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異世界で、変身ヒーローやりました。  作者: ヤガミタケト
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40話 ユナイト対マックス、まず小手調べ

『マックス』のスーツや武装はまだ未完成です、とだけ言っておきましょう!

「シルバー……、いや『ユナイト』だと!?」


マックスが見るからに動揺している。

身が仰け反ったからな。

が、そんなこと知ったことか。


「いや、異世界人のスキルで模倣されたものに違いない! 偽者め!」


って、勝手に自己完結しやがった!

そりゃあ、偽者にしたい気持ちは分からんでもないが。


「そもそも『ユナイト』なら、颯爽と現れ、さっさと解決する! お前のようにのんびりとするわけがない! 仕事から見てもだ! あの動き、スピードと正確性は特務にもいない!」

「いや、褒めすぎだろ」

「お前を褒めてない! 偽者め!」

うわあ。うれしいんだけど、あくまで偽者として思われているオレとしては、「のんびり」としているらしい。

そもそも『ユナイト』のオレはそんなに颯爽と現れて、さっさと事件解決してないと思うんだが。


基本、現場に着いてから相手を観察。

事件を確認してから、どうするか考えている。

具体的には無力化するか吹っ飛ばすか、ほっとくか。

もしくは相手に気取られないように、こっちで解決しちゃうとか。


だから、マックスの言うのはあくまで「武力解決」とかの場合なんだろうな、と思う。

ということはそれ以外は評価対象外か。


酷いな。戦わないことに越したことはないと言うのに。

大政奉還のときの江戸城無血開城とか。


まあ、その後戊辰戦争なので、結果としては血が流れてしまうが、それはそれとして。


「正体を明かせ、偽者!」

速い踏み込みから、ストレート!

「いや」

半身ずらしの回避と同時に来るのは顔面へのアッパー、と見せかけてボディへの膝!

「ちょ」

バックステップでの回避、に対して片足でステップでの前進。そして、

「待て、っての!」

踏み込んでの体を開いて掌底!

半ば滑るというか、こけるように回避。

そして横にしばらく転がって、復活!

「ちっ……それなりにやるな偽者!」

「待てよオレ本物! 黒川ヒロユキ! かるうまカフェの料理人で佐々山ヒロシにそそのかされて『ユナイト』やってる36歳!」

とりあえず早口で自己紹介!


「なん、だと……っ! まさかお前は」

「お、ようやく分かってくれたか田中ジロウ!」

「大地マックスだっ! ふっ! いかな俺でも分かったぞ! お前が」

さすがに分かったか。

「『ユナイト』の最近の情報を元にして作られた偽者だってな!」

馬鹿野郎!

このオオオオオっ! 大馬鹿! 野郎!

もうミサトなんとかしてこいつ馬鹿どうしようもない馬鹿っ!

「そうとなれば、フルマックスでやるしかないか!」

「馬鹿につける薬、じゃない! 馬鹿が治る薬が欲しい!」

馬鹿につける薬はたくさんあるが、馬鹿が治る薬ではないぞ。

つける薬は市販薬でもつけられるが、治るなんて一言も言ってないからな。


あの言葉は、詐欺だ!


と言いたいくらい、このマックス馬鹿には困ってます!

「こんなところで誰が戦うか! 逃げる!」

スタコラサッサ!

温泉が壊れるだろうが! あ、後から立て札立てておこう。ユーナ覚えといて。

『余裕ですねー』

変態の扱いになれると、馬鹿の扱いもこんなものかなって思うのさ。

それなりにそれぞれ、尊敬はするんだが……。


今は、違う視点って言うのを見せないとな!


「待て! 逃がすかっ!」

「そう言われて止まった奴は古今東西いないっ! いてもそいつはどこかの主人公だろうな!」

たぶんどこかの物語や小説の主人公だろう。かなりまともで簡単に信じちゃうやつ。

君の人生では君が主人公! っていう歌があるがそっちの話じゃないぞ。

あくまでフィクション的な話だ。ノンフィクションではない。


道なき道を、山を下り、また登り。

落ち葉踏みしめ、倒木乗り越え。

……昔の古い忍者の歌になってきたな。


谷がないが。

ぼくらの町にもやってこないぞ。

ちなみにあえて言おう。オレの苗字は黒川だ。


「こうなったら、これだ!」

マックスの声に目を向けると、左手で左腰を叩こうとしてた。

なるほど。あれを仕掛けてくるのか。

『術式展開:土』

「堅固防壁! ガ・イ・アっ、ウォールっ!」

『マックストランサー』を叩き、即座にしゃがむ。

地面を両手が叩くと同時に、オレの進路方向、前面に広く壁が盛り上がる!


残念だが、その展開は予想済みだ!

でも、止まるけどな! やさしいから!


