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第10話 【錬気】帳と模擬試験へ向けて

◇第10話 【錬気】帳と模擬試験へ向けて


午前中は農作業の手伝い。

午後はいつもの第三区教練の場所に集まって来た。


(今日は訓練する前に見せたい物がある)

『錬気』についてと書かれた紙を出した。内容は箇条書きにしてある。



【錬気】帳・・・第一版 (タロー自作)

『気』は生き物なら持っている精神エネルギーのような物、気や波をあやつるのが錬気


 ■気装(壁)錬気

  ・自分の周りに気を纏った状態、錬気の基本中の基本の技

   防御力を高める

  ●気装壁・・・体の一部を厚くする技

   防御力を何倍も高める、動作中は高度な技術(練度)が必要


 ■気衝錬気

  (気衝、気衝撃、気弾など)

  ●気衝 

   気装を強固な一枚の膜を作り、その膜を超高速度で押出す技

    岩を動かす、人を飛ばす。一旦動作を止めて発動

    壁に穴を開けることも可能、技で高出力の攻撃力

   ≪応用例≫

   ・石つぶてや矢に気衝を当て飛ばす技

   ・瞬歩や跳躍・・・足の裏に気衝し瞬間移動や跳躍する技

     空中で跳躍を出すと、どこに飛ばされるか予測不可能になる


  ●気衝撃 

    攻撃する瞬間に手や足から気衝を出す必殺の技

    連続・持続する場合は最高難易度の技、逆に失敗すると隙が生まれやすい

    打撃が相手に当たる瞬間に気衝を出す、タイミングが悪ければ威力は落ちる

    動作中で高出力の気衝を練る、打とうする部位に気装壁も張る

    心・技・体を高次元に使いこなして出せる技、達人の技と言われる所以である

    

  ●気弾

    ボール状に気を超高圧縮し閉じ込めて放出(気衝)する技

    身体から離れると減少していく、時間が経つと無くなるか、物体に当たると爆発    

    撃と同じで動作中に出す場合は難易度が非常に高くなる


  ●剣装・剣衝

   剣に気装する技

    体に気装するより難しい、剣の攻撃力が何倍も上がる

    相手の攻撃を防ぎやすい、受けてもダメージが少ない利点がある

   ◎風切りの刃(通称:風切り)

    剣を振るときに気衝を発動させ飛ばす技

    振ってる時ならどの位置からでも問題ない、剣に集中してなくてもいいのが利点

    気の消費は少なく、中遠距離から効果的な技

   ◎剣装撃と剣衝撃

    気衝撃の剣バージョン、剣の必殺技、気衝撃より難易度が高い

    気衝撃より難しい、タイミングがズレれば威力はガタ落ちする

    気装壁を張らなくてもいいのが気装撃、ただし剣が壊れる心配もある

    気装壁を張るのが気衝撃、剣は壊れずらい

  ●振動

    物に高周波を当て高温にする技

    壁を溶かす

   

 ■治癒錬気

   体内に気を流し細胞を活性させる技

   ・細胞の自然治癒力を上げる

    直接傷を治したりはできないが、治りが早くなる

   ・病気耐性を上げる


 ■索敵錬気

  ●索敵・・・用途が間違ってる技、発信が正解

   ・自分を中心に気を円状に波をだす技

    索敵探知機になるが相手に知られる弱点がある

   ・指向性で発信機に使える、複数人も可能

  ●探知・・・気の受信機

   ・人や動物の気を感じ取る技・・・こちらが索敵

    気装を感知することで人とかを居場所を掴む

   ・特定の波長を感じことで受信機にできる


  ●危機回避

   第六感の感覚などと言われてる、技や仕組みの詳しいことは不明

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(実証実験と本で調べた内容を元にまとめてみた。重複する所も多いし、加筆・修正が必要だろうけど、大まかな括りは大丈夫だと思う。誤字脱字があれば言ってくれ直すから!)


三人は目を丸くして読んでいる。

「何これ、すごく解りやすい。これ読むとタイラン教官の教えって雑じゃん、教え方適当なんだね!」

「これなら俺も理解できるわ、タイラン教官は根性論好きだから、あんなもんだろうぜ」

「これ凄いですね。でも、僕の知らないですよ。いつ調べたり実験してるのですか、僕は記憶ありませんが?」

(まぁー あ、あれだ、ユーキが寝てる時とか、そんなもんだ?)

すっとぼける、詳しく聞かれると余計に困るからな。

(錬気を分類・仕分けしたけど、厳密にいえば明確に分かれているのかは怪しい。なので技を勉強する時は『こうゆうもんか?』程度に参考にするようにしてくれ。【錬気】帳に固執されても困るからな)

「タロー 聞いたこともない『危機回避』ってあるけど、書いてる内容も分からないわ」

(一番難解なとこ聞いてくるとはカレンさすがだな。『危機回避』は手探りの状態で実戦訓練しているところなんで、確実にこうだと書けないんだ。『危機回避』の技いや能力かな、その能力は実戦で必要不可欠まで確かめてる。上位にいくために絶対必要になる能力なんだ、それで不確かなことは書けないから載せていない)

「何か雲をつかむような話しだけど、私達も習得できる能力なのかしら」

「だよな~ タローなら簡単でも俺達は無理ってのもあるぜ」

「そうですよ。タローさんは特別ですから・・・」

(隠しても意味ないから言うが、その能力は防御を飛躍的に高めるものだ)

