本から来る少年たちの攻撃性などが培われてしまうのでは、と思うのは単純な考え方だろうか。


「いやいやいや! そんな視点聞いたことないよ! どう考えてもお金でしょお金! まったくどんな高尚な考え方よそれ」


こういう教育を常日頃必要と感じた上で、大人から子供へつないでいく。

形なき、世界の財産を譲渡していくという考え方なのだが、日本ではどうやらうまく伝わっていないようだ。

そもそも金銭的な問題というのも確かに存在するが、経済学的に考えれば富の循環ということで、きっちり経済行動に出ていれば、そこまで金銭に飛びつく必要はないはずなのだが、……いやここは日本だから仕方ないのかもしれない。

何せ、野蛮的な考えや行動をして、ヤマトというか他者に被害を与え続けている……その思想の国だからな。


ただ、もしそうだとすれば、ヒロユキの兄貴は何か。

あの人は、もしかしたら聖人君子? いや、神か? いや、兄貴だな! 兄貴と書いて多分神と読めるに違いない。マックスに推測した結果そうとしか思えない!


「ま、だから、ほら、外の声、聞こえる?」

女性スタッフが、耳に手をあてて聞くジェスチャーをしてくるので、真似てみる。

ちなみに、本来はそんな真似は必要ないのだが、いわゆる聞いてますというしぐさ、というやつだ。


「みんなー! ブラックシルバーが大ピンチ! でも、みんなの声が力になるみたいだよ!」

「……すまない。みんな! オレに力を、声を、思いを貸してくれっ!」

「さあ、大声で呼ぼう! ブラックシルバー!」


「……」


数名は多分呼んでいるのだが、いかんせん、声が小さい。いや、小さすぎるだろ!

おい! どうなんだこれは!


「ね、誰も呼ばないでしょ? そういうもんなの。まあ、お決まりだから次の声にはサクラを呼んであるから」

その女性スタッフの言葉に、俺は。


「そんなものが、いるか!」


激昂した! なんだそれは! 解せん! いや、理解する必要などあるものか!

そういう心だから、子供が、大人が、今が、未来が、腐っていく!


そんなことが、必要あるものか!

マックスに、断言しておこう!


「そんなものは、必要ない! 必要なのは、ヤマト魂! つまり心だ!」


そう、心だ。心構えだ! そこから全てが始まるのだ! そして、それがあるから!


「見せてやろう! これが受け継がれてきた、ヤマト魂! 変身だ!」


--ヤマト製バトルスーツ展開。

そんな無機質な音声を振り切るように、俺は舞台に駆け、そして跳んだ!




私は見た。

いつの間にか舞台裏にいた変な青年が、訳もわからないけど、突風みたいなスピードで走ったと思ったら、ほぼ直角に、跳んだ。

いや、姿が見えないから飛んだのかもしれないけど。

彼の周りに、何か金色の線が回っていたけど、それよりも、あの人間離れした動きは、何?


特撮? いやワイヤーアクション? いやいや、そんなのないし。

うちも取り扱ってないし。


じゃあ、何よあれ?

夢? ああ、それだったらよかったんだけど。

残念。頬をつねってみたんだけど、現実なのが理解できたわ。


じゃあ、何よあれ?




舞台の中央に俺は降り立った。

ちょうどヒーローと怪人の間。

怪人は、何だろうな。たぶんこうもりとブタ鼻をあわせて、ミサト曰く「キモカワイイ」のだろうかあれは。いやとにかくそんな感じだが二足歩行。中の人は大変そうだ。


いや、中の人など、いない!


そしてヒーローは……、って何で『ユナイト』そっくり? いやところどころが違う。

つまり、パチモンか! 兄貴のパチモンは駄目だろ!

いや、待て。勧善懲悪の啓蒙活動の主役が兄貴なのか。



……いいだろう。ヒロユキの兄貴を見習い、励むがいい。

だが、弟分の座は譲らんぞ!


という思いをよそに、見渡してみるが、舞台どころか、屋上が静まり返ったな。

なるほど。これは、俺のセリフ待ちだな? いいだろう! では!


「天呼ぶ!」

右手人差し指を、天に掲げ!


「地呼ぶ!」

その指をすぐに、真下に下ろす!


「俺を呼ぶ!」

そして、その右手をサムズアップし、俺の胸に向ける!


「ヤマトを守り世界を守る、最大最高のヒーロー!」

小さな、火・水・土・鉄・木の玉を目の前で大きく回しながら、対極図を描かせる。、


「俺の名前は、マーックス! ここに降・誕!」

玉たちを散らし、雲散霧消させる。


よし、つかみはオッケーだ。というか新しい名乗りも完璧だ。

なあに、周りは唖然としているがそんなものはマックスに気にしてない。


「子供たち! 大人たち! ヒーローって何だと思ってる?」

拡声器モードで舞台から屋上全てに声を伝える。

ちらほらと観客の喧騒が戻ってくるが、そんなものに負ける俺ではない。

「俺は、勇気だと思ってる! っても、このユナ、じゃなくてブラックシルバーのような怪人と戦う勇気のことだけじゃない!」

声を張る。果たして日本人に通じるかどうかに不安はあるが、その部分はヒロユキの兄貴が言っていた。


言うこと、動くこと、伝えることが大事だ、と。

それをしないやつ、しようとしないやつがいるけど、それでもやれることはやるんだ、と。


兄貴と戦った俺が、そのやらないやつだったんだが、な。

「毎日の仕事や学校、もしかしたらささいな会話や行動だけでも苦しくて辛い、面倒だったりするだろう! そんなときに必要なのが」


右手に火柱を上げる!


