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第15話 恐喝の顛末

第15話 恐喝の顛末


不良たちの攻撃など普段の練習からみれば大したことない威力。そんなんで一々倒されたらやっていられない。


ヴーリィァンの戦いで致命傷はないがユーキは気を失ったようだ、程なくしてゴーキもターブリィに倒される。守りに徹している二人に不良どもは違和感を感じ焦り、最後は本気の攻撃をしてしまったことに後悔していた。




(ところでユーキ、なぜ気絶したふりしてるんだ。それとゴーキも?・・・)

(あれー バレてました?。そろそろ気力切れそうなんで危ないんです)

(俺も同様だぜ、切れたら不味いんだよな・・・)

なんと二人は気力切れを恐れて気絶するふりをしていたのだ。確かに気力切れは良くないと言ったけど、この状況下で守らなくてもいいだろうに律儀の奴だ。


(そういう事なら、選手交代でやってもいいか?)

(任せました)

(任せたぜ)

逆襲の幕開けだ。





俺はゆっくりと起き上がり、大袈裟に服についた土をパンパンと払う。


不良たちは音で気づいたらしく、立ち上がったユーキの方を向きビックリしている。


二人はごにょごにょと念話で話しあってる、タローの戦いに興味津々だった。


「まだ起き上がれるのか、なんてタフな野郎だ!」


「ああぁー 何がタフだー。そんな訳ないだろう、ボケが!?ーーー」


「なぁーにー  こ、こいつ雰囲気が違わないか?」

「どこか頭をぶつけたか、確かに違う・・・」


ユーキの豹変ぶりに戸惑う二人、言葉だけじゃなく顔つきも違うように見えてくる。確かに別の人間なのであたり前だ。


「頭なんかぶつけてねわーボケ! それより俺の弟分を随分を痛めてつけてくれたじゃねーか」

「はぁあー 何いってんだお前は?」

「それに弟分なんて知らんぞ、誰だよそいつは・・・頭おかしいのか?」


「バカかー ユーキに決まってるだろう!」

「はぁー???」

「ハハハハ バカかこいつ、ユーキは自分だろうが・・・」


「言われてみれば姿はユーキだよな・・・仕方ねーバカな凡人どもに説明してやる、俺は『夜の徘徊者』っていえばわかるかボンクラども・・・」


「えっ!・・・・・・お前が噂の徘徊者って奴なのか?」

「うそー 本当だったんだ、てっきりホラ話と思ったがマジか・・・」

俄かに信じられない不良たち、驚きに引きつった顔をしてる。


「知ってるじゃねかー」


「ところで、このおとし前はどうつけてくれるんだ」

『夜の徘徊者』が出てきて戸惑った顔する二人にタローは剣を突きつける。


「おい、どうやら本物の『徘徊者』らしいぞ」

「夢でも見てるのか、胡散臭い話しだと聞いてたし信じられんな」


「俺が相手してやる、二人一緒に掛かってきな・・・」


「こんな薄気味悪い奴は速攻で倒そうぜ」

「あぁー 全くだな」


「おめーらは、俺が許すまで帰さないからな、かかって来な」


今度は不良どもとタローとの戦いが始まった。


不良たちは全開態勢でやってくる、手抜きは一切なしだ。



「オラオラどうした。てめえーらの力はこんな文なもんか」

「なにーー    ・・・ウウッ 」

会話の途中でターブリィの顔面に軽くジャブを入れてやる。膝をついたところで軽い回し蹴り、もんどりを打って数mほど飛んでいく。

攻撃が止まった瞬間、好機だと思った不良のヴーリィァンは全力の連撃攻撃を仕掛けてきた。鍔迫り合いで不良のヴーリィァンが会心の蹴りを入れる、ユーキは蹴りを横に弾く、そして軽く顔面に右ストレート叩き込んでやる。同じように、もんどりを打って数mほど飛されていく。


顔面への拳はユーキとゴーキからの返戻金だ。多く頂いたものはキッチリと返さないとな。

軽めに打ったからそれほど効いちゃいないだろう。


『夜の徘徊者』の強さに驚いてる、ユーキと同一人物と思えない強さだ。

「ヴーリィァン奴の動きは早いけど攻撃力は大したことない。なら同時攻撃がいいだろう」

「攻撃は最大の防御ってやつだな」

軽めの攻撃は返って誤解を与えてしまったようだ。



「こ、こいつ化け物か、バカにしやがって・・・」

タローは身体をくの字に曲げたり、しゃがんだり、飛んだり一々動作が大袈裟だ。それに併せて奇声を上げる、意味不明な『わおっー』『うひゃー』『ちゃわ』など小ばかにした声と動きだ。


