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異世界で、変身ヒーローやりました。  作者: ヤガミタケト
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9話 ヒーローが変身するため、には

遅筆で申し訳ありません。仕事と体調不良の問題です。

今のところ3日で1話分のペースで、ペースが落ちてます。

「足りん! 全く足りん!」

あの戦闘の次の日。

仕事が終わって、オレは変身スーツのままヒロシに呼び出された。

スーツの下は普段着だ。

ただ、もうスーツの機能とかがないと仕事ができないので、仕事着=変身スーツとなっている。

客からは厨房は見えないようになっているので、見られたら……、いやまあどうってことはないのか。

「やはりヒーローたるもの、いきなり必殺技とかはいただけんのだ!」

あの戦闘よりも、自転車を元に戻すのが大変だった。


いつ警察来てもおかしくないし。

かといって、自転車は本当に多いし。500はなかったみたいだけど、それでもきつい。

全部AIのナビ任せだったけど。でも動くのはオレ。

AIが全部自転車の場所を覚えていたのには、もう驚かない。

ヒロシが何もしないほうに、まだ驚いたというか。


ちなみに、ヒロシは「あ、新作ゲーム確認してくる」とすぐに近くの無人のゲームショップへ。

万引きしてたら、即座に出力を上げた対変態用アールインパクトを打ち込むつもりだったが、それはなかった。

万引きはダメ。絶対。


なお、不法駐輪していた自転車はまとめて駐輪取り締まり場所に出しておいた。

不法駐輪もダメ。絶対。


自転車移動が終わった後にAI案内の元、警察のいる方向へ向けて、

「異世界人が、何もせずに帰って行ったぞー!!」

とスーツの拡声器機能を使い、叫ぶ。

機械音声だと怪しまれてはよくないので、地声。


後はゲーム屋にいたヒロシを捕まえ、変身解除。

アヤとの待ち合わせ場所へさっさと向かう。

一般人として一風景に溶け込み、帰路についたのだ。

なお、服については、自室に戻ってから変身して、格納空間から取り出しました。

傷一つついてなくてよかった。


「後は、やっぱり自己紹介だろ! 謎のヒーローでもいいが、やはり名前が欲しい!」

「え? 正式名称はたしか『全空間対応・空間理論実践多機能型・装着式超人形態移行システムスーツ』じゃ」

「アヤくん! 確かにそうだが、……名前が長いヒーローなどいるか!? いや、いるわけがない!」

……おい、いたらそのヒーローに失礼じゃないか、それ。

「それに、その名は古い! あの後さらに色々機能やら能力やら盛り込んだのだよ!」

「さすがハカセ! 憧れを通り越して感動です!」

アヤは感動しないで欲しい。そもそもそれな。機能の問題なんだが。

機能を盛り込みすぎて、使い手であるオレが使いこなせないのだが、そういう問題は考えなかったのか?


「そういえば、あのユナイドライバーってどんな意味だ? AIも分からないって回答がきてるが」

「あ、あーれーはーだな。本来は私は最強無敵起動装置、という名前をつけたかったのだが」

おい、それは……なんだかネームセンスとか言う前に、悲しくなってきたぞ。

「私を含め適合者が誰もいないという事態に陥ったため、付けられたのが『誰も適合者のいない起動装置』という意味で、ユナイドライバーだ」

うわ、聞いて何だかショック。最強になれる機械作ったけど、誰も使えません、ってどんなのだよ。


あ、あれか。主人公が装備できない最強武器みたいな。

ユナイっていうのがヤマト語なのかどうかは分からないが、そういう意味なんだろう。流そう。


「ヒロユキがいるから、そんな汚名は挽回だー! ハハハハハ!」

「汚名は返上だな。それに組織は抜けたんなら、汚名も名誉もないか」

「ぬぬぬぬぬぅ」

ヒロシよ。感情豊かなのはいいが、人に名誉を挽回してもらっていいのか?

「おっと、本題からそれたな。ではヒーロー名とあとは変身ポーズも欲しいな」

「ちょ」

「さすがハカセ! 後は決め台詞やポーズも必要ですね!」

止められない。オレをよそに白熱する訳の分からない討論。

やめてほしい。いい大人が、変身ポーズを決めて、変身する。

変身後に決め台詞やポーズを取ってみろ。


まず、中の人が恥ずかしいんだよ。こっちはさっさとこそっと変身して、和解して終了。

そんな感じでさっさと終わりにしたいのに。

戦うのは面倒なんだよ。周囲に気を配らないといけないのもあるんだよ。



時間とか、威力とか、器物は破損しないように、とか普段使わないところに気を使うから大変なんだよ。

「そうなると、必殺技もいくつか準備しないと」

「その通りだ! アヤくん、いい発想だ!」

そういう思いなんて全くないまま、話が進んでいく。やばい。よくない。

「後は武器ですね……。格納空間で瞬時に色々用意できるとはいえ、何でも置くわけには」

「いや、むしろバリエーションは多くないと戦いにくくないか? 幸い格納空間に制限はないわけだしな」

「じゃ、じゃあハカセ! あたしの作った武器も置いていいわけですね!」

「もちろんだとも! アヤくんと私の武器がやつらを殲滅するのさ! ハハハハハ!」

「……使うのはオレだから! ってそんな危険な武器を使いたくはないぞ!」

巻き込まれたら、オレもやばいからな!


ついでに、もうそろそろ止めないか? 勉強したいし。



「よっし! とりあえず、急ピッチで仕上げなければならないのは、これらだな!」

どこからかA4用紙を取り出したヒロシがカウンターに置く。いつ書いたんだ?


・ヒーロー名。重要。

・武器 剣とか銃とか携帯できるもの 乗り物は後回し。

・変身ポーズと掛け声。必須。

・決め台詞。必要。登場したときとか。ないとか考えられない。


「武器類は私たちに任せてもらおう。だが、ヒロユキよ! やはりヒーローたるもの自分のことは自分でしないといけないからな! 頼むぞ!」

「頼むぞ!」

何サムズアップしてるんだヒロシ。アヤもまねしない。


……適当にAIと相談して決めよう。こんなことで悩んでたら、きっとハゲる。

ただでさえ色々難儀してるからな。


それに拒否権はなさそうだし。


「……文句は言うなよ、二人とも」

せめて釘だけは刺しておくことにした。

AI先生はスリープモードです。

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