Case.49 便利屋や! はよ開けんかいゴラァ!
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──Case.49 便利屋や! はよ開けんかいゴラァ!
俺たちはリッチーに地球製の武器を流した悪魔の元に向かっている。
事情があって完全武装だ。
俺はM27 IARアサルトライフルで、カリギュラはモスバーグM590散弾銃で武装し、お互いにボディアーマーと弾薬でいっぱいのチェストリグを装備。
持ち込んだのは弾薬だけではなく、手榴弾やスタングレネード、それにブリーチングチャージも含まれる。
そんな重武装で俺たちがどこに向かっているのかと言えば──。
「新煉獄組……」
そう、俺たちが向かったのは軍用ドラッグであるオクソールを巡るトラブルで再結成を知った新煉獄組の事務所である。
やつらの事務所の入ったビルの前に俺たちは完全武装で訪れた。
すると、見張りに立っているワーキャットたちが震え上がるのが見えた。
俺たちの姿を見た反応らしい。酷いやつらだ。
震え上がるべきはこれからだって言うのにな!
「おらあっ! 王貴人を出せ! やつに話がある!」
「おうおう! そこを退くか、撃ち殺されるか選べ!」
俺とカリギュラがそうワーキャットの構成員を脅す。
どっちがヤクザのチンピラか分からない言動になったが、まあいいか。
「ま、待ってくれ。あんたら、今回は一体何の用事で……?」
「武器だ。前の事務所もそれで吹っ飛んだのに、懲りずにまた武器を買い集めてるんだろうが。ええ!?」
そうなんだ。
リッチーが告げた武器の売買に関わった悪魔の名は王貴人。
煉獄組も武器弾薬を山ほど蓄えていたので街の治安のために汚い花火にしてやったが、またしても連中は武器売買に手を出したようだ。
「わ、分かった。姉さんのところに通すから殺さないでくれ……!」
俺たちが今にもここで大虐殺を始めんとする勢いなのに屈し、ワーキャットたちは道を開けた。
「よろしい!」
俺たちは雑居ビルに上がり込み、新煉獄組の事務所がある3階に上がる。
事務所の前には尻尾の毛がちりちりになったワーキャットだ。
以前カリギュラがケツを焼いたワーキャットである。
「げっ! この前の頭のおかしい便利屋ども!」
「退け。俺たちが用があるのは王貴人だ。お前じゃない」
「あ、姉さんに……?」
「す・ぐ・に・退・け! もう繰り返さないぞ!」
「は、はひっ!」
アサルトライフルをワーキャットの頭に向けて警告すると、ワーキャットはわたわたとドアの前から逃げるように去った。
「おら! 王貴人、出てこい!」
俺がドアを蹴り開け、アサルトライフルを構えて突入。
カリギュラも従軍経験はないものの俺の死角を散弾銃でカバーする。
「な、なんだっ!?」
「わあっ! ま、前に押し入ってきたイカレた便利屋だ!」
「何しにきやがった!?」
俺とカリギュラの乱入を前に、新煉獄組の構成員たちが慌てて席を立ち、武器を抜こうとする。
それに対して俺は天井に向けて警告射撃を実施し、カリギュラも構成員たちに銃口を巡らせた。
構成員たちはこういう修羅場には慣れていないのだろう。
響いた銃声を耳にして、構成員たちが竦み上がる。
「王貴人を出せ。お前らがまた武器の取引に手を出したことは分かってるんだぞ」
リッチーに平和的に解決する可能性を示した以上、問答無用で銃撃戦に持ち込むわけにはいかない。
一応は話し合いの精神を見せておく必要があった。
「何事だい! ……って、お前ら……!」
「よう、王貴人」
完全武装の俺たちの姿を見た王貴人が顔を青ざめさせ、俺とカリギュラはにやりと嗜虐的に笑って銃を構える。
「俺たち、前に確かに言ったよな。トラブルを起こすなって」
「な、何の話だい……?」
「大量のAK-47アサルトライフル、それからPKM機関銃。憲兵が嗅ぎまわっているぞ。俺たちにも『やあ、便利屋さん。こいつがどこから出てきたか知らないか?』って憲兵が来ている」
「う、うちとは関係ない……!」
俺がにこにこと笑って言うと王貴人はぶんぶんと首を横に振る。
「ほほう。それは俺様たちが聞いた証言と食い違っているな。銃火器をお前から買ったって客がいるんだが?」
「ああ。俺たちは確かに王貴人から、お前からカラシニコフを買ったという証言を聞いている。蛇ってやつは本当に二枚舌らしい。平気で嘘を吐く。一枚舌を千切れば、正直に話すようになるかね」
「そうだな。ちょうどいいことにここに余計な舌を吹き飛ばせる散弾銃がある」
俺の言葉にカリギュラはそう言い、散弾銃の銃口を王貴人に向ける。
「ま、待て! 認める! み、認める! あたいたちが武器を売った!」
「最初からそう正直に話せばいいんだよ。それで、武器はまだあるのか?」
「あ、ある……」
「入手経路は?」
「や、八代港に伝手がある。旧煉獄組のときから繋がっている兵器ブローカーだ」
「旧煉獄組からの伝手か……」
旧煉獄組もロシア製の武器をたんまりと抱えていたが、そういう伝手があるとは。
しかし、八代港か……。
「お前たち、港に倉庫を持っているな。武器はそこか?」
「そうだが、まさか……!?」
俺たちがこれからやることを予想して、王貴人の表情がさらに青ざめた。
俺たちはもう一度街の治安のために、一肌脱ごうというわけだ。
たっぷりの爆薬と燃焼促進剤があれば、この街の治安は、まあ、僅かにだが良くなるだろう。
「二度目の花火の撃ち上げだ。特に情報がないなら、これで──」
「待て! 待ってくれ! 兵器ブローカーについての情報がある!」
「ほう?」
「その男はあたいたち以外とも取引しているんだ。あたいたちの倉庫だけ吹っ飛ばしても問題は全然解決しないし、ここは……そう、手を組もう。ね?」
興味深い情報だが、即決はしない。
即決すると安く見られるからな。
俺はカリギュラと意味深に視線を合わせて、考え込む。
「オーケー。話を聞こう。その兵器ブローカーを押さえる」
5、6分の沈黙の末に俺はそう言った。
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