表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トランスポーター✕サービス  作者: カバクラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
37/43

17話 「新しい路線、新しい一歩」(後編)

春季ダイヤ改正初日。


 午前五時三十分。


 池巣自動車営業所では、運転士たちが運行表を受け取っていた。


 今日から新しいダイヤ。


 担当路線も、いつも通り勤務表に従って決まる。


---


 細野孝太郎は運行表を確認する。


「今日は池42系統か。」


 昨日までとは違う路線だった。


---


 山下恒一も運行表を見る。


「俺は草49系統だ。」


---


「私は上31系統ですね。」


 川村健吾が笑う。


---


 大森恒一も運行表を確認する。


「私は王15系統です。」


---


 山下が笑った。


「毎日違う路線だから飽きないよな。」


---


 細野も頷く。


「その分、覚えることも多いけどな。」


---


 そこへ金城恒一がやって来た。


「今日から新しいダイヤだ。」


「担当路線は毎日変わる。」


「だからこそ、どの路線でも同じ運転ができる運転士になれ。」


---


「はい!」


 四人は元気よく返事をした。


---


 池42系統。


 細野は始発停留所でお客様を迎える。


「おはようございます。」


「おはよう。」


 常連の利用者が笑顔で乗り込んできた。


---


「今日から時間が少し変わりましたので、ご注意ください。」


---


「教えてくれて助かるよ。」


---


 細野は笑顔でドアを閉めた。


---


 一方。


 草49系統を担当する山下も、お客様へ丁寧に案内していた。


---


「この便は浅草行きです。」


「途中の時刻が変更になっています。」


---


「ありがとう。」


 利用者は安心したように席へ座った。


---


 上31系統では、川村が笑顔で接客していた。


---


 初めて利用する学生へ、乗り換え方法を分かりやすく説明する。


---


「ありがとうございます!」


 学生は何度も頭を下げた。


---


 王15系統では、大森が落ち着いた運転を続けていた。


 新しい時刻でも焦ることなく、一つひとつ確認しながら運行していく。


---


 昼休憩。


 同期四人は休憩室で顔を合わせた。


---


「今日は全員違う路線だったな。」


 山下が缶コーヒーを開ける。


---


「これがいつもの営業所ですね。」


 川村が笑う。


---


 大森が資料を閉じた。


「どの路線でも、お客様へ正確に案内することが大切だと改めて感じました。」


---


 細野も頷く。


「担当が変わっても、やることは同じだ。」


「安全に、そして丁寧に。」


---


 夕方。


 営業所では寺島主任が運行状況を確認していた。


---


「大きな混乱もなく終わったな。」


---


 所長も満足そうに頷く。


「利用者からも『案内が分かりやすかった』という連絡が入っている。」


---


 金城は四人を見ながら静かに言った。


「路線は毎日変わる。」


「車両も変わる。」


「だが、変わらないものが一つある。」


---


「お客様を安全に目的地まで届けること。」


---


「その気持ちだけは、どの路線でも忘れるな。」


---


「はい!」


 四人は力強く返事をした。


---


 営業所を出ると、春の夕暮れが街を優しく包んでいた。


 明日はまた別の路線。


 別の車両。


 別のお客様との出会いが待っている。


 それでも四人は迷わない。


 どの路線でも、この街を支える運転士であることに変わりはないのだから。


(第17話 完)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