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黒き百合のリリーダイヤ  作者: 山平学美
本編
4/10

後編 上

ついに復讐劇が始まりました。

リリーダイヤは一体、どのような絶望を彼らに与えるのでしょうか?

そして舞台は、3年後の卒業パーティーへと変わる。


「リリーマリアが、死んでいる!?」

「えぇ、三年前のあの暴行によって姉様は息を引き取りましたわ。

ふふふっ、本当に分からなかったのですね?

姉様の方が、品があって博識で優雅であったというのに……。

姉様のご親友の何名かはお気付きになられておりましたよ?」

「えぇい、黙れ!!

貴様がリリーマリアでなかろうと、エリーゼを殺そうとしたのは貴様で間違いないのだ!!」

「ほぉう。さて、ミッシェル王子殿下。

私がマシュー伯爵令嬢を殺害しようとした、ですか?

いつ、どこで?証拠は?」

「先月、深夜過ぎに寮の彼女の部屋でだ!!

暗殺者を、新しい侍女と名乗って、エリーゼを睡眠薬で眠らせ、そのまま刺殺させる手筈だったのだろう!?

その暗殺者に自白剤を飲ませたら、貴様の指示だと言っていたぞ!!」


リリーダイヤは、笑みを扇子で隠すこともなく王子に向ける。

そして、


「殺そうとはしていません。

正しくは、睡眠薬で中途半端に眠らせて、足の腱を切って逃げないようにさせた上で、薬品で顔面を焼き潰そうとしたまでです。


刺殺なんてそんな緩い方法、しませんよ?」


「なっ!?」

「っひ、嫌っ!!」


マシュー伯爵令嬢は顔を青ざめながら王子に縋り付き、王子は殺さんとばかりにリリーダイヤを睨む。

そんな二人の前に、4名の殿方が現れた。

彼等は、リリーマリアを暴行の上殺害した共犯者であり、リリーダイヤの復讐相手でもある存在だ。


「もうエリーゼを傷つけさせない!!」

「エリーゼさんこそが、私の光なんだ!」

「エリーゼだけが、僕を救い出してくれた!」

「エリーゼ嬢こそ、最も清らかな者だ。

復讐に囚われた薄汚い貴様とは違うのだ!」


それぞれ、辺境伯嫡子、財務大臣子息、アヌー商会子息、魔法研究所所属アリトリウスの4名が、虚ろな目で叫ぶ。

辛い現実から逃げ出した哀れな罪人たちが完全に揃った瞬間である。


「あら?まぁまぁ、皆さま!

そうでした、私、皆さまに良いお話がございましたの!」


リリーダイヤは、目を輝かせながら、嬉しそうに話す。


「王子殿下の学園及び市井におけるご評判は最悪なのは、皆さま方ご存知ですね?

そんな王子殿下にこの国の未来など任せておけるはずございませんよね?


ですから、本日をもってミッシェル王子。

貴方の王位継承権、奪わせていただきます」


この場にいる全員が息を飲んだ。

たかが、同盟国の大公夫人にそのような権限はない。

……本来ならだが。


「その件、承諾しよう」


国王陛下の承認が出たことによって、一気に騒しくなる。

王子殿下は状況を理解できずに、振り返った。

そこには、悲痛な表情の国王陛下と、ハンカチで顔を隠しながら泣き続ける王妃の姿があった。


「父上、いえ国王陛下!

私以外にこの国を任せられる人間はいないはずです!

第二王子は昔に亡くなり、第三王子は隣国の公爵家へ婿養子になるはずだ!

誰が、この国を引っ張ると……」


「それなら問題ございません。

ラフィール様、ラフィール第二王子!」

「はい、リリーダイヤ大公夫人」


そこには、ミッシェル王子に顔の作りがよく似た少年が国王陛下の横にいつのまにか居たのだ。


「ら、ラフィール!

お前は3年前に死んだはずでは!?」

「えぇ、リリーマリア様がお亡くなりになられた数週間後でしたか。第一王子派の貴族が雇った暗殺者に殺されかけましたね。

ですが、ホープニア大公夫妻に助けられましてね、表向きには死亡ということにし、身分を偽りホープニア王国で過ごしていたのですよ」


姉様がお亡くなりになって数週間後、私と旦那様は偶然にも暗殺者を見つけることに成功しました。

魔力の塊とも言える私達には、人々の魔力を意識すれば視覚化することができます。

その日はどうも、空気中に漂う魔力が多い気がしたので、探ってみたら、第二王子殿下に対し、暗殺者が襲う直前でした。

旦那様とともに暗殺者を拘束し、そして、思い付いたのです。


この方も仲間に加えようと。

第二王子に私達の復讐を伝え、仲間になってもらうようにお願いをしたのです。

第二王子は、すぐに了承してくださいました。

どうやら、ミッシェル王子は第一王子で次期国王なのをいいことに、日頃から第二王子を虐め成績も改竄させていたことが後にわかりました。


「ホープニア王国で国王になるための勉強も、既に終えております。

わかるでしょう、兄上。


私が次の国王になるのです。

ですから、貴様の存在に価値はない」


ラフィール王子殿下は、人当たりの良い表情から一瞬で、冷酷な王族の者としての顔つきになられた。


「あ、ちなみにラフィール王子殿下が次期国王なのは、我がホープニア王国でも了承済みですから。

ホープニア王国としても、ラフィール王子殿下ならば、同盟を続けられると安心して発言できますからね」

「ホープニア大公夫人、褒めすぎですよ。

あぁ、兄上。

随分と静かになられましたが、まだ壊れないでくださいね。

兄上の周りの貴様ら、関係ないといった考えもここまでだぞ?」


呆然としている第一王子に、状況を飲み込めていないマシュー伯爵令嬢らは、怯えるように身構える。


「えぇ、まだまだです。

さて、ミッシェル王子?

まだまだ、私の復讐は終わってませんよ?


さぁ、来てください」


リリーダイヤが、上を向いて声を上げる。


まずは、ミッシェル第一王子から。

何回か、ミッシェル王子のことを第一王子と言っていた伏線がここに繋がりました。

あともう少しで本編も終了です!

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