17話 足りなくても、補えるもの
連続投稿してますが、仕事の忙しさから現実逃避しているだけかもしれません(滝汗
「ナンパなんてしたことないから、無理だな」
ヒロインをゲットして来いってことだろ? 要は。
つまりはナンパと同じだ。
そしてオレはそんなことしたことがない。
やる気もない。
当然の帰結だ。
「ん? 彼女を作れと言ってはないぞ?」
だが、ヒロシがしかめ面をしているのは、どうしてだ?
「いや、ヒロインゲットってつまり、そういう意味じゃないのか?」
「そりゃあ、彼女がいればいいが、異世界で彼女がすぐ出来たら、そいつの心理を疑うぞ。生存するにしろ生活するにしろ、生物である以上環境適応から先だろう」
うわ、科学者らしい発言が。いや、科学者か。
「ちなみにアヤくんは科学者なので、その枠には入らないな」
ヒロシの目線の先は、アヤ。
まだパスタ食べてるよ……。ん? 量が減ってないような。
ああ、おかわりしてたのか。まだ食うのか。凄いな残念系科学者女子。
うまいなら、それはうれしいが。
「じゃあ、ヒロイン枠が欲しいっていうことか」
「うむ。だが、な。いないのだ。これは一大事だ」
ここまで話していて、ピンと来たものがある。
ヒロシが思ったよりも深刻に話す、と言う点。
もう一点が、喫茶店の惨状だ。
後片付けにどうしても時間がかかっている。
コップ・皿洗いやテーブルの片付け。
つまり、清掃とかだな。
オレとヒロシが住み込みで、アヤが半分住み込み状態で経営している。
なんとか3人で切り盛りしているが、ヒロシやアヤは科学者だ。
色々作りたいとかやりたいことのほうが多い。
だが、それが雑用でうまくできない。
閉店した後は、オレが全てやっている。『ユナイト』の力を使って、だが。
それでも時間はかかる。
あとは純粋に、忙しい時間帯の人手不足だろう。
何が言いたいか、もう分かると思うが。
ヒロシは、バイト募集中なのだ。
それをヒロイン枠として言っているだけに過ぎない、と推測できる。
でなきゃ、白衣と敵を倒せ、としか言わないやつがそんなことを言うことはないだろう?
では、確かめてみようか。
「じゃあ、オレ、年の離れた妹が欲しいから16歳未満で頼む」
一応、オレはロリコンじゃない。多分。
好きになった人が、好きな人でタイプなんだ、というやつだからな。
好みがあるようで、ない人間と言うやつだ。
「なん……だと……っ!」
なんだよ。その衝撃的に2歩ぐらい下がって、驚き引きつった顔は。
もしかして、当たりか。やっぱり当たりか。
「それでは……私の希望は……、何だったというのだ……!」
ただの欲でしかないな。
あと、なんだかその話し方やそぶりをを見ていると、馬鹿でかい刀持った高校生が戦う漫画に似てる気がしてきた。
気づいてたら最終回。あれは残念だった。
まさか、ヒロシ。それも知っているのか?
「よし、素直に言おう。人手が足りないのでバイトが欲しい。ウエイトレスが」
「最初から言えよ、回りくどいというか面倒だぞ」
「ただ、ヒロインが必要なのも事実なのだよ。つまりはダブルでお得!」
「確かにお得! さすがハカセ! あたしも先輩だ!」
げ。アヤ復活かよ。
普通にチラシとかタウ○ワークとかで求人すればいいだろ。
ヒロインは知らん。
って、午後の開店時間過ぎてるし。
あー、でもベルの音全くしないな。やっぱり、さっきの事件で今日はもうだめかもな。
開店状態にしておいて、久しぶりに厨房とか全力で掃除でもするか。
ま、いざ人が来ても瞬時に移動すればいいだろ。
『ユナイト』の誤った利用法だな。
あまりやらないようにはするが、今日はお願いしたい。
『……可。支障ない範囲ならば許可します』
AIには本当に感謝している。
いなかったらオレ、本当にどうなってたか。
いつか、恩は必ず返す。
『不要です』
……せめて感謝だけでも。
『今後ともよろしくお願いします』
うん。よろしくお願いします。
……うーん。なんだかなー。なかなか難しいなコミュニケーションは。
その後、厨房の掃除を終え、ホールの掃除を。
ヒロシとアヤはサボったので仕方なく1人でやっていた時。
ベルが鳴った。
来客のベル。
やべっ、と思ったので空間転移。
したと思った。
できてない。
ホールにモップを持ったまま。
『ユナイト』のオレ。
転移したように見えたのだが、おかしい。
転移独特の感覚はあったのだが、途中でキャンセルされたとしか言いようのない感覚。
『空間跳躍および移動が制限されました。別次元からの干渉確認』
まずい。
AIの言葉も状況としてはまずいのだが、それ以上に分かる。
来た奴が、まずい。
事務をやっていたときもあるが、訳のわからない、いちゃもんつけてくるやつ。
そういうオーラを凌駕するほどの、やばいやつ。
絶対に戦いたくないし、面倒でもあるタイプだ。
直感だ。必ず当たる類の。
とりあえず、相手を見よう。
美人だな。
黒髪ロング。背はオレよりも少し低いが、スレンダーでモデルでもやっているのか、という印象。
そして着物。桜の咲く花と散る花を柄に、派手は派手だが、風情を感じる。
ふと、着物がヤマトにもあるんだ、と思った。
見た目、おっとりの大和撫子。
もう一度言うぞ。美人だと。
「そこの変な姿の異世界人。この世の人のために、わしにぶっ飛ばされろ!」
うん。美人台無し。
言葉が雑だ。立ち振る舞いは完璧なんだけど、何だこの残念賞。
じゃない。いきなりのご挨拶。
もう、お客じゃないのかよ!
違う意味で焦った! 本気で焦ったぞ!
……よし、何とか落ち着いたぞ。
なので、ひと言。
「色々言いたいが、まずは、いやだ!」
ご意見、評価など募集しております。
ぜひぜひぜひよろしくお願いします。
次は戦闘回をしばらく続けますが、その間に閑話を挟む予定です。