もっと驚くのは攻撃全てかわしていることだ。

二人の同時攻撃をことごとく避ける、あたかも剣の動きを予測してるかの動きだ。


不良たちの攻撃はやんだ、息は乱れ大粒の汗が噴出している。


ユーキは拳をポキポキと首を傾けボキボキと鳴らした。

「よーし 準備運動は終わりだ~」


「ゼーゼー  なんで当たらないんだ」

「ハァー ハァー 手品でも使ってるかよ。 ハァーハァー 薄気味悪い野郎だ」



「おめらー 随分と弱者イジメをしてるそうじゃねかー。お前らも一度はイジメを味わいたいだろう、俺が教えてやるから感謝するんだな」


「ふざけんじゃねーよ!」


不良のヴーリィァンは瞬歩で切り込んできた、タローは剣で受け止め、左の拳でヴーリィァンの腹に重い一発を叩き込んだ。同時にターブリィに近づき回し蹴りで側頭部を蹴りだした。

まだ軽めの力、これも大して効いてないだろう。


案の定、不良のヴーリィァンとターブリィを攻撃をしかけてくる、前回と同様に腹と側頭部に攻撃して倒す。

ちょっとばかし力を加えた。今度はヴーリィァンは腹を押さえうずくまる、ターブリィは意識が飛びそうだ。

まだ戦える余力は残しておいた。

イジメてるように観えるが仕掛けてきたのは不良どもだ、一応正当防衛としておこう。


ヨロヨロ起き上がり剣を構えず走り出す、勝てないと思った不良たちは逃げだした。


タローは眺めていた。

「おぉ~い、お前らー逃げるんじゃないよ~」



数十mの距離をあっという間に、超速の瞬歩で追い越し彼らの前に立ちふさがる。

その速度は瞬間移動でもしたような動きだった。突然目の前に現れたユーキに度肝を抜かれる。

「わぁーーーーー」

二人は地面にへたり込んでしまった。


「参った、降参だ勘弁してくれ」

「俺も降参だ、稽古はやめる」


「誰が降参だ! 誰がやめただと!」


タローは右の拳で地面に気衝撃を放った、直径1mの固い地面が大きく陥没する。怒りの鉄拳だ!


それを見た不良たちの顔はみるみる内に血の気が引き真っ青になった。あんなの食らえば死ぬ。


タローの顔が笑みを浮かべ不良たちに向ける。マゾかよ・・・


二人は後ずさり、ブルブル震えだした。殺される・・・殺される。


「お前らは許すまで帰さないといったはずだ、なに勝手に帰ろうとしやがる!」

「・・・・・・」


「さぁー 続きするぞ。剣を構えろ、今度は手加減なしでぶち込んでやる」

「お、おお願いです、もう勘弁してください」

「言うことはなんでも聞きますから・・・」

「なぁーに死なない程度に手加減してやっから心配すんな。俺って優しいからな」


不良たちは『夜の徘徊者』が狂ってるとしかみえなかった。この場から一心に逃げたかった。


「徘徊者様のお力の偉大さは十分理解しました、ターブリィも分かっただろう、なっ、な、な!」

「お、おお、分かりますとも、こ、これほどの御力を持った方と知らず数々の非礼お詫びいたします。い、いまは、ご尊顔を拝謁できて恐悦至極です」

不良たちは両膝を地面につけ、手を地面に置き、額を地面に擦りつけている。


「よし、よし、俺の力が分かるか。そこまで感服してるならやめてもいい ハハハハ」

何度も地面に顔をぶつけている、必至の不良たち。


「ただ忠告しとくぞ!、また弱い者イジメするなら、只じゃおかないから覚悟しな!」

二人は地面に平伏したまま聞いてる、真面に顔も見れないようだ。


「肝に銘じます」

「二度といたしません」

「じゃー とっとと帰りな!」


二人はわき目も振らず一目散に駆けだしていった。 《ご愁傷様》


 




(タローさん いくら何でもやり過ぎです!)

