第28話 祝勝会と歓迎会
第28話 祝勝会と歓迎会
朝から祝勝会と歓迎会準備に忙しくしている三人組とカグヤ。
ゴーキは厨房から余ってるテーブル、イスを借り第三区に運び設置。
カレン・カグヤは皿、フォークの食器、料理などの調達。
ユーキはお菓子と飲み物の調達。
▽祝勝会と歓迎会の前
(相談があるので聞いてくれないか?)
(仲間になって間もないカグヤに俺のこと伝えていいか迷っている。皆の意見も聞きたい)
三人が一斉に険しい顔つきに変った。
「その前にタローの意見を聞きたいわ」
(そうだな完全に信用した訳じゃないが。前にも話したけど、三人は年長者のカイセイやナバラと同等の実力はない・・・はずだった。その理由は攻撃力に比べ防御力が弱かったからだ)
「そうですね」
(解決するには治療錬気と予気・感気錬気の習得が必要と考えていた。治療錬気は簡単にできないだろうと予想はいていたが、その不安は訓練始めて的中してしまった。それで予気・感気の取得まで早くて一年、遅ければ二年を覚悟いていた)
「確かに治療錬気はカグヤがいなければ、いつになるか分からないかもね」
(まさかカグヤにより、たった10日間で終わってしまうなど思いもよらなかった。この速さは別な意味で10日間は不気味なんだ。が、それは於いといて・・・)
「聞いていいかしら。何故、私達は予気・感気の習得に一、二年もかかるの?」
「俺達は新しい錬気の習得早いぜ、そんなに掛かるのか?」
(三人の技は他の人と比較して素晴らしい出来だ。ただし、施設内の人と比べての意味だろう)
「当然そうなります」
(ここでは特待生カイセイやナバラは最強だが、噂によると正騎士団に入れるギリギリの技量程度らしい。彼らでも世の中に出ればごまんといる使い手となる、大陸全土に広げると腐るほどいることになるな)
「さすが世の中は広いぜ」
「カイセイやナバラでも近衛騎士・正騎士団の騎士見習について修行し武術技能三段を取らないと入団できないみたいね」
「副班長シーナー・ダオジンが武術技能二段取ってるなら、特待生カイセイやナバラなら簡単に三段取れるんじゃねー」
「聞いた話しですけど、二段は楽だけど三段は無理だって聞きました。それと三段の試験は王都しか受けれないので取ることは出来ないとか」
「三段は王都なのかよ、エゾ領から1000km以上あるじゃねーかー無理だぜ」
「他にも試験会場はあるみたい、エゾ領からだと王都並に遠いらしいし試験は年に1,2回で毎月試験する王都で受けた方がいいみたいだよ」
「ここにいる限り三段は取れないってことだな、あの院長がいるので資格なんて取れないけど」
「確かに、まぁー資格なんて取らなくてもいいわよ、孤児院出てからでも遅くないしね」
「僕もそう思います」
(脱線したな。三人の技量、『力』はまだまだ伸びる。訓練すれば成長することを感じるし力もつく、色んな技を同時に身につけたお陰で技の訓練は簡単に終わらない。今は楽しくて楽しくて堪らないはずだ)
「そうなのよ、どの技でも訓練すれば伸びる。タローに叱られるかしないけど、夜も訓練したいの我慢してるほどよ」
「俺なんか、夜に早く朝がこないかと思ってるぜ」
「それ頭おかしい奴と人に思われるからやめなさいよ!」
「僕もカレンと同じ、毎日が楽しくて仕方ないです」
(聞くが、毎日の楽しいことやめて、地味で詰まらない座禅を本気でやる気を出せる?)
「うーん それは無理です!」
「それは絶対無理だわ!」
「頑張っても無理だぜ!」
(地味で詰まらないと思ってる時点で積んでいる、止観じゃないと治癒錬気の基礎は習得できないし、いくら座禅をやっても意味がない。その基礎がないと予気も感気もできないことが大問題なんだな)
「座禅した時は早く終わらないかなとか、あと技のこと浮かべてました」
「タロー ところで止観とは何だぜ!」
(俺も説明に自信がないから詳しくは勘弁してくれよ、簡単に云うと『雑念を払い心を一つの事に集中して正しき知恵で一つの事を見分け知ること』かな?)
