56話 バイト2日目、おつかいレベルアップ!
仕事がようやく落ち着きましたので執筆活動再開!
と思ったら、別の仕事の依頼が(滝汗
「なんださっきの」
「人間にしちゃ速すぎなかった?」
「スメラギ様激似じゃん」
「ちょ、何かサインもらえるもの何か」
それくらいは聞こえるが後はざわざわくらいにしか聞こえない。
速すぎって人間のスピードですよ? 『ユナイト』で鍛えてますが、何か?
んでもってスメラギ様って何? サインとか言うくらいだから有名人か?
有名人については残念。不正解というしかあるまい。オレは黒川ヒロユキ36歳。
日本では事務員でダメリーマンと揶揄されて。
現在、ヤマトで喫茶店の雇われ適当料理人で、今は神社の短期バイト中だ。
つまり、間違ってもアイドルではないし有名人でもない。
イケメンと言われたことなど、日本でも全くない。
普通のそこらへんにいる日本人だ。
ちなみに偉業を達成したこともなければギネス記録も持ってない。
というわけでスメラギ様とやらについては、他人の空似というやつだ。
サインなんて言われても普通に黒川ヒロユキ、って書くだけだぞ?
っと、そうじゃない。目的は……いた。いたが、うん。何かものすごく。ものすごくごめん。
的確に表現する方法が思いつかないので、見たままを言う。
顔は赤い。で、目線が泳いで、と思ったら背けて、あ、机に突っ伏した。
だから、何か、本当にすまないと思う。
「というわけで、2限目の講義はヒロユキさんに」
「仕事中だ帰る」
「っとちょっと待ってくださいね! 交渉しましょうそうしましょう」
どこからともなくスマホを取り出すモモ。
ん? 本当にどこから出した? 背中に手を回したのは分かるが。
背中にポケット……があるわけがないな、巫女服だから。
いや、待て。そういう先入観がよくない。
考えろ。ありえない、なんてことはありえないのだから。
「ええ、そうです。黒川さんレンタルで。えーとっと。なら授業の一環で参加しますのでそれで」
何かおかしいセリフが聞こえたのだが。オレをレンタルとかなんとか。
そんな単純なものでもあるまい。相手は誰だ? ヒロシ……はないか。
あいつは地下施設の監督のはずだ。
はずだ、と思う多分。いや、そうだよな。あくまで変態はやつであって、工事する方々は普通に一般で正しいことを正しい工程を踏まえたうえで実施している方々のはずだ。
となると、まさか。
「いえいえ! こちらが無理を言ってすみません! 全ては神様からの縁というわけですので! では失礼しますーっ! ……よっし、オッケー出ました! 桜丘さんのご両親と交渉完了です!」
そっちか! 何てことしやがる! このモモちゃん野郎! いや先生か!
「というわけで二限目は改めて特別講義ですからね! あ、遅れたら死刑、いえ出席率とかテストとか関係なく落とします。欠席は極刑、いえ落第、いえ今後の単位に重大に影響します」
待て。それはいただけない。刑のほうじゃなくて、単位とか落第とかはよくない。
「おいこら職権乱用メガネもとい倉敷先生。それはよくない」
「ああその罵りも最高ですもっともっと! mottuto! mottuto!」
駄目か! 駄目なのか!
テレビとかで見たミュージシャンのライブに参加した人みたいに、片手を突き上げながら跳ねまくるメガネ巫女。もう、ドキがムネとかどうでもいいや。
「……なあ、この人こんなんなのかいつも?」
「えっと……初めて見ました」
そっと、最前列の巫女の黒髪ショートカットおっとりタイプ1人に聞きました。
嘘をつく必要もこの子にはないだろう。というわけで。
倉敷モモ。オレに対する態度のみ変態確定、と。
なんでやねん。
いったい、オレが、何をした?
「あ、と、はー! ヒロユキさんが臨時講師なので! こんなこともあろうかと用意してた衣装セットがあるのでこれ着てください! 全ては神の思し召しで」
「なんでだよ! 『こんなことも』があるか! ……教卓の裏に常備でもしてるのか」
教卓の裏から出された大手服飾店「アンクロ」のでかい紙袋。
ああ、そういえばヒロシに付き合ってもらって買ったとき以来だなーって。
そういえば私服が少ないよなオレ。今度ヒロシに見立ててもらうか。
変態だが見立てとかコーディネートはいいんだよなヒロシは。
「自分がいいかどうかではなく、一般的他者に対してどういう印象を持たれたいかに尽きる」のがヒロシのコーディネート術だからな。
その辺りが、他人とは違うし、それなりにいい見立てを生むんだろうな。
で、問題はこの紙袋の中身だが、受け取ったのはいいが見た目に違わず、重い。
「これをオレに着ろと?」
「桜丘さん、ヒロユキさんの着替え手伝ってください。先生からの指名というか依頼というか命令で」
「は、ひゃい!」
いきなり起立。返事も呂律が回らないのは緊張のためか?
重ね重ね、すまんイブキ。
しかし、とにもかくにもオレのおつかいは達成できたわけだ。
イブキに弁当と小銭入れを渡すという重要なおつかいを。
その代わり、何かさらに仕事が多くなったような気がするが。
気のせいじゃないなこれは!
どいつもこいつも、じゃなくて、どの変態もこの変態も。
オレに変な仕事を与えるのが実は仕事じゃないだろうな?
仕事じゃないなら趣味か?
そんなことを思いながら、机から立ち上がりこちらへ向かって歩いてくるイブキを眺めていた。
……? 周りにはバレてないかもしれないが何でニヤニヤしてるんだ?
ご意見ご感想、その他もろもろmottuto! mottuto!(ぇ
最初に一つ言っておく!
オレはかーなーりー! 逃げたいっ!
今のヒロユキの心境はこんな感じの状態です。
しかしにげられないよ?
あと、日にちが遅れて申し訳ないのですが、
東北のこと、作者は大学時代に一人旅するほど大好きです。
またいつか東北のどこかに行きたいです。
すみません、それだけ書きたかったので。