「やり過ぎくらいが丁度いいだろう、これくらい痛めつければ悪さはしなくなると思うしな」

「もう一度来て欲しいぜ、戦い結構楽しかったしな、でも来ないわな・・・」

(お願いしても来ないだろうな ハハハハ)

「笑ってる場合じゃないですよ、『夜の徘徊者』を見る目は恐怖そのものでした。僕の姿してるんですから悪いことはしないでください」

(そりゃそーうだ、悪い 悪い)



ユーキが不思議がる仕草ををする。

「タローさん聞いてもいいですか」

(なんだ)

「途中からあの人達はタロ-さんに同時攻撃してました、けど攻撃は当らず凄く戸惑っていました」

「俺も不思議だなと感じた。だってよー、違う方向から同時にくる攻撃をかわす、受ける止めるなら分かるが、何度も同時にかわすことは無理じゃねー」

「そうそう僕も感じていた、マグレならあるだろうけど、見えてない攻撃を避ける芸当は何なんですか?」

「タローが強いのは解かってるが、そうゆう次元とも違う気がするぜ!」

二人は話しながら興奮してきたのか、疑問をまくしたてた。


(説明してやるから急かすな!、あれはなー 2つの能力を使って回避してたんだよ)

「どんな能力何ですか?」

(その能力使えるようになったんだが、まだ具体的に説明できない。もう少し調べてからじゃないと無理だな)

「俺達にも使えるのか?」

(それは大丈夫だろう。能力の正式名称も分からんし、習得条件もハッキリしてないけどな)

「えぇー 習得条件を知らいで使えるんですか! 意味不明です」

「そんなの有得んぜー」


(お前たちは基礎が中心だからまだ早い。この技の習得に急ぐ必要ない早くても秋くらいでいい、連携技の応用に差し掛かった状態なら大丈夫だ。その頃には説明できるようにしとく)


「しかし、タローさんといるとドンドン技が増えていきます。ぜんぜん練習時間たりません」

「午前中は農作業あるから少ないよな・・・ 秋ごろか、感謝祭が終わったころだな」

「あっ感謝祭が終われば一日中練習できます。戦闘系・剣士志望者は秋から農作業免除されます」

(ほう、そんな制度があるのか)


「気になったことといえば、あの超速の瞬歩ですね。一挙に跳ぶわけでなく何回かに分けて跳んだでしょ、あれの訳を教えてください」

(練習してるから気づくだろうけど。強力な瞬歩の初速は早い、跳ぶ距離が長くなると速度は逆に落ちてしまう。そこで途中途中で瞬歩を重ね掛けして速度を上げていく、結果は瞬間移動してきたみたいになるんだよ。止まるのは物凄く大変だけどな)

「俺も練習しよう!・・・やったぜ技が増えるぜ」



そこへ総代会に出ていたカレンが戻ってきた。

「帰ってこないから見にくれば、二人ともボロボロじゃない。何かあったの?」

カレンに事の顛末を簡単に伝えた。

「なに戦って負けたの、情けないわね」

「仕方ねーじゃないか、気力切れで戦う状態じゃないんだからな」

「気力切れがなによ、負けるより勝ちなさいよ!」

カレンらしいといえばカレンらしいが、もう無茶苦茶な論理である。


何か思い出したらしく、あれっ!と仕草をする。

「不良のヴーリィァンは、どこかで聞いた名前ね~」


「あっ アイツかな?・・・」


何でも前に絡んできた二人組がいたらしい。

『俺達の仲間になれとか』でしつこく誘ってきた。丁寧に断ったらブチ切れて『舐めてんじゃねーぞ、こらー』とかになり争いになった。

『丁寧に断った』あと、普通『舐めてんじゃねーぞ、こらー』の下りはおかしいだろう。

『丁寧に断った』・・・これ絶対に嘘だな。


「へぇー その後どうなったの」

「なんにもない、絡んできた二人をコテンパンに、ぶちのめして返り討ちしただけよ」

いやいや、怒らしたのカレンの方だろう、きっと相手をバカにしたんだろうな。

ぶちのめして返り討ちとは・・・ 《ご愁傷様》



待て待て、なら不良どもは何しに来たんだ。昨日の悪ガキの言ってることと辻褄が合わない。


カレンにボコボコにされた恨みからユーキとゴーキに八つ当たりした?


おそらくカレンが元凶だろう? けど要らぬ詮索はしない方がいいな。



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