表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トランスポーター✕サービス  作者: カバクラ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
30/33

14話 「冬を走る、街を支える」(前編)

12月下旬。


 池巣自動車営業所の会議室。


 細野孝太郎。


 山下恒一。


 大森恒一。


 川村健吾。


 四人は金城恒一の前に座っていた。


---


「昨日の話の続きだ。」


 金城は資料を開く。


---


「冬コミ臨時便。」


---


 4人は改めてその言葉を聞いた。


---


「コミケ自体は夏にも開催されている。」


 金城が説明する。


「毎年、多くの来場者が集まる大きなイベントだ。」


---


「これまでは。」


「別の営業所が担当していた。」


---


 細野たちは頷く。


---


「俺たちが新人だった頃ですよね。」


 細野が言う。


---


「ああ。」


 金城は頷いた。


---


「当時のお前たちは、まだ入社したばかりだった。」


「担当路線を覚える。」


「安全に運転する。」


「それだけで精一杯だった。」


---


 山下が苦笑する。


「確かに。」


「毎日必死でした。」


---


 大森も頷く。


「先輩方が大きな輸送を担当している姿を見ていました。」


---


「すごいと思っていました。」


 川村が続ける。


---


 金城は4人を見る。


---


「そして今年。」


---


「担当の順番が、池巣営業所に回ってきた。」


---


 一瞬。


 会議室が静かになる。


---


「俺たちが……。」


 細野が呟く。


---


「ああ。」


 金城は頷く。


「お前たちが中心になる。」


---


 4人は顔を見合わせる。


---


 新人だった頃。


 先輩たちの背中を追いかけていた。


---


 その仕事を。


 今度は自分たちが任される。


---


「覚えているか。」


 金城が言う。


---


「初めて一人乗務した日のこと。」


---


 細野たちは黙って聞く。


---


「最初は誰でも不安だった。」


「でも。」


「少しずつ経験を積んできた。」


---


「今では後輩を教える側だ。」


---


「営業所を支える側になった。」


---


 金城は続ける。


---


「だから任せる。」


---


「ただし。」


---


 表情が引き締まる。


---


「大きなイベントだからといって、特別な運転をする必要はない。」


---


「いつも通り。」


---


「点検する。」


「確認する。」


「安全に運ぶ。」


---


 4人は真剣に頷いた。


---


「はい。」


---


 冬コミ当日。


---


 まだ夜明け前。


 池巣営業所には明かりが灯っていた。


---


「早いですね。」


 川村が時計を見る。


---


「大きな仕事だからな。」


 山下が答える。


---


 細野は担当車両の前に立つ。


---


 車両点検。


 灯火類。


 タイヤ。


 車内設備。


---


 一つずつ確認する。


---


「細野。」


 金城が声をかける。


---


「緊張しているか?」


---


 細野は少し考える。


---


「少しは。」


---


「でも。」


---


「やることは変わらないと思っています。」


---


 金城は笑った。


---


「それでいい。」


---


 冬コミ臨時便。


---


 池巣営業所として初めて担当する大きな輸送。


---


 4人にとって。


 新人時代には想像できなかった仕事が始まった。


(第14話・後編へ続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