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異世界で、変身ヒーローやりました。  作者: ヤガミタケト
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44話 ユナイト対マックス 考え続けて生きていく

次の更新は月曜になるかもしれません。

できるだけ日曜に出来るよう頑張りますが、月初で仕事が多忙。更新が難しいのですすみません。

やっちまった、と。


撃ってから思った。


改めて思う。

ファースト・アンド・ラストはやりすぎだったかもしれないと。

威力は抑えたつもりだったんだが、オーバーキルの威力を抑えたとしても、オーバーキルには変わらない。


ガンナー専用、ヒイラギ・クレナイ必殺技と言っても過言ではない銃弾『ファースト・アンド・ラスト』。

その内訳は、言葉にして簡潔に書くなら、空間穿孔弾と空間破砕弾だ。


具体的には、弾速の速いヒイラギで、着弾空間を穿孔。

起こる結果としてはダスクスラッシャーによく似ているが、あっちは空間破断。

空間を斬る、という現象を起こす。

それに対してこちらは、空間穿孔。穴を開けるということだ。

現象としてはヒイラギからの穿孔弾で、着弾した空間に穴を開ける。

これだとただの貫通弾で、空間はすぐに埋まる。装甲が固いやつとか結界持ちにはダメージを与えられるが、実のところ、たいした威力はない。


具体的には、スチール缶に穴がかろうじて空くか空かないか。


そんな空間に穴を空ける専門の玉の後に、数コンマ遅いクレナイの破砕弾が投入。

で、本体に着弾。空間もろともボロボロに破砕する。


するとどうなるか。

結論として、空間そのものが耐えられずに、崩壊。

崩壊した空間は周囲の空間で補填しようとするので収縮を始め。

巻き込まれると、崩壊空間ごと消える。いわば消滅マジック。

いや、マジックじゃないな。消えるだけだし。元には戻せない。


ついでに、名前の由来は、ヒイラギ・クレナイの使用不可になる点からだ。


まず、発砲後にヒイラギ・クレナイにかなり負荷をかけてしまう。

言い換えると、この二丁拳銃がほぼ一日使い物にならない。

熱というのか分からないが、へんな感覚がその後一日中残る。

この状態だとどんな弾を撃っても、照準が定まらないし、威力もなぜかがた落ち。


そういう意味合いが合って、一発撃ったら、終わり。


だから、ファースト・アンド・ラスト。


そもそも作るのが大変で、ヒロシやアヤにも内緒でこっそりユーナと開発していた秘密道具のひとつだ。


もともとは、ヒロシやアヤが、とんでもないものを作ったときの対策武器だったのだが。

絶対壊れない自動白衣着させマシーン、とか。


あいつらは、たまに科学的にも冗談だろ? みたいなネタを本当に作ってくることがあるからな。

暴走したら危ない気がするので、対策案は練ったほうがいいとオレから提案したのだ。

しかし、まさかここで使うことになろうとは。



……あ。つい考えてばかりだったから忘れてた!

つい勢いで撃ったけど、マックスの命がやばい!!

防御不可のまさに必殺だった! 威力とか色々思い出して、ようやく落ち着いたけど!

やばい! やばいぞ!


『マックスの生命反応あり。すごくしぶとい。生命力はGレベルと見てもいいかも』

「マジかよ……」

つい声に出てしまったが。

ユーナ、本当に生きてるのか? アイツ?

いや、一応手加減はしたと思うけど、起こす現象が現象だから、手加減の意味はないと思ったんだが。

『防御の結界の多重展開だけでなく、五行術式を複数同時展開して……『マックス』の機能を全開どころか、あからさまに機能以上を引き出し……、でもスーツは機能不全』

どんな防御!? あれ防げるのは『ユナイト』ぐらいと思ってたのに!

馬鹿でもこの国の特務隊隊長ってことなのか?