じゃなくて逃げる必要がない。

温泉からかなり離れたから、と言う理由と、生命反応が周囲にないことが確認できたから。

それもこれもユーナのおかげ。

逃げている間にも索敵やら行動予測やら、今後の天候やら聞きながら。

オレは忍者の歌のように動いていたのだ。山を越え谷を越え……、あ、どっちも越えてないか。


「うっし、術式展開にも異常なし。こっからがマックスに戦いだぜ!」

マックスロッド、ロッド形態で構えるマックス。

本気のトンファーモードにしてこないあたり、コミカルな言葉とは裏腹にまだ警戒してるってことか。

非言語的な部分で分かるんだが、戦闘については慎重なのか?

「……仕方ない。こうなったらまずは目覚まし召喚だな!」


『syou-kan! show-time!』


『「ヒイラギ・クレナイ!」』

手に掴んだと同時、叫びながらヒイラギをマックス目掛けて撃つ!


銃の音というより拍手の音に近いが、それが大音量で鳴り響く!

ユナイトはユーナから防音をお願いしてあるので、鼓膜がどうにかなるとかはない。


この銃の音よりも騒がしい大音量は、ヒイラギ専用弾、カシワデ。漢字で書くと拍手。

本来は音による威嚇。

今回も音だけのビビラセるためにファイア。


ほかにも用途はあるが、それよりも。

「音は大きいが……どういうことだ?」

「頭を冷やせ。オレが黒川ヒロユキで『ユナイト』だ。こいつを見ても分からないのか」

戦意のないことを示すために、ヒイラギとクレナイを手の指で回転させる。

さすがに偽者でも、ヒイラギ専用弾とか真似するとかしないだろう?

「何を言っている! それだけ高性能で完璧な偽者だということだろうが!」

聞いてくれませんよ! 何なのこの自分が決め付けたものが正義とかそんな感じ!

「オレが敵だったら、さっきの弾をサイレンサーモードで撃っておしまいにするっての!」

その場合は火力もいるのでクレナイで撃ってると思う、のだが、それはそれ。

ヒイラギを構えて大げさに、マックス相手に『撃ってる』って感じのジェスチャーをしてみる。

「とみせかけて、だろうが! 異世界人のすることは卑劣だからな!」

「……いや、あの温泉の願い事が叶う、って言うのも客寄せというか話題づくりに関しては卑劣だろ」

日本人もそりゃあ、卑劣だな。特に日本では卑劣が当然で、真正直ほど馬鹿を見る仕組み。

少なくともオレはそう思う。あくまでオレ自身の実体験に基づく、主観的意見にしか過ぎないが。

ただ、他の人間からそう言われても誰も文句は言わないだろう。

が、このヤマトの温泉についてはそんな日本人たちと同じ思考が伺えるぞ。

「そもそもそんな問答は不要だ! マックスロッド・ライトニングマックス!」

低い姿勢から、振り上げ! さらに体が上段になったところで、勢いよく振り下ろされるロッド。


ちょ、お前! ライトニングじゃなくてただのスタンだろうが!


どちらにしろ受け止めることはせず、半身をずらし、振り下ろされたと同時に、ヒイラギのグリップの底、グリップエンドで馬鹿の頭をぶん殴る!

が、それは横に転がって回避された。ロッドを抱えたまま。


「ちょっとビリビリ来たぜ! やるな! さすが偽者!」

「そのダメージは自分自身だと思うが。その部分は、ヒロシか研究班に修正かけてもらえ」

自分の武器で自分がダメージって。暴走必殺技で懲りてないのか!


……あ、馬鹿だから懲りないのか?

「ちっ、ならぁ! 行くぜトンファーモード!」

ロッドをもう一本取り出し、両手にそれぞれ持って、天に掲げる!


……ロッドが変形しない。

「あ、自分でやらないといけないんだったな。ちょっと待ってろ」

ロッドを地面に置く。

その後、オレに手で待った、とジェスチャーをかけてから、ロッドをガチャガチャとやり始めた。


待たないと駄目か? まともな敵なら、倒してもいいタイミングだと思うんだが。


この戦いが終わった後にそんなことをしたら、「マックスに待つのもヒーローの務めと優しさ!」とか言いそうだし。


……仕方ない。待つとするか。

あ、ユーナ。この近辺にお土産になりそうなのありそう?

ご意見ご感想、ご指摘などお待ちしておりマックス!


先日20日のアクセスが過去最多の220くらいになってました!

今まで100超えたことなかったんですが……、なにがあったのか不思議でなりません。

が、まずは感謝を!


今まで読んでいただいている方、20日にアクセスしていただいた方。

そしてこれから読み始める方。


まだまだ表現不足であったり、執筆速度の遅い、非才な作者ではありますが、

この場を借りて深く感謝申し上げます。


というわけで、今回のはいつもよりハイペースで書き上げました(ぇ


後は感想やら評価が欲しいです、とは我がままマックスですね(笑

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