36話 幻の秘湯に、奴らを見た!
さあ、通常のペースに戻って頑張ります!
社会人にとって、貴重なもの。
それはいくつもあるが、オレはあえてこれを推す。
休日。
ゴロゴロしてもよし!
本を読んでもよし!
ネットゲームでもよし!
むしろ寝てもよし!
休日! すばらしい!
なのに。
朝の9時に、異世界人が高速道路とトンネルを一部破壊しているとかニュースでやっている。
速報で出てきたときに、オレが思ったこと。
なんで今日に限って! ガッデム!
『ガッデム、ですか。まあ、ちきしょー、でも古いかもしれないけど』
どっちでもいい! それは! なんでやねんねんねんとかよりまし!
とにもかくにも。
オレの長い日の始まり、始まり。
「何で休日に……へんしーん」
『まあまあ、やりたくないのは分かってますから』
どこぞの特撮ヒーローみたいに、旅行先に怪人が出るとか。
基本的に地元でしか怪人が出ないとか。
それよりはましか。
……あ、彼らの場合は移動手段が限定されてるからか。
こっちは便利だぞー。何せ変身したらヤマト国内徒歩数分!
即座にお届けにあがりましたーっ! って感じだ。
にしても、悔やまれる。
今日はヒロシもアヤもいない、悠々自適にゴロゴロしながら読書しようと思ってたのに!
36歳独身の男の休日なんてそんなもんなんだよ!
……うん。やっぱ言っとくわ。
ちきしょー。
『だから古いって』
日本に温泉は数あれど。
ヤマトにももちろん温泉はたくさんある。
全国各地にある温泉は、その土地柄、さまざまな効能があるのは語るに及ばず。
飲んでよし!
浸かってよし!
選択に使ってよし!
育毛剤にもよし!
とまあ、色々あるのは知っている。知っているが。
「この効能は……うさんくさいぞ」
オレの第一声はこれだった。
事件現場に立てかけてあった札を読んでたら、つい出てしまった。
ちなみに、どんなことが書いてあるかというと。
願い事によく効きます。
厄払いから家内安全までオールオッケー。
「寺社仏閣関連だろうそれは」
少なくとも、温泉で癒せるものではない。
戦闘へのやる気がダウンした。あ、そうでもないか。
もともとやる気ないし。あー、これは帰ったほうがいい。
いっそそんな温泉、潰れてしまえ。
そもそも、詐欺商法もここまでくると、誰も騙されないだろ?
『なんだかんだ言って騙されてる人多いよ?』
な、なんだってー!
いや、こんな驚き方じゃないな。
レベルとしてはこんな感じだ。
な
ん
だ
ってー!
微妙にエヴ○みたいな感じのタイトルの表現でこの驚きをお届けしたい。
『マスター、カムバック』
おっととと。しまった。
それにしてもユーナ。
『はーい?』
敬語やめたの? いや、いいんだけどね。でもなんだか、オレに対しての尊敬のレベルが落ちてる気が。
『妻は夫と対等であり、夫の駄目なところを指摘するけどそれすら愛してるって感じですよ』
そっち方面のレベルアップは一体何から……。
あ、あいつらか! イブキ・チハヤ・アヤ・ミサト!
未婚・神・勝手に押しかけ・既婚。
ユーナと結婚など考えてはないが、このままでは何かに負ける気がする!
そう、男としてのプライドって言うか人間の尊厳と言うか。
よく分からんが、とにかく!
「現場へ行こうか……、はぁ」
現場への途中というかついたところから既に山道。ろくに整備もされてない。残りも数百メートルくらいだ。1キロ以上前から隠蔽モードで行動中だが、そんなの必要ないくらい、すれ違うどころかそもそも人の気配ゼロ。
鳥の声、水の音、木々のこすれあう音とか……嫌いじゃないけど、でもなあ。いつ何があるか分からないから注意はさりげなくしておく。
だからって訳じゃないけど。なんか、疲れた。いや、気疲れだけじゃないな。
そもそもあれだ。女性だけじゃないが、人にに口喧嘩に勝ったとしても、面白くともなんともない。
それに、ユーナのことだ。
人じゃないし、ねぇ。
そんなのに目くじら歯くじら立ててたら、ホエールズさんたちがレアからアンコモンくらいのレベルの希少さになっちゃうからな!
