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異世界で、変身ヒーローやりました。  作者: ヤガミタケト
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71話 バイト3日目、なんと表現すればいいのだろう

まさか

まさか

まさかマックスがエイプリルフールとはねw

「おや? おかしいですね」

ヨシノさんの一言。投げかけられたのはオレ、ではなくて彼女の目線の先。

イブキの両親へ、だ。ヨシノさんも彼らも笑顔は笑顔だが、圧が! プレッシャーという奴か?

とにかく何かがすごい。オレが新人類であればもう少しいい表現も出来そうかもしれないが、そこは勘弁してくれ。一般人で昔事務員、今なんちゃって料理人に求めるものではないと思ってくれ。


そもそもオレからしてみれば、そのセリフからしておかしい。

何がおかしいか、再度確認してみよう。


それは、ヨシノさんとイブキの両親との顔合わせから始まった。

「ここの神社の管理人の方々ですね? 私はヨシノと申します。ヒロユキ様の妻になる者です」

「いや彼女とかぶっ飛ばしてそっち!? じゃなくてその不健全計画はなしでって言ったのに!」

オレの速攻突っ込みが炸裂したのは覚えている。うん。あれは完璧に否定できたと思うのだが。

だが。


しかし。


世の中にはどこぞの神のようないわゆる「後から出て先に着く」ようなことはありえなかったわけで。


つまり、だ。ヨシノさんの言葉はしっかり聞かれたわけだ。

オレのツッコミがいくら早かろうと、勝てるわけがない。


時計の針の速さを追い抜くことも出来なければ。

すごろくの目を操作することもできない。

ましてや川の流れなどどうしろというのだ。


あ、最後のは『ユナイト』で可能か。

もしかしたら2番目も可能かもしれない。

いや待て。もしかしたら1番目も可能か?


閑話休題。


つまり、ヨシノさんの「妻」という言葉を聞いたイブキの両親が、何故か笑顔で固まった。

物理的に「ピキッ」とか「ビシッ」とか何かが割れたような音が聞こえた気がする。


それは気のせいかもしれないが、それくらいの雰囲気であったことは間違いない。

「ほ、ほほう。なるほどヒロユキさんの妻候補、ですか。わざわざ何用で桜丘神社に」

「いえ。夫になる方が深く感謝をしている場所があるならば、妻も同伴するのは道理でございましょう?」

「あら、わざわざご丁寧に」


言葉だけで考えると、普通の会話だ。双方笑顔であり、和やかな……って思えるのは言葉だけだよ!

だから何? この切迫した空気。

オレ、一言も喋ってないんだけど胃が痛い! 


なんか、すごく、ここに、居たくない!


これは、オレのせいじゃないよね?

いくら30超えてても、耐えられないものなんていくらでもあるんだし。

タンスの角に小指とか。


……あー、あれは耐えられない。

若い頃と比べて耐えられる気力とか、打った後の治りが若い頃よりも遅いとか。


あと、あれか?

夜食のラーメン。カップ麺。

うまいんだけどさ。めっちゃうまいんだけどさ。

朝の胃もたれとか結構きついよなー。

後、カロリーとか太るとかめちゃくちゃ気にする。

ヤマトに来てからは全くないけど、思い出すなあ。



「あくまで候補ということなので、つまりは認められていないと言うことですよね?」

「いえいえ、この場に私がいることが証拠ということになりませんか? 認められることは、近いということの」

「あらあら。うちのイブキちゃんといい仲のような気がしますが、おかしいですわね?」

「なるほど。イブキさんのお話はかねがね伺っておりますが、年齢的に妹のようなものでしょう」



色々と聞こえてくるが、気にしたら負けだ。

天井のしみでも適当に数えようか?

それとも、頭の中で仕事リストでもカウントしようか?


それとも。それとも。それとも。それとも。それとも。


オレの中でそれとも、って言われると一番最初に出てくるネタは。


『それとも、オレと踊るかい?』


なんだが。

っていうセリフの割にオレは社交ダンスとかすらやったことないし。

マイムマイム? いや、郡上踊りか?


それすらもやったことがないな。


あ、そういえば高校の友人に強制的にやらされた、なんだったか。

たしか。魔術開放の踊りとかやらされたな。

あれはどう考えても生贄に喜ぶ、邪教の踊りのような。

もしくは蛮族のウォークライ。


友人のやたら広い部屋の中で7人……だったか? やった覚えがあるが。

いや、8? いや6? 

あれ? 思い出せない。


あれ? 



……まあいいかそんなことは。



よし、外の雑音がピーとかザザーとか気にならなくなってきたぞ。


……ん?

ピーとかザザー?

で、爆発音? ドカンって? 何で?


ドカンはいらないよ。ドカンは。

爆発は芸術だけで十分だろう?

後はゲーム。

火力とか爆弾の量とか、爆弾持ち上げて壁の向こうに飛ばしたり、爆弾蹴ったりするあれ。

類似品にビー玉を腹部に装着して……って。


違う、現実逃避してるままじゃ駄目だ。


「な、何?」

「爆発? そんなものは催しに予定してないぞ!?」

「ヒロユキ様! この反応は」



彼らの声を背に、外へ!



鳥居と、その下の石畳が爆発して散っているのが見えた。

遠目でも分かる。

鳥居の下の石畳が全部粉砕、というよりはなくなっているのだから。


そして、爆心地。その中央。

つまり鳥居の下に。


異形の、化け物。


いやあれは。


パワードスーツなのか? 


足が6本、手が4本。

顔が2つ。

目が顔にそれぞれ4つ。


いや、顔に目しかないが。

髪すらない、黒い、何か。


これを化け物以外で表現するなら、してみるといい。



オレには無理だ。


ってか、何だそれ!?

化け物の当初の表現は

目が3つ

胴体は1つ

足も1つ

と思ったらかさかさ動いてるので怖い


って信号機みたいになるから却下


だったので、いっそ!!! って感じですね

少なくとも、「人じゃない感」を出したかったのです



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