いや、でも陰陽術に適性あんまりないって、マックス自身も言ってたから……、覚醒とかじゃないと思うけど。


スキル、じゃないだろうし。アイツはヤマトの人間だ。


ということは。



「『火事場の馬鹿力か』」

おお、ユーナと結論が被った。

『さすがマスター! やっぱり相思相愛!』

や、それ、意味違うから。


「……マックス、とかの前に、ちょっと、マジで、やばいから、助けるとか、助けてとか」

大量の木の葉の山、いや大木も倒れてるし、色々混じってるから何と言うべきか。

よし、分からないから大自然が出した腐葉土寸前のそんなようなもの、とでも言おうか。

そこから、静かに、震えて出てきた手。生身の人間の手。

どこから声が出てるのか不思議だが、Gの生命力を考えれば、それ相当の生命力を持つならばそれくらい可能だろう。

何たって火星に派遣されても、進化して生き延びるからな! 漫画だと。





その後。

適当にというか乱雑に掘り起こしたマックスを背負って、温泉の場所に戻るまで。

簡単な話をした。まず、『ビー・ネスト・トリガー』の時点で本物と分かったのだが、引くに引けなかったとのこと。それを聞いて、マックスを思いっきり投げたくなった。

あとは、色々と思うところがあるが、考えることもある、とのこと。


まあ、マックスは若い。20代後半に入ったところだし。

若さゆえのなんとやら、でいいんじゃないか、とも思う。

36のダメリーマンのオレが言う言葉じゃないが。


そうやって人は生きていくんだ、なんて思ったりするわけで。


と思っていたら温泉に到着。

背負ったマックスを何とか立たせ、土を適当に払い、ユーナに確認の上。

「何をするんだあああ!」という声の弱い、そんな否定意見は無視して。


お姫様抱っこからの、温泉に投げ入れる! ほらポーイっとな!

打ち身捻挫に効能はある、とはオレがかばったおかげで逃げた検査用戦闘員3人組の話。


投げ入れられたもののせいで、ザブンともドボンとも言えるような音が温泉に波紋を起こす。


これでともかく綺麗なマックスのできあがりだ。


よし、いいことをした!

きっとこれで『ファースト・アンド・ラスト』のやりすぎた感は帳消しになるだろう!

『ビー・ネスト・トリガー』は、あれはやって当然なのでやりすぎではない。

強いてあげるなら、そう。


自己防衛だ! と自分で納得しているから、それでいいとしておこう。


「んじゃ、オレも湯治でもするかなっと」

変身を解除し、湯に浸かる。


いい湯だ。見晴らしは大自然の中だから、絶景とかはないが。

少し熱めの湯加減が、動いた後の体には心地いい。


……そういえば、あれがあるな。

ユーナ経由で『ユナイト』の武装格納ボックスにアクセスし、すぐに取り出せるようにユーナに依頼。

「ぼぶふぁああああっ! 弱った人間を唐突に温泉に入れるなと教わらなかったのかあああ!」

「おいおい、温泉は静かに入れよ……。ちなみにGレベルの生命力を持ったやつは死なない限り生きてるだろ。大丈夫だ問題ない」

「ちょ! マアッッックスにおかしくないかおかしくないですかそれ!」

「何度も言うぞ。大丈夫だ問題ない」

「……おおぉぅ」

オレだったら、「誰だって死んでなけりゃ生きてるでしょうが!」くらいのツッコミはする。

ただ、Gレベルの生命力ならば、この表現はおかしくはない。

伊達に喫茶店でどれだけ対策してると思ってんだ! あいつらは本当にすごいからな!

湯にゆっくりと沈むマックスを見て。


あんなに言い争ったというか死ぬレベルまでやりあった奴と、馬鹿をやる。

そういうのも、悪くはない。

それは、湯に当てられたわけではないと思う。


だから――。


湯上りに、瓶入りのコーヒー牛乳。

お詫びに1本準備しておいてよかったと思うオレだった。

ご意見ご感想、ご評価などお待ちしております。


まだこのマックス回、後日談が残ってますのでもう少しお付き合いください。

ですが、これでようやくヒロイン回ができる!

次々回からユナイトじゃないヒロユキがようやく活躍します。

事務職の力を見せてやろう、思う存分にな!(ぇ


……そういえば、ヒロユキはほぼずっと『ユナイト』着っぱなしでしたからね。

朝起きて洗顔歯磨きなどの後、変身。ご飯食べて変身。身辺整理して変身。

寝るときは変身したまま。仕事も変身したまま。

休日の外出時にたまに変身解除。

こんなヒーローに誰がした!?


あ、自分ですね(笑

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