66話 バイト3日目、立案される計画
前回までのあらすじ。
いかにチハヤを学生さんたちの前に出さないようにするか。それを考えてます。
この世界の最高神の一柱がジャージ姿でネトゲ三昧。基本的に食っちゃ寝です。
いやむしろネトゲ中心なので寝てないかもしれません。
そんなのを学生さんたちが見たらどう思うか?
ユーナさん1人というか一柱? に確認してみたところ。
→ せかいのめつぼうは ちかい と ぜつぼう してしまいました
となってしまった! チハヤに何の理想を描いているかは知らんが、それはやばい。
ひっじょーによろしくない! というわkだ。
思考の言葉でさえも変換でき損ねていることを考えると、いかによくない事態かはお分かりだろうか。
つまりだ。
前途有望な学生諸君を『もうだめぽ』とかにしてはならんのだ!
大人ならどうかって? それはまた、別の話。
『マスターが変なことの推測を依頼するものですから1秒遅くなりましたが。このプランならいかがでしょうか! 一挙両得とはまさにこのこと……っ!』
おや、そんなことを言ってたらいいプランだと!?
ではちょっと拝見。
……数秒後。
「……ぐぎぇ」
一通り見終わったオレの声だが、なんかおかしい。
同僚が書類の山盛りタワーを運んでいたときに、うっかり足を滑らせたのだろう。デスクに座っていたオレに降り注いだとき。
いや、あれは押しつぶされた、が正解だが。
あの時にこんな声が出たと思う。
あ、同僚3人が一斉にやらかしたので、オレには甚大な肉体的ダメージがあったのだが。
あの時、紙の束で死ねるとか思った。
彼ら彼女らに悪気はなかったと思う。
……なかったと思いたい。
そこまで人の悪意が蔓延しているとは思いたくない。
さて、現実に戻ってプランをもう一度見よう。
……さっき見たのが、どうか実は夢か幻かであるように!!
「……ぐげっ」
見間違いなんかじゃなかった! ちょっと! これあかんやつ!
ええい! 夢も現も全て幻になってしまえっ!
だが、このプランしかないというのか? ユーナ。
オレに、これを、やれと。
本当に? やるのか?
ものすごく葛藤。
『ユナイト』で日本人に「たたかう」コマンドしかないほうがまだましかもしれない。
いつもコマンドが「かくれる」とか「ジャンプ」で数ターン様子見とかしてる身としては、だが。
他にも日本にいたときだと、ラーメンセットにギョーザかチャーハンどちらかしかつけられないときの、あの葛藤。
両方食べるには時間も胃袋の空間領域もない、あの時のオレ。
みみっちい? ちっさい? いえ、身分相応ですよ?
年齢も年齢ですから絵空事での葛藤よりも、身近な葛藤のほうが多いんですから。
ちなみに今悩んでるこれは絵空事にしてもいいんですよね?
『いえ、これから起こる現実です』
否定が早いっ! なぜだ! ええい、なぜなんだ!t
『……ぼうやだか』
待て! それ以上は言わないでくれ。というかなんでとある偉い人の葬式の演説へのコメント?
誰の弟? いや、演説してるのは兄貴か。ってそっちじゃない。
あ、もしかしてある意味葬式に近いイベントだから?
なるほどそうですかそうきましたか! ならば思うことはひとつ!
「この世に神なんていないんだ!!」
「いきなり何を言うか。ソハチハヤノミコトであるわしを目を前にして」
「ヒロタン、不敬罪で死刑一歩手前っ!」
おっと現実にまで声が出てしまった。
にしても不敬罪で死刑一歩手前か。セーフなのか? いや、罪の時点でアウトなのか?
「じゃあ、2人にも見てもらおうじゃないか。ユーナのとんでもプランを」
『お2人のPCにデータ飛ばしますね』
さすがにこの2人も拒否するだろう。それだけ滑稽いやむしろうこっけい、いやコケコッコーなプランだからな! 実際にやるとかやめてほしい。あ、でも中二病のほうがもっといやだけどな!
「「おもしろい!」」
「なんでやねん!」
読み終わった2人のユニゾンに衝撃の速さで突っ込みを入れた!
なんでそのプランを面白いと思うんだよ!
特にチハヤ! かなり関わってるのに! 他人事じゃないんだぞ!
「わしは気に入ったぞ! おもしろい! やろう! ぜひやろう!」
「待て! 待つんだ! どこぞの作者が『そうだ! 小説家になろうか!』みたいなノリでやってるのとは訳が違うんだぞ!? 結局、月一ペース程度になることになるんだぞ!」
「ヒロタン、それ何のこと?」
いや、今、天の声というかピピピ電波というかチャネリングというか。
何だかよく分からない意思が、降り立ったような。まさか、ユーナ?
『私じゃないですよ? で、このプランは当事者の太鼓判をいただいたので採用ですね、っと』
ああ! ちょ、まっ! ちょ! ちょっ!
『ではこのプラン通り参りましょうか。名づけて「恋人候補は神様!? 嫉妬せよ巫女様!」をスタートします』
その計画名からして、ダメージを負うのは全部オレだ!
こいつら! 他人事と思って……!
いや、他人事だな。
よし。いいだろう。オレにも覚悟というものは、本当は欲しくないがやるしかない。
本人がそれをやってくれるならば、オレの犠牲などささいなもの! そう、後から給料に少し積み立ててもらって、と。
うん。慰めにもならないね。
……後からどうなるか覚えていやがれっ!




