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異世界で、変身ヒーローやりました。  作者: ヤガミタケト
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閑話 誇りではなく、ただの意地

日曜朝のヒーロータイムに投稿。……対抗してません。癒着したいです(笑

イメージは必要になる。

料理にしろ、戦うことにしろ。


完成が分からないまま、行動することは、ゴールのないマラソンをしているのと同じだ。

つまり、何のために何をしているのか分からなくなる。

なので、すぐに辞める。


だからこそ、何かを成すときにはショートゴールが必要になる。

それを何度もゴールしていくことで大きなゴールをしていることになる。


それの繰り返しをしていれば、それなりに成果は挙がるものだ。


と、自分自身に言い聞かせている。


『訓練を終了します』

AIによるバーチャルリアリティ、VRというやつを利用したイメージトレーニングだ。

オレはただ、胡坐をかいて布団の上に座っていただけだが、心身ともに結構疲労する。

汗はかくのだが、スーツの力できれいさっぱり。


しかし、剣の訓練というのは難しい。

そもそも戦ったことがないというか兵役がない日本で、戦闘訓練を受けるのはなかなか機会がない。

警察は、基本的に戦闘ではなく確保、逮捕術だし。

特殊なところを除けば、自衛隊くらいかな? 


「やっぱ素手で戦う方が手ぶらだしな……楽なんだろうけど」


何かを持つ、ということはそれだけ手を中心として体に負担をかける。

さらに、それを振るということはさらに負担が増す、ということだ。

そんなことをするくらいなら、『ユナイト』の空間制御能力を使ったほうが便利だと思うが。

だが、そういうことを言うと。


『空間操作能力に対しては一部不安定な部分があるため保障しかねます。また敵勢力が対策を検討しない可能性が低いため、この能力に依存するのは危険と判断します』


うん。何回も言われてるから分かっている。それについては納得しているから問題ない。


努力は、必ず活きると信じているから、やる。


しかし、何かやはり足りない感じは否めない。

あくまで今の『ユナイト』ではオレの力にスーツの力を足したという状態。

VR訓練のおかげで、痛みもある実戦に近い戦闘を体感できるとはいえ、


実戦で生かせるとは言えないと思う。あくまで、訓練は訓練だ。


それに殺さず、倒すというのはある程度の力が必要になる。余裕とでも言おうか。


ダスクプラウザーは、あくまで剣ではあるが、刃物ではなく基本は鈍器だ。

攻撃というよりは、相手に攻撃させないための攻撃を行うための、いわば防御のための攻撃。

あるいはソードブレイカー、武器破壊のための剣だ。


悩んでもどうしようもないか。

もう一度訓練開始だ。


ちなみに、この訓練法だが、人間の「夢」を見る方法と同じ方法を取っている。

高速思考と言うのだろうが、この場合は訓練なので、精神とか何とかの部屋みたいな感じだな。


終わったときにどっと疲れるのは、それは訓練だからだ。そう思うことにする。


いつの間にか、町の中。

目の前に、戦闘服の「敵」。

変わらないのは、変身スーツのオレ。

ただ、立っているところから始まるため、武器を取ることから始まるのだが。


敵のほうが早い。

間合いを瞬時に詰めて殴りかかってくる。


だが、読めないスピードじゃない。

カウンターでアールインパクト!


が、あまり吹っ飛ばない。飛んだら訓練にならないからな。

だが、それでいい。



そう。ダスクプラウザーを出す時間さえあれば。


『Shou Kan! Show time! ダスクプラウザー!』


格納空間から左手で取り出し、黒の光を纏ったロングソードを一振りする。


……AIが……、決めたんだ。武器を出すときにもヒーローらしさが必要だと。


黒の光が散り、白の刀身と両刃の部分だけ黒で彩られたところが特徴の剣が現れる。

実際の剣はまだ出来上がってはいないが、注文通りならば、こうなるはずだ。


ちなみに重みは、試作品の重みをそのまま流用している。


と、相手はもう一度殴りかかってくる。

スキル云々は、考えてる暇はないか!


迫る拳を、剣で斬るというかぶっ叩く!

相手の拳は向こうにぶっ飛んだが、ダスクブラウザーも弾かれる。

持つ左手は、離さない。


両手に持ち直し、迫る相手のタックルを横薙ぎ。

が、剣が弾かれる!


『右で受身 オート』


スーツの性能で、オートに右半身で受身を取る。

剣を持つ左では、受身は取りづらい。


こいつは、分が悪い。

多分、硬質化とか肉体強化とかのスキルを想定した相手だ。


ダスクプラウザーの性能上、最もやり易いが、オレにとっては最もやり難い。


確認するが、ダスクプラウザーは、一瞬だけ何でも斬れる。

逆に言うとその一瞬だけ使わなければ、ただのなまくら。


だから、斬れば勝てる。何でも斬れるから、相手の硬さは無視できる。

だが、斬ったら、死ぬというか相手が大ダメージ。


それはオレの望むところではなく。

それをすると話し合いとか円満解決とか、とにかくそういうものから遠ざかる。


無理ゲーというやつか、これは。


迫る拳を、剣と体で捌いてかわす。

たまに当たっては、吹っ飛びオート受身。

タックルにいたっては、かわしきれないと全部吹っ飛ぶ。

オート受身。


って、受身についてはオートじゃなくても出来るような気がする。

『100%ではありません』

まだなのか。ってそっちの訓練じゃないんだが。

『タイムリミットまで--』

「いや、ここまでにしよう。技ってやつで」

『了解。ダスクプラウザー・フルリンク確認』


外の黒の刃が、刀身の白に徐々に染まる。


まだ、試作の技であくまで想像での技になるが、AIからは使用可能とのこと。


対生き物以外で使うことになるとは思うが、使う機会はそんなにないと信じたい。


何回か繰り返された相手の突進に、今回はこちらも突進する。

「技なんてない方がいいが--」

勢いのまま、出した右足と同時に逆袈裟で斬り、

「練習に越したことはない、か」


その勢いで体を回転させながら相手を回避する。


外まで染まった刃は、オレが止まるとすぐに黒に染まる。

その間に、仮想敵が真っ二つになって、左右に分かれて倒れる。


ヒーローなら、そんな敵の姿見ないだろうが、オレはしっかり見る。

仮想なので、血も出ません。真っ黒の断面。

言っとくが、斬られた相手は爆発もしません。


爆発したら、町が壊れるからね!

道路とかも陥没したら困るしね!


『訓練を終了します』


疲れた。


だが、忙しい夕方はもうすぐだ。

スーツのおかげで、すぐに立ち上がり自室を出ようとして、ふと思った。


訓練とか今の生活もそうだが、やるからには自分なりに、っていうのはオレの意地だよな。

『誇るべき意志です』

……そんな大それたものじゃないさ。


そう、意地で十分。



それで、自分の通したいものが少しでも通せるのならば。


……それの使い先は、メニュー表に変なものを加えられることを防ぐことだがな。

武器を使う、っていうのは難しいですが、一番難しいのは登場のさせ方ですね(ぇ

本編でのダスクは次回から登場の布石を出します! 多分……。

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