「タロー 説明を聞いても全然分からないわ!」
(これでも噛み砕いて説明してるんだ。一つ一つの言葉の意味は聞くなよ、すればするほど的外れになってしまう気がするから)
「タローさん 焦っていますよ」
自分で説明していて、さっぱり理解してないから仕方ない。
(つまりだな。そんな訳の分からない境地、つまり心になれば治癒錬気へ入っていけるらしい?)
「要は治癒錬気は私達に難しいってことね、だから一、二年はかかると・・・」
「だな!」
(更に脱線してしまったな。仮に攻撃力>防御力の人がいたとする)
(錬気の攻撃が余りに強力になると防御しなくても倒せるだろう?)
「楽なことは良いことだぜぇ」
(良いことなんだが、そうなると防御はろくに訓練しなくなり上達しない、防御の技も覚えない)
「防御いらないくらい、もっともっと強くなれば問題なしだぜ」
(お前たちでも無限に攻撃力が強くならないだろう、いつか成長速度は緩くなるか止まる)
「それは当然です」
(格下相手なら通用するし勝てる。攻撃力が同等の相手の場合はどうなるのか?)
「やってみないと分からないかな」
「僕もそう思います」
(何か良い例がないかな? そうだ俺が三人と同じ攻撃力だとしよう、ゴーキ仮にだからな)
「また俺かよ」
(まぁまぁー 怒らない、同じ攻撃力と仮定してどっちが勝つ?)
「そりゃー タローだろうぜ」
「タローさんと同等でも勝てないです」
(同等の場合は、『やってみないと分からない』はずだったけど・・・おかしくないか?)
「分かったわ!。攻撃力が同等でも防御、守備力が上のタロ-に絶対勝てないってことね」
(正解だ。達人は攻撃と防御は高い水準の力量だろう、達人が予気と感気を使えないなど考えられない。対等に戦うために、予気と感気は最低限ないと真ともに戦えない。強敵と対峙したとき絶対に必要と考えたわけだ)
三人は納得してくれたみたいだ。厳密に云うと技量が同じでも経験等による優位さなどがある、それを話すとややこしくなるから無しにする。
(治癒錬気の訓練からカグヤまでの流れは省略するぞ)
(予気・感気を習得した今なら分かるだろう、練習試合はどうだった)
「力の強さは同じなのに、前とは別人と思うくらい違うわ」
「例えるなら5歳児の子供が大剣を振り回す⇒15歳の大人が大剣を振り回すに変化した、です」
(いい例えだな、大剣=攻撃力で体格=防御力、剣は互角でも体力で負ける。分かりやすい)
「それと防御から攻撃、攻撃から防御は淀みなく進むようになったぜ」
三人は互いに意見を言うが同意もする。お陰で呑み込みは早い。
(治癒錬気は気装・気衝を少しだけ上げる、予気・感気は言うまでもない。達人への道が開ける)
「タロー 私達が達人になれるの?」
(あぁー成れる。今は達人の入り口にも届いてないが)
「僕達でも成れるのですか」
「俺達が達人か~ 夢があるぜぇ」
達人への道が簡単な訳はない、努力して成れるものでもない。が、不可能でないと感じるのだ。
(特待生カイセイやナバラと同等以上の強者が三人もいる。もう孤児院内で院長達を怖がる必要はない。まだ安心はできないけどな)
タローは一息する。体はないから息はでない・・・
(ユーキの脳内にいるのは伏せるけれど、カグヤに俺の存在を明かしても問題ないと思う)
「僕は大賛成です」
「私もそれが良いと思うわ」
「異論はないぜぇ」
これで決まった。
「タロー 錬気の訓練はあまり外で出来なと思うんだけど、前より相当腕が上がってない」
(おぉー分かるか! ハハハハ 俺は秘密基地があるお陰で訓練など楽勝よ)
「またトンデモナイ発言だよ! 何よその秘密基地って?」
(内緒!内緒! まだ教えない)
「えっ! 教えてくれないですか、何で僕が知らないの?・・・」
「タローって寝ない、食事も休憩も必要ない。秘密基地があれば、つまり訓練し放題ってことかしら・・・」
(寝るのは人間だったときの習慣だな。食事も休憩も寝ることも必要ないのは確かだ)
「ガッテム!」
明かされた秘密基地とは・・・極秘事項。
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▽祝勝会とカグヤの歓迎会
今日も第三区は快晴だった。
テーブルに料理、お菓子、飲み物が次々に並べれらるつど、みな一様に驚きと喜びをあげてる。
前の世界と比べれて、ご馳走らしい物は何一つ見当たらない。
あるのは調理パン、鳥の唐揚げ、ビスケットに果汁水があるだけ、これらを孤児院内で食べるれのは滅多にない、年に何回か出される贅沢の食事だ。果汁水はお店にある品でお金のない孤児は購入できない。
普段から質素な食事をしている、飢えることもなく餓死しないだけマシなのだ。生活能力のない孤児が生きて行くことは厳しい世界、食事に文句を云うなど罰が当たる。
ゴーキはよだれを垂らし、まだかまだかと食べ物を見つめている。お前は待ての犬か?