「気装壁を強化する方法ですか?」

(いや全く別物の能力だ。いつかお披露目するだろうが、きっと驚くだろうな。達人なら普通にあるだろうし恐らく強化された状態だろうな)

「わくわくする能力ね」

(三人はまだまだ先の話しだから気にしなくていい)

「分かったわ」



「あとは必殺技か、いいな~ 読むと簡単に出来そうな気がするの俺だけか?」

「確かにそうねー、 でもタローがそんなミスすると思う」

「そうなんだぜぇ・・・・・・」

(技を出すことは皆も出来るよ、ただし訓練は大変になるけど不可能じゃない)

「簡単に出来るのかよ、やったぜ!」

(ゴーキは確実に死ぬけど)

「なぬー それじゃ意味ねーぜ!」


(ゴーキが実戦で死闘していると仮定します。これはいいよね、確認だけど!)

「おおぅ! 戦ってねーけど戦うんだろう?」

(相手に必殺技を使うとします。まず拳に気衝を纏う内に死にます!、間を取ろうとして死にます!、放つ時に失敗し死にます!)

他の者は気づいているみたいだが、ゴーキは世話が焼ける。

(つまり並みの剣士と戦ってても、簡単に隙をつかれ死んでしまう技になる。自分に一撃必死の技だよ)

「死にます、死にます、は死にまくりじゃねかー。 一撃必死って笑えねーぞ!」

(そうだね、今のゴーキが百倍上手くなって上達し、一瞬いや瞬時に繰り出せれば可能だと思うが)

百倍は大袈裟だけど、もう少し修練を必要なことは確かだ。

「ひゃ、ひゃ、百倍なんて恐ろしいことだぞ。ありえんぜー」

カレンは小さな声で聞いてきた。

(タローならひょっとして可能?)

(俺だけなら余裕かな、ユーキの体がもう少し上達《発達》したら完璧にいけるかも・・・な)

(聞いた私が馬鹿ね、埒外の人間に聞く必要ないと改めて悟ったわ)


「さぁさぁ、バカはほっといて、さっさと現実に戻りましょうね」


(実力を確認するため三人で乱取りの稽古をしてもらいたい。以前にやってたやつだよ、あれ実戦向きだからやってみてくれ)

飛んだり跳ねたり、まるでサーカスの曲芸師の動きだ、その合間に気衝の技をだしてる。それも簡単に防ぐから前より技術が数段上がってる。ここまで短期間で上達すると呆れるばかりの才能だ。

こいつら、まじに優秀だ。一人ひとりが10年に一人の逸材だろうか? それが同時に三人も集まるなんて不気味な運命も感じる。


開始から10分、ようやくユーキが吹き飛んだ。

「やりぃーーー ユーキの負け」

「これで私の勝ちね!」

「ハァ ハァ  まだ俺がいるぜ」

「あんたはバテバテなので負けよ」

「何それ 汚ねーぞ!」


(よし、休憩してくれ だいたい技量は把握できた・・・)


(まずゴーキから前衛型で攻撃・防御は優れてる、特に気装壁はいう事ない出来栄えだ。欠点は体術が弱いためか、力技に頼り過ぎて強引に行こうする傾向がある)

「細かいこと苦手なもんで、ハハハハハ」

(次はカレン、接近戦は得意だけど後衛の方も力を発揮するかな。気弾の攻撃は早さ、威力、速度ともに実用に耐えうる技量まできている。接近戦の動きはいいんだけど、気装壁、気衝がその分甘くなる。剣装はあと一歩の所という出来だな)

カレンはウンウンと頷きニコニコ顔だ、そしてガッツポーズだ。

(最後のユーキはどの位置取りも出来るけど、基本は中衛型がいいだろう。飛びぬけた物はないけど欠点もない万能型だ、このまま成長し続けたら本当に化け物になる可能性が十分ある)

「やはりユーキは将来化け物かー」

「ぼ、僕は化け物になりません」


(今のは三人で組んだ時の立ち位置を説明したけど、一対一の戦い方でも同様に通用するからね。ゴーキは敵と離れないように接近戦、カレンは近接戦と距離をとって攻撃する戦い方、ユーキは敵に応じて臨機応変の戦い方だね、万能選手なのは変わらい)

「ねえねえ、タローは前の世界で兵士か何かだったの、やけに詳しいわよね・・・」

(いや普通の一般人だよ)

「いやいや可笑しいじゃん。一般人が戦いに詳しいなど、どこで習ったのか知りたいわ」

(技は実際に訓練して覚えたのは前に話しただろ、戦闘に関する物は色々な専門書を読んで憶えた)

「普通専門書は置いてないよ、図書の書庫は部屋に鍵が掛かってて入れないし・・・」

(なーに夜は誰もいない。都から月に一度講師が来てただろう、奴ら夜になると街に遊びに行って深夜にならないと帰って来ない。居ないのは知ってるからな、そして合鍵を作れば何処でも自由に入れる。講師の奴ら良い専門書を持ってるのよ、あとは見放題、調べ放題で苦労しないわな)

「それってヤバくねー」

「それ犯罪です!」

(見つかっても夢遊病者なんだから何も心配ない)

「でたー 夜の徘徊者! 無敵だわ!」


話しはまとまった所で訓練を再開。


それぞれ技の練度を上げる訓練を夕方までする。動きを説明したり細かく指摘して直していく。



何といわれようが、当分は夜の徘徊をやめないけどな。


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