第14.5話 逃亡の末に
今回は◯.5話シリーズです!
最悪だ⋯。
勇者パーティとなった召喚者たち以外の中で2人も身体変化の兆候がみられるものがいる。
王国に露見すれば、最終兵器として飼い殺されてしまうだろう。
とりあえず該当者であるヒビキさんとリッカさんを呼び出そう。
呼び出した2人は自分に起きていることが理解できていないようで、とても不安そうな顔をしていた。
彼らにはここから抜け出すことだけを考えてほしい。
"防音結界発動”
「急に呼び出してしまいすみません。理由を説明する暇がないほど急いでいるので今は言うことができないのですが、貴方達はこのままだとジーク王によって飼い殺されるか、最悪の場合処刑されてしまいます」
「なんでだよ!?俺達が何をしたっていうんだよ!」
「そうよ!私このまま死ぬなんて嫌よ!」
「落ち着いてください。決してバレないように貴方達をここから逃がします。」
「本当にいいのか?アンタはこの国のお偉いさんだろ?」
「私に関しては問題ありません。もし私がどうなっても信頼できる後継者は育っておりますので。それに、孫の顔を見るまで死ねないですから」
「わかった。殺されるぐらいなら、アンタの作戦に乗るよ」
「私も」
よかった。
なんとか理解してくれたようだ。
「では私が転移魔法でこの国の外へ貴方達を今から逃がします。その後はインコルトという街へ向かってください。インコルトは国を出てから大森林をまっすぐ進むと3日程でつきます」
「俺達はインコルトとか言う街を目指してひたすら歩けば良いんだな?」
「そういうことです。どうかお気をつけて」
「私たちを逃がしてくれてありがとうございます。またどこかで」
「えぇ、また」
「"転移魔法発動"彼らをこの国の外へ」
2人は眩い光とともに消えていった。
そうしてまた召喚者を逃がすことに成功したのだった。
「"防音結界解除”」
ウミ様ほど完璧に扱うことはできないが、私でも転移魔法を扱うことができる。
このあとは後始末に追われるな。
ウミ様にきちんと情報をお伝えしたいが今は無理そうだ。
申し訳ありません、ウミ様。
事が済みましたら、連絡いたしますから。
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私たちはディアボロ伯爵のおかげで国から逃げることができた。
目の前にある大森林を突き進めば、インコルトという街に着くらしい。
ディアボロ伯爵の言葉を信じて、ただ歩くしかなかった。
私たちが国から逃げて2日が経過した。
身体の異変はどんどん悪化していった。
ついには苦しくて歩けなくなるくらいに。
次の瞬間、ヒビキが倒れた。
「ヒビキくん!?しっかりして!もう少しで森を抜けられるか、ら⋯?」
気づけば私の視点も横になっていた。
身体が熱い。
息が徐々に荒くなっていく。
このまま死ぬのかもしれない。
⋯でも、一人じゃないから怖くない。
「響くん⋯あなたが一緒にいてくれて⋯とても心強かった⋯。ありがとう」
「こっちのセリフだぜ⋯。なぁ、もし、明日も生きていられたら、俺と付き合ってくんねえか⋯?」
「今、言うことなの⋯それ?」
「今言うことじゃないのはわかってるけど⋯。悔いを残したくねぇからな!」
「⋯気が合うわね。私もよ。その提案に乗るわ⋯。あなたのこと割と好きだし」
「嬉しいな⋯。わりぃ。そろそろ限界みた、い⋯だ」
「私も⋯」
限界を迎えた私たちは静かに目を閉じた。
目が覚めると目の前に知っているような、知らないような人物がいた。
「おっ!目が覚めたか。体は大丈夫か?無理しなくていいからな」
徐々に目の前にいる人物が、クラスメイトの火宮響であると認識していった。
でも獣耳が生えていたり、尻尾が生えている。
「あなたは、ヒビキくんなの?」
「そうだ。人狼っていうやつになっちまったみたいだけどな。そういうお前は何になったんだよ」
そう言われて自分の体を見てみると手足が鳥のようになっていた。
慌ててステータスを見ると"ハーピー"になっていた。
「ハーピーってやつらしい」
「おぉ、やっぱハーピーか。美人なお前にはぴったりだな」
「ねぇ、ヒビキくん。その、お前って呼び方やめて欲しいな⋯。せっかく生きられたんだから」
やっぱり響くんは忘れていたようだ。
私の言葉を聞いた瞬間に慌て出したのだから。
「じゃあ、リッカって呼んでもいいか?彼女になるんだし⋯」
「いいよ、ヒビキ」
「ちょっ!いきなり呼び捨ては恥ずい⋯」
「ごめん。じゃあインコルトの街に向おうとしましょう」
「そうだな」
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