「それでは祝勝会とカグヤさんの歓迎会を始めます。すべてタローさんからの提供です」
「待ってました、食うぜぇー」
「タロー???」
「凄いご馳走 タロー感謝!感謝!・・・しっかし何処から仕入たのかしら?」
三人はカグヤの前までいき手を取ってカグヤと同調させる。
「今、タローと念話で繋がるように手を取りましたが、驚かないでください」
「は、はい」
(カグヤさん 初めましてタロ-といいます。事情は全て聞いて知っています。これは念話による会話の仕方です。カグヤさんはできませんか?・・・ はぁーできない! 普通に話してもこちらに聞こえますから問題ないでしょう。これからよろしくお願いします)
カグヤは周りを探していますが、誰もいないことに気づき狐につままれた感じだった。
「初めまして、よしくお願い致します」
これ以上ゴーキに待たすと悪いので祝勝会とカグヤの歓迎会を始める。
「調理パン、鳥のから揚げ 超うめぇー 生きてて良かったぜ!」
「タローさん大感謝です!」
「わぁー 凄く美味しいです!」
(喜んでくれて、奮発したかいがあったな。俺は食べれないがな~!)
「タロー そろそろ手品の種明かししてくれない?・・・あぁビスケット超美味しいわ!」
(種明かしね~ 大雑把に云うと厨房のおばちゃんにチーズやミルクなど提供し貸しを作ってる。その礼としてお菓子、調理パン、鶏のから揚げを作って貰ったんだよ。から揚の鳥は俺が仕留めてきた物で作り方も俺の直伝だ、すげー美味しいだろう! 俺の大好物なんだよ。衛兵のおっちゃんにも貸しがあってな、街で果汁水を買ってきて貰ったわけだ)
食べれないけど、さすが『夜の徘徊者』の面目躍如ってところだろう。徘徊者はあだ名である、決して二つ名ではないと断言しとく。
「タローさん サラッと言ってますが、これは有り得ないトンデモナイことです」
「カグヤ タローは常識外の人だから驚いてもダメよ」
種明しを聞いて、全員この人は何やってんだと呆れています。ユーキが一番困っていたが。
「タローさんは教官か職員さんでしょうか?」
(全然違うな! カグヤさん、それ以上詮索しなことだ!)
「あっ 秘密兵器でしたもんね。ご、ごめんなさい」
(分かればよろしい!)
美味しい食べ物と仲間がいれば楽しいし会話も弾む。
ここが孤児院でなく、生死のやり取りをする剣士でもなければ、いい生活なのだが。
読んで頂きありがとうございます。
《感謝》
『錬気』は架空の能力、空想(妄想)で書いてます。気=波を基本に、そこから増幅させ衝撃の波を気衝、瞬歩、跳躍等の技に、電波を念話などに見立て考えてます、浅知恵で深い考えもなく破綻(ご都合主義)してる部分も出てきますがご了承下さい。
文章は素人の範囲から抜け出ないでしょう。才能ないならストーリーで頑張りたいけど、拙い表現力でぶち壊されそうです。
ナイナイ尽くしでも、面白く楽しい物語を書けるように頑張ります。
物凄く遅筆なので溜めている分が無くなると更新遅くなります悪しからず。