「勇気だ! やろう、どうにかしようと思う心でもある! だけど!」


左手に水柱を上げる!


「やりたくない、やらないでおこうという心だってある! だから勇気は小さくなる! それが人だ!」


二つの柱を併せて、俺の後ろで消す!


「だから、その小さな勇気を! みんな、声に出して欲しい! この倒れたヒーローに勇気を伝えて欲しい! 小さいけど、確かに俺たちには勇気があるんだと! そして、この小さい勇気を多くの人と伝え合い未来に伝えて、大きな勇気で何が起こるか分からない明日を、未来を歩いていくんだと!」


さあ、伝わってくれ!


「みんなで、叫べ! マックスに! ブラックシルバーあああああああっ!」


……ノーコメントですか。そうですか。

無音ですかそうですか。

よし、こういうときの兄貴の教え。


どうしようもない時は、武力行使も考えよう。


「ぬ! 勇気の意識が足りないのか!」


と、炎をドーム状にして屋上を包ませる。

見かけ上危ないように見せたいので、赤色で。

青色とか白色でもできるんだが、ほら、下手に触れると火傷じゃすまいないから。

なお、出入り口は分厚い鉄板で閉じてあります。


「ちっ! まさか、この怪人! 人の勇気のなさを糧にこんなことまでできるとはな! ならば、みんなの勇気でなんとかできるってことか!」


阿鼻叫喚の叫び声も吹っ飛ばす声で、責任転嫁。

いや、もとい改めて力をお借りしましょう。さすが怪人、と。

怪人の中からわたしのせいじゃないとか聞こえるが。気にするな。

中の人は女性のようですがすみません。


じゃないな! 中の人など、いない!


じゃあ、最後はこれだ!

「みんな!!!! 勇気を声に出せっ!!! 合言葉はブラックシルバーだ! いくぞっ せーの!!!」



『ブラックシルバアアアアアアアアアアアアアアアアアアっ!』


ナイスだ! いい声、出せるじゃないか。大人も子供もおにーさんもおねーさんも!

怪人さんまで、ありがとうございます。


そして、晴れる炎のドームと、砂塵のようにして消える出口をふさぐ鉄板。


「よし! あとはブラックシルバー! 任せた! 今のお前ならできるはずだ!」

「あ、お、おお! 任せておけ、えーとマックス? でいいのかな? とにかく、必殺のシルバリングっ!」

え? 何かやってるけど、結局その動作、タダのパンチ?

いや、それで倒されると、今までの怪人の強さ(演出)がもったいないな。


よし、ではこちらも。


「ストライクっ! おおおおおおおっ!」

「俺にもやらせろ! ご退場願うぞ! マックス・スプレンディング!」

必殺技のパンチが決まりよろける怪人へ、ジャンプ滞空し、呼び出した岩石たちを殴りつけまくり飛ばす。

当たっているように見せかけて、実は寸前で消し飛ばしてます。ご安心してください仕様。

まさにご退場に持ってこいの技である。



「みんなの勇気が、力をくれた勝利だ!」

なんだかかっこいいポーズを取っているブラックシルバー。

俺もポーズを決めるべきか? いや、勝利のポーズは現在検討中なので。

ミサトが現在選んでおりますので、しばらくお待ちください、なんだよなあ。


「よし、じゃあ、マックスに俺は去るぞ! ダッシュマックス!」

とりあえず、ポーズを決め終わったブラックシルバーにサムズアップして、舞台から跳ぶ。


頑張れ、日本人。そんな願いを今日の舞台に思って。






そういえば、ダッシュじゃなくてジャンプのほうがよかった。

と跳んでる最中に気がついた。


今日のマックス、空も飛ぶ。










「ジロウ! 何でまだ寝てるの!」

ミサトの声が聞こえた。


……なるほど。つまりは夢だったか。

実家の固い布団の感触を全身に感じて、今の自分を確認する。

どうやら、起床が遅かったようだ。

さて、ミサトにどう言い訳しようか。



大人しくこう言ってみるか。


俺、さっきまで日本でマックスに活躍しててさ! すごいだろ? マックスだろ?






だめだ、エイプリルフールにしか通用しない気がする。

というわけでエイプリルフールはマックスネタでした。

かなり長くなってますが、エイプリルフールは1日しかないんですよ!

マックスに頑張っても1日しか……っ!


最近活躍してないのでということもあるんですが、一応彼は凄い人ということで。

馬鹿かもしれないですが凄い人なんだということで。


感想お待ちしております。

あなたのエイプリルフールネタも募集(来年になるやんそれ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