↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界で勇者になるはずが…  作者: 朔海恋花
第2章 領主生活
29/35

第22.5話 予兆 カズナ視点/サッジオ視点


 3ヶ月の眠りから覚めたウミ様を見て、安堵の気持ちと喜びが一斉に込み上げてきてその場で足が止まり、水を張った桶を落としてしまった。


 ウミ様はいつもと変わらない笑顔で笑いかけてくれた。

 涙が止まらなかった。


 このまま目覚めないのかと思っていたから。


 この人はいつも笑って「大丈夫」と無理をする。

 また「大丈夫」と言われてしまった。


 いつか壊れてしまいそうで怖い。

 いつかここにいる全員のことを忘れられてしまいそうで怖い。

 私の大好きなウミ様がいなくなってしまいそうで怖い。


 そうならないように、私が近くでずっと支え続けるんだ。

 サキュバス族の誇りにかけて。


 サキュバス族は叡智を司る一族だ。

 私とお姉ちゃん、メルカンテ兄様がいる限り、ウミ様が壊れることはないはずだ。


 ウミ様が眠る前にインコルトの前領主であるストロンツォの使者から接触があった。

 奴は私を奴隷のように扱った、外道だ。

 トラウマ?というウミ様に教えてもらった感情のようなものが込み上げ、体調を崩してしまった。


 そしてウミ様が長い眠りにつき、しばらくしてから今度は直筆の手紙が届いた。

 吐き気がする。

 手紙の内容はウミ様に会わせろ、違約金をよこせとのことだった。


 自分が私とお姉ちゃんを酷い目に合わせたことが魔王様に露見し、国外追放となったのにどの面下げてそんなふうに言えるのか。

 とにかく、ウミ様をこんなクソ野郎に合わせるわけにはいかない。


 お姉ちゃんも巻き込みたくない。

 指定された日に一人でいかなきゃ。

 置き手紙を残して。


 今日は明日の温泉を楽しむことを今日は考えよう。


======================================================


 カズナちゃんの様子が3ヶ月前からおかしい。

 カイルくんが眠ったままだったってのもあったんやろうが、今日カイルくんと来たのにそれは変わらなかったんや。

 愛弟子であるリッカちゃんも気づいてはった。


 恐らく、あのクソ野郎こと前領主からなんらかの接触があったんだろう。

 俺の長年の勘が言ってるんやから、絶対にそうや。

 なんせ俺は賢者やからな。

 そして人魚族の数少ない生き残りや。


 あのクソ野郎は、カズナちゃんをお気に入りとして、奴隷のように扱っていた。

 魔王様の監視役のルズナちゃんにバレないように。

 それでもルズナちゃんには暴力を振るっていたがな。


 人魚の右目は魔眼なことが多い。

 領主邸に物を届けに行った時に、複数ヵ所に"目"を張った。

 前領主ストロンツォは人族だったから、人魚がそんなことできるわけがないと思い込んでいたらしい。


 それで自分のアーティファクトとつなぎ録画し、メルカンテと協力して魔王様に密告した。

 

 ストロンツォは追放され、二度とこの街に入れないようにしたはずなのに。

 あいつが戻ってきた気配がする。

 手遅れになる前に情報を集めないといかんな。



 守(・)り(・)た(・)か(・)っ(・)た(・)人(・)にそっくりなカズナちゃんを守るために。 

最後まで読んでいただきありがとうございます!誤字脱字がございましたら、報告いただけるとありがたいです。もしよろしければブックマークと★マークを5まで押していただけると励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。