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異世界で勇者になるはずが…  作者: 朔海恋花
第二章 領主生活
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第22話 新たな季節


 目を覚ますと、暑かった。

 春だったはずなのに、もう夏に差し掛かっていたみたいだ。 

 おかしい。

 私はどれくらい眠っていたのだろうか。


 起き上がろうとするけれど、力が抜けて起き上がれない。

 なんとか起き上がろうと試行錯誤していると、部屋のドアが開いた。


 「ウミ、様⋯?」


 持っていた桶を落とし、駆け寄ってきたのはカズナだった。


 「ウミ様、お目覚めになられたのですか⋯?」

 「カズナ?」

 「あれだけ無理しないでくださいねと言ったじゃないですか!3ヶ月も眠ったきりだったんですよ!?」

 「カズナごめんね、心配かけたよねって3ヶ月!?3ヶ月も眠ってたの⋯?」


 そりゃ身体が起きないわけだ。

 カズナからは大量の涙がこぼれ落ちている。


 「そうですよ!ウミ様が3ヶ月眠っている間に色々とあったんですから!本当に、心配したんですから⋯」

 「少し落ち着いてカズナ。私は大丈夫だから。何があったの?」

 「まず、リアさんはウミ様が長い間眠りに着くことを悟って眠りにつきました。メルカンテ兄様やブリランテさんはウミ様が目覚めたらびっくりさせてやろうとか言って張り切ってましたよ」

 「え、それ言って大丈夫なやつ?」

 「内容ではなく、触れたのは外側なので大丈夫です!多分⋯」


 なんか想像つくけどお楽しみだから何も考えないようにしよう。


 「アルキさんもなにか頑張っていました!あと、ヒビキさんとリッカさんもです!みなさんウミ様の回復を待っていたんですよ。ですからもう、こんなことしないでください⋯」

 「わかった。もうしないから」

 「約束ですよ!」

 「うん、約束」

 「では、お食事を作って持ってきますね」


 そうしてカズナが部屋から出ていった。

 3ヶ月かぁ⋯ 。

 色んな人に迷惑かけちゃったな。 

 後で謝りに行こう。


 治癒魔法を使って一時的に身体を動かそうとするにしても、早くて3時間はかかるな。

 そういえば、見る見る詐欺してたステータス開こうか。


 『アストリオ』


======================================================


【ステータス】


【名前】 ウミ ハヅキ


【職業】領主 商人 冒険者 (付与術師、治癒師)


【年齢】18歳


【種族】スキュラ


【称号】女神イリスの加護を持つものー聖女イリスー

    魔王の娘ー魔王女ー

    変化魔法の使い手ー流転の王ー

    幻影魔法の使い手ー惑わしの王ー


【スキル】治癒魔法Lv10、闇魔法Lv5、光魔法Lv8、土魔法Lv5、水魔法Lv6、変化魔法Lv10、幻影魔法Lv8、千里眼Lv7、器用Lv9、体術Lv5、状態異常Lv12、隠蔽Lv15、ハッキングLv11〔Xm〕


【スキルポイント】1600


【HP】61/2200


【MP】200/4000


【備考】魔族化してから初めてすべて0に近くなったため、HP、MPが3倍ほど上がっています。おめでとう。

======================================================




 上がっています、おめでとう?

 誰だよこいつ!上から目線すぎんかー!?

 色々とみたり試行錯誤すること4時間、カズナが重湯を持ってきてくれたとともに考えることを諦めた。

 ちなみに現在時刻は11時である。


 「カズナー、車椅子ってない?」

 「車椅子ですかー?ありますよー、少し古いですけど」

 「それでお願い!フーフー、あちちっ」

 「もう少し冷ましてから食べないと!ウミ様猫舌なんですから勢いよく食べないでくださいね!」 

 「は〜い♡」


 なんやかんや言ってもカズナはやっぱ優しいんだよな。

 軽率に好き。


 その後は用意してもらった車椅子に乗って、各施設を回った。

 なんと、私が眠っている間に下水道も温泉もできていた。

 シゴデキタックまじで仕事早いわ。

 2人が驚かせようとしていたのはこのことだったらしい。


 そしてアルキさんが防御結界を完成させていた。

 3年はかかるだろうと断言していたあのアルキさんが経った3ヶ月で私のためにそこまでやってくれたのですね、と言ったら『気持ち悪いですよ、カイル君。メルカンテみたいになるのやめてくれないかい?』だそうだ。

 酷い!私はこんなに喜んだのに!

 近くに響くんもいて、『師匠に同意します。あと俺もそれ作るのに協力したんすよ』と言われてしまった。


 サッジオさんと陸華ちゃんのところに行くと、可愛くて動きやすい服をプレゼントしてくれた。

 サッジオさんは、倒れないように魔法をかけたネックレスをくれた。

 優しい。本当に優しい。そして嬉しい。


 今日は自分が愛されているんだなって思った1日だった。

 明日は回復のために温泉に行こう。

 まだ力が入らないから車椅子だけど。


最後まで読んでいただきありがとうございます!


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