オレ的にはクジラさんたちはレアなのさ! テレビでしか見たことないからね!
『……ぐぬぬ』
うぉい! それオレのじゃないけど、ヤマトでのオレの持ちネタ!
そして、銭湯現場。じゃない戦闘現場。
「弱アルカリ性で、肌がすべすべになる、と。後は飲めるかどうかも」
「飲用については問題なし。細菌などについても問題なし。ただ、味が、旨いとはいえないな」
「温泉に求めるものじゃないなそれは。……あー、衣類は駄目だな。繊維が傷つく。ってことで洗濯には不可。病気への効能とかはどうよ?」
戦闘員3名が、そのスーツのまま。
秘湯と言われている、効能のうさんくさい温泉に、浸かっていた。
あれ? 暴れてないぞ。
『あ、ニュースでは秘湯を占領し、他温泉利用客が入れない状態にある、と』
なーるほど。あんなのが入ってたらそりゃ、入れないな。
裸じゃないから、付き合うもできないからな!
なんて風情のないやつらだ!
風情については……大自然に囲まれて、囲まれすぎて整地されているとはどんなにお世辞を言おうとしても言えない。
そんなお世辞を言うくらいだったら、……オレが整地してやんよ!! ユーナユナになあ!!!
『なんだか変なノリに、ってユーナユナって』
よく分からんが、ミッ○ミ○にしてやんよとかウッ○ウ○にしてやんよ、って言うのがあるからつい。
『理解不能っ! 意味不明!』
ま、それは置いといて。
見た目はかろうじてなんとか露天風呂。
近くに小屋があるが、多分着替える場所なんだろうけど。
見た目から、匠があえて風情のためにおんぼろに作った小屋、じゃない。お世辞でも匠に失礼だ。
そもそも小屋と呼称していいものか。
一面の壁と屋根しかない。北風はしのげるがそれ以外は全て受け入れろ。
で、それが木造で年季入りすぎているから……、北風はあとどれだけしのげるだろうか。
というわけでオレ評価。
秘湯じゃない、秘湯じゃない、秘境のことさー!
アニ○じゃないけど、本当にどこかのアニメじゃないかと思うくらい絵に描いた秘境温泉。
ただ、確かにここまで来てこの温泉浸かれば、小さい願い事くらいは叶えてもらってもいいんじゃないか、って気がする。
オレは『ユナイト』でショートカットしたので、例外として。
片道数キロの山道、途中道が崩れた箇所あり。
それを約1時間ほどかけて歩いて、ついたら銭湯もとい戦闘員。
殺意湧くわ。オレでもそれはいやになるぞ。
『何で怒れるのか不思議』
はあ? ……仕方ない。こう想像しよう。
オレとユーナ、山道歩いてその先のシークレット露天風呂2人で混浴。
『おおおおおお! ぬあんてスンバらしいシチュエーションですか! ……っと、それで』
ちょっと、いやかなり引いたが続けよう。
時間かけて見つけたシークレットに、気に食わない奴が先に入ってたらどうする?
『マスターの意見の前にぶっ飛ばして差し上げます……、はっ! なるほど! これが愛ゆえに怒る』
最後の言葉は何かが違うが、その怒りは正しい。
つまりはそういうことだ。
では、情緒のない奴らに拳骨の準備でもしようか。
んあ、そういえば何か忘れてる気がするんだが。なんだったけ?
うーん。
ま、いっか。よし準備準備!
ご意見ご感想、評価などユーナユナにお待ちしております(ぇ
戦闘員の入浴なんて誰得だよ!
作者も同感の一シーン。
さあ、ヒロユキは何を忘れているのでしょうか?
①実は明日も仕事が休み
②マックスたちとの打ち合わせ
③イブキの実家へ遊びに行く
④……ハクインジャー
正解がこの中にないことを祈ります(笑
あ、京都は雨でしたが楽しかったです。




