67話 バイト3日目、そして実行へ……
生存報告もかねて。
って一回予約投稿したのに消えていた(TT)
オレの名前は黒川ヒロユキ。
30も超えた、それなりなおっさんだ。
酒やタバコはノーサンキューな、体にやさしい男でもある。
人に言わせれば「いい人すぎる」らしく女性関係についてはかなり清らかだ。
つまるところ、なんだ。あれだ。
30過ぎたら魔法使いになれるとか賢者だとかというのは、夢物語でしかない、というのを実体験で理解した、とでも言っておけばいいだろうか。
そのあたりは、察して欲しい。是非に。
職業は喫茶店の料理人。1人暮らしのそれなりの腕前で、なんとかやっていけている。
前の職業が事務職と考えれば、転職はそれなりに成功だと言えるだろうか。
それはいい。
問題は、今。
働いている店が、全面的な改装のため、店兼住居である場所を追い出され、哀れこの年で家なき子。
いや、ただのホームレスかそれは。
そこを店のバイトの女の子の実家である神社にバイトという形で拾われるのだった。
で、さ。
この今までの語り、いるのか?
脳内でそれなりに語っただけだけど。どうなのさ。ユーナには作戦開始はこの脳内での語りがないと駄目、ということで渋々、本当にやりたくないけどやらざるを得ないから仕方なくだ。
自分に言い聞かせておくが、本当に渋々だ! 失敗したらどうなるかっ! 覚えとけ! 成功しても覚えとけ!
っと、心の声まできっちり語ってしまったが。
オレの日課は、というか朝食はもう食べたので、次だ次。
今日から本格的に祭りの準備というわけで、忙しくなるわけだ。
特に人手が必要という意味で。神事から、ぶっちゃけてお金や人の出入りなどの俗なものまで大変なのだ。
そこで、今回はバイトの女の子、ってもう面倒だから、もういいだろ?
バイトの女の子=イブキのことだな。わざわざ隠す必要もないだろ。
とにかく、イブキの学校の学生を『学校の授業の一環』として実習という形で、半ばどころか強制的に組み込んでもらい、というかオレはお願いしてないし神社側もびっくりだったが、そのあたりどうなの学校さんとしては? あの先生の暴挙を許していいのですかね?
あり? いいの? いいの! ……なんて学校だ。いえ、なんでもございません。
たかがバイトに意見を言う口はございません。
というわけで、オレは今日も今日とて事務作業やら何やらをバイトとして頑張るのだった。
そんな回想をしながら、事務所で仕事準備。
と、おや? 外が騒がしいな。あれか、学生が集合したってやつだな。
先輩バイトとして、顔出すか。
「では、全班! 行動開始!」
ミニマムな先生の気合の入った声に、はーい、と間延びした返事の中に、気合の入った声もちらほら。
どうやら、大半はここのバイトをなめているようだな! いいだろう! 先輩バイトとして……あ、いえ、オレは事務方なので事務所に戻ります。
え? 事務所に学生は来ないのかって? オレも来ると思ったけど、ないんだよ!
個人情報とか色々大変なんだよ! 現代社会はなんて面倒な!
っと、仕事仕事。
しっかし、この脳内でのこの1人説明とか、やる必要あるのか?
学生がどこにいるか分からないからうかつに『ユナイト』に変身するわけには。
ただ、ユーナに説明を求めるだけに変身とか。いい加減そっちの方向も改良の余地ありか?
っと、しまった。そっち関連は今回の計画に必要ないので考えないように、と言われてた。
とりあえずメモっといて忘れとこう。置き場所は忘れずに。この引き出しの中に入れておこう。
事務職とは人が思うよりも業務が多岐に及ぶ。
少なくとも、ここの仕事については。
例えば、次の会議に必要な資料データの作成。
主に必要なのは前年度データ、そしてこれを今に当てはめる仮想データ。
それに付随するイフ、つまり「もし、ここの箇所を変更したら」というデータ。
最低でも会議というならばそれらのデータが最低限必要になる。
もちろん見やすくする、とか最新データの資料の準備とかもあるが、とにかく大変だ。
あと、印刷。こっちはただただ面倒。
というのを、1人でやる。
おや? おかしくないか? と思ったら、それは正解。
そんなに時間も人もいないのにやれるのか? と言われるのだが。
それに対しての答えは、両手がそれぞれ違う動きをして、時間差でそれぞれを確認。
移動ついでにさらに各種処理。思考は並列処理。
これを高速にかつ、的確にできれば問題はない。
ほら、できるだろ? というわけで現実に資料はホチキスで閉じて完成している。
これが現実だ。前の会社はこれくらいできないと「ムダ残業」とか「使えない」とか酷い言われようだったからな……。もっともこれができても言われてたけど。
ま、さらにこれ以上をやってもいいが、場所とかまだ慣れてないからそこまではやめておこう。
って、また外が騒がしいな。学生だろうか?
凄い美人とかモデルさんとか、なんかかろうじて聞こえるが。
気にするな、バイトとは黒子。バイトとは影。バイトとはモブ。バイトとは仕事。
例えうるさくとも、任務は遂行すべし、なのだ。
さて別の資料と、試算の計算でもするか――。
と、古いインターホンなんだろう、鈴の音が鳴った。
おや、誰か来たようだ。
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