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異世界で勇者になるはずが…  作者: 朔海恋花
第二章 領主生活
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第18.5話 定期報告会 ???視点

 

 白い空間。

 ここは女神の思考領域。

 彼女が今、何を思い何を考えているのかが分かる場所。

 私は女神らしい姿に息を呑んだ。


 『おお、よく来たのじゃ。 貴様と会うのは久しぶりじゃな。今はリアとして活動しているのだ。可愛くて綺麗な名じゃろう? 今日はたくさんご主人様と喋ることができたのじゃ。少し喋りすぎてしまったがの』

 『それは前のご主人様であったエミリ様と御子息のヴェリタ様のことでしょうか』

 『そうじゃ。少し昔話を聞いてくれないか?』

 『ええ』

 『ありがとう。エミリの息子であるヴェリタはとても愛らしい少年じゃった。 母親に似て優しく、聡明で賢かった。 じゃが、悪魔族だったので異常なほどに体力がなかった。 だからヴィンズ王国を含む4つの国に誘拐されてしまったのじゃ。 ヴェリタはエミリの死後、母親が亡くなったのは自分のせいだと自分を責めておった。 そして、ヴェリタがその後どうなったのかはわからなかったったのじゃ。ご主人様が中学生になったときヴェリタがご主人様と同じ学校にいたのだ。わらわは二度見、いや五度見ぐらいしてしまった』


 それもそのはず、葉月優海のいる世界とヴェリタ様のいる世界は違うのだから。


 『真っ先に来た感情は『立派に成長してくれてよかった』という安堵の気持ちだった。エミリとは一心同体だったからじゃろうな。それからヴェリタはご主人様を守るように動いていた。 恐らく父親であるディアボロから護衛をするようにと言われたのじゃろう』

 『そうでしょうね』

 『エミリ、お主が命をかけて守った息子は立派に成長したよ。なぁ、そう思うじゃろう?女(・)神(・)リ(・)サ(・)メ(・)の(・)愛(・)し(・)子(・)よ(・)。』

 『ええ。あんなに幼かった彼があそこまで成長するとは思いませんでした』

 『お主からみたら近所の子どもが成人するようなものじゃろうな』

 『近所のおばさん扱いしないでいただきたい』

 『悪かった。時空を超えているから長く生きているだけで地球(あちら)ではまだ17歳と若いのじゃからな』

 『まぁ、そのようなものですね』

 『そういえば明日は下水工事の指導と視察をすると言っておったな。 ご主人様はそんな経験が一切ないのに、よくやるものじゃ。 ここだけの話、ご主人様が領主としてやって行けているのは地球でのオタク知識のおかげなのだ。すごいじゃろ? わらわも最初は呆れながら静観していたのじゃが、見ていくうちに楽しくなってしまっての。 それに王国の動向が怪しくて女神として放っておけなかったから、黒翼犬として活動しているのだ』

 『あの子の成すことは見ていて楽しいですものね。ところで貴女様は女神なのになぜご主人様と呼ぶのでしょうか?』

 『それはわらわが長い間犬の姿なせいで自分は犬だ、と頭が認識しているからじゃ。 前に神の会合があったのじゃがな?その時に女神リサメ(君の母君)バカにされてしまったのじゃ』


 確かに母ならやりそうなことだ。

 リアの記憶が私の脳内に流れてくる。


 『おやおや?愛の女神イリスじゃないか。今はリアという名だったか。しかし、黒い犬の姿で会合にくるとは。昔のお主とは見る影もないな』

 『リサメよ。わらわはご主人様を心から慕っておるのだ』

 『ほう、あの時の夫婦の孫娘はお主がそんなに気に入るような人物なのか。朕もあってみたいの』

 『だめじゃ!絶対にご主人様には合わせん!彼女につく神はわらわだけで十分だからな!』

 『チェッ、面白くないな。少し予定が入ったので朕はこれで失礼するよ。また会おうな』

 『もう、会いたくないわー!!!』


 会話が終了するとともに意識がリアの方へと戻る。


 『あいつは腹の中が読めなくて怖いのじゃ。 まぁ嫌いではないのだがな』

 『私は母の娘なのに、うみのことをこんなに教えてもいいのですか?』

 『お主は良いのじゃ。ご主人様の良き友人じゃったからな』

 『⋯ありがとうございます。うみが楽しそうに暮らせているようで安心しました』

 『それは良かった。もっと話していたいが、この姿でいることはこの時間が限界のようだからもう寝るのじゃ。また話そうぞ』

 『ええ。また』


 そうして定期報告が終了した。

 眠りから目覚め、身体を起こそうとすると隣に真が眠っていた。

 それを見て、私はいつもの自分へと思考を切り替えたのだった。


最後まで読んでいただきありがとうございます!


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