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異世界で、変身ヒーローやりました。  作者: ヤガミタケト
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57話 バイト2日目、洒落はそれなりに

ホワイトデーのネタを作っていたら、本編が遅くなるという本末転倒に……っ!

コスプレとはコスチュームプレイの略だ、と思っている。

間違いはないはずだ。


講師控え室にてイブキに着せてもらったこの服だが。

パッと見、黒と紺を基調として地味なように見えて、袖が銀色とか。

で、どこぞの平安時代の貴族が着ている様な、そんな和服。


着心地は、重い。そして妙に動きづらい。

伸縮性がないというか何というか。


そして何故かミラクルフィット。身長とか体型とか全く問題なく、ゆるくもない。

これにはイブキも「なんで? え?」と疑問に出す始末。


なお、イブキにはきっちり弁当は渡した。小銭入れも。こっちのミッションはコンプリート。


だが忘れ物を届けてもらうという出来事に対して、相当の心理的なダメージを受けたようで、渡した途端、「私駄目もうだめだめだめ」とうなだれていたので、とりあえず「着替えをしないと単位が落ちる」と促して、今、どうにか着替えを完成させたのだった。



「あ、友達から聞いたことがあるんですが『スメラギ様』の服と特徴が同じですね」

「へ? あのよく分からないスメラギ様?」

スメラギ様って何? というのが前々からあったので、ついこんな言葉になったのだが。

「えーと、私はよく知らないんですがスマホゲームの『神恋メンズ』っていうゲームのキャラクターです」

「二次元か……まさかそっち方面とは」

どこぞの神かと思った。チハヤがいる以上、もしかしたらそういう男神もいるんじゃないかと。

実際は二次元の神だったようだが。オレそんなイケメンじゃないんだが。

過去にイケメンと言われたことはないし、ジャニー○とかにも応募したこともない。

学校時代にファンクラブなんて出来たこともないし、スカウトなど論外。

オレは三次元の人間なので、二次元のイケメンにはどっちにしても勝てません!

「しかしこんなイケてないおっさんが二次元のイケメンキャラとそっくりとは、あの学生たち視力が悪いんだろうな。倉敷というかあのモモちゃん先生もメガネの交換時期だろ?」

いや、学生も先生も1度眼科の受診をお勧めしたい。というかむしろ受診しろ。強制的に。

「ヒロユキさんはかっこいいですよ?」

「お世辞でもうれしいよっと、まあ、行かねば時間が間に合わないってな」

イブキのお世辞にテンションアップ。男は単純なのです。

よし、じゃあ少しだけお茶目でも仕込むとしましょうか。


「イブキ、そのスメラギ様について教えてくれないか?」




数分後。

「私の私による私のための……いえ失礼。遅刻欠席者はいませんね? ま、いたら即刻落としますが」

メガネ巫女もといモモのメガネが怪しく輝く。

そのメガネを指で押し上げると、少しだけうつむいていた顔を、きっ! と前に上げる。

「では、スメラギ様もとい本日の臨時講師、黒川ヒロユキさんの登場だーっ!!! 全員、静粛にっ!」

っておい、どんな軍隊だそれは。神職はいつから軍隊式の対応になったんだ?

後からイブキに聞くとしよう。


とりあえず仕込みは終わったから行くとしようか。

なあに。イブキの評価が上がるなら、バイトとしても冥利に尽きる。

つまりは、イブキの評価が上がる → ご両親喜ぶ → 雇われバイトのオレ喜ぶことがある多分。

そういう建前だ。本音は、まあ、そのなんだ。オレも若いってことで。


音を立てず、だが、早く。

前傾姿勢ではなく、ただ前を見る直立の姿勢で。

モモの近くに着く。そして。

「悪いな。男だろうと女だろうと待たせるつもりなんてないが、待たせた分はその期待、応えてやる。絶対だ」

モモの肩を軽く叩いて、机に座る学生たちに顔を向ける。

「オレは、お前らと一緒のものが見られてうれしく思う。さあ、やってやろうか!」

右手に握った拳を高く天に突き上げる。


沈黙。

3秒くらいか。いやもっと。

この数秒でオレは思った。


ヤバイこけたこれ! 仕込みすぎたか!?


ちなみに今回仕込んだのは。

イブキの知識からスメラギ様の情報を仕入れ、『ユナイト』に変身。

ユーナに詳細確認させる。本当にそんなゲームがあるのかどうかも併せて確認。

画像も見たが、いややっぱりオレこんなイケメンと違う。

『いや、似てますよ? むしろこちらが肖像権の侵害で訴えますそして勝ちます』

ユーナ個人の意見については丁重に無視。

で、スメラギ様の行動やら言動やらを遜色なしでできるよう、瞬時に自分で演じる。

即座に最高1時間くらいは出来る、いわば即興の演技だ。


これくらいできないと、日本にいたときは本当に苦労するんだよ。

何せ、あれできてないこれ駄目とか言われてそれでも笑顔でやらないとまたお怒り。

元々そっちが巻いた種なんだが、と言いたいが、言ったところで無意味は目に見えている。

ああ、なんてくだらない。


とまあ、そんなことは置いておいて。

その思考が、2秒間のうちに行なわれていたのだが。


この思考が終結したとき。


「「「「「「「スメラギ様キター!!!!!」」」」」」」


ソシャゲオタたちの喝采から始まった拍手が、大教室全体に広がり。


しばらく拍手が止まなかった。

いや、もう止めろよ隣のメガネ巫女。あんたが拍手する必要はないだろうに。

「やったやたよスメラギ様スメラギ様! あとからサインもらう! いえむしろおもちかえり」

おい、何かおかしいぞ学生諸君このメガネの行動。

本当にこんなのが教授でいいのか? ソシャゲオタ重症の巨乳メガネ巫女やや童顔。

こういうときは共犯者もといイブキ……、あ、机に突っ伏してる。

まさかの、逃げなのか? まあ、後から反省会だな。


というわけで今のオレの心境はというと。

挙げた手が、辛い。オレ自身の気持ち的にこんな演技は、心が折れる。ほら、中二病ぽくて、さ。

という気持ちと。


いつになったら、この見世物は終わるんだろうか。

という、自分でまいた種が枯れるのを、ただ待つ辛さしかなかった。

ご意見ご感想、その他諸々待ってますいや待ってマックス!


ということでマックス分をここで補充していってね(ぇ


現在『異世界で、ヒーローやりました』×ホワイトデーのネタを書いてます。

正確には14日から書いてるのですが、

・このバイト編をある程度終わらせないと、きりがよくないと思ってます

・長すぎて3分割くらいにしようと思ってます

・ヒロユキはバレンタインに何も貰ってませんという前提です

 え? ヒロユキなら周りからもらえそう? 作者だって甘いもの欲しいのに(ぉぃ


多分来週の月曜日くらいには出来るんじゃないかな、と。

本編と一緒に更新できるように頑張ります!

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