中編 下
ついにざまぁ(第一段階)に到達しました!
リリーダイヤは一体どのように復讐していくのでしょうか?
私が国王陛下に出した命令は以下の通りです。
・私が真実を公表するまで、世間にはリリーマリアは王子らの勘違いで暴行を受けたということを公表すること。
・第一王子の王位継承権の破棄と廃嫡は、こちらが指定する日時で行うこと。
・今回関係した王子以外の子息らの処遇は、こちらが子息らの両親と話し合い決定させてもらうこと。
・上記とは別に、この日より一カ月の謹慎を、国王陛下からの王命として言い渡すこと。
・王子ら含む子息らに、リリーマリアの要望を聞くように王命を出すこと。
・今後、彼らに対する私が行ういかなる行為も黙認すること。
この他にも細々とした内容はありましたが、重要な事としては、もう王子らには逃げ場が無くなりつつあるという部分ですね。
一カ月の謹慎は、より一層、王子方に絶望を与えるための準備期間です。
「国王陛下、我が姉、リリーマリアの死は今は公での公表は控えましょう。
しかし、早い時点でホープニア王国と同盟を結ぶ諸国の王族らには、秘密裏に姉の死については説明された方が良いでしょう」
「うむ……早い方が良いだろうが、果たしてそれだけで良いものか。
同盟諸国には、この機会に我が国に無茶な条約を要求するものもいないわけでは」
「それについては、私に考えがございます」
大公様は、そっと国王陛下の側により小声で話し始めました。
話し終わった際には、国王陛下の顔に迷いはなく、完全に私の味方になったのでした。
そして、それからも私はリリーマリアとして行動することにしました。
表向きには、暴行を受け療養していることになっているため、その間に子息らの両親と話し合いました。
一週間が経ち、次は学園です。
王子方がいない間に、この場を私に有利に働くようにしましょう。
一カ月後。
「あら、ミッシェル殿下、それに皆さま。
謹慎が解けましたのね?
これからもご学友としてともに学べることを嬉しく思いますわ」
「ふざけるな!嬉しく思うだと?!
先程から、周りからは距離を置かれ、教師達からは異常なまでの量の課題を出されたのだぞ!?」
「まぁ、当然ですわ!
国王陛下より、ミッシェル殿下方の愚行は公表されましたのよ?
自国の王位継承権を持つ王子が、まさか勘違いで婚約者を暴行するなんて、皆さまが大層怯えになられるに決まっておいでしょう!
教師の皆様も、より一層殿下方には厳しく教育するように国王陛下よりお願いされておりますのよ?」
謹慎が解けた王子殿下達に、この学園で心休まるところは無くなった。
復帰したという体で私は、様々な方々と交流し、元々低かった王子殿下らの評価をどん底まで下げることに成功しました。
更に、一カ月の謹慎で遅れた分だけでなく、今までマシュー伯爵令嬢と怠けた時間、彼等には課題が出され、期限までに提出できなければ強制補習にしてもらいました。
これで、彼等が仲良く過ごす時間は激減するでしょう。
この程度の嫌がらせで根はあげていないようですが、勿論、これだけではございません。
【ブライト辺境伯の嫡子の場合】
彼の父上は、辺境伯当主だけでなく王国軍国境防衛隊隊長も務めております。
今回の一件で彼だけは、一カ月の謹慎の後も一カ月程、国境防衛隊で最も辛いと言われている元傭兵やならず者達が多く所属する部隊の兵士見習いとして扱かれたそうです。
学園に戻ってきた際、以前のような明るく活発であった姿はなく、いつも何かに怯えています。
辺境伯としていかなる脅威からも立ち向かう度胸も勇気も彼には無いようです。
マシュー伯爵令嬢以外には、受け答えも出来ないほどになられています。
【財務大臣の子息の場合】
彼は、一応、生徒会の会計を担当されているのですが、マシュー伯爵令嬢の取り巻きになって以来、碌に仕事をしなくなりました。
彼の居ない一カ月は私が代理で仕事をし、復学の際に生徒会へ連れ出し、仕事をさせました。
実は彼、座学は優秀なのですが実技はてんでダメらしく、実技の補講を毎日受けている上に生徒会の仕事で、相当お疲れのようです。
更に、生徒会に仲間はおらず、皆、彼に厳しく接しているようです。
この前お会いした際、やつれて隈はでき何か独り言を呟いておられました。
仕事の方は、渋々しているという状況でとても誠心誠意しているようには見えません。
裏庭のベンチで、マシュー伯爵令嬢に泣きついておられました。
【アヌー商会の子息の場合】
彼が謹慎している間に、実は我が家の方で彼の実家の商会と取引をしました。
というのも、今回のことでおそらくアヌー商会は一気に信用失うでしょうから、子息以外は救いましょうと思いまして。
アヌー商会の一部の商品を我がフォンティーヌ家が愛用しているとアピールしただけで、商会は以前と変わらずに商売が続いています。
今まで、彼はその商会でも重要な立場にいましたが、それを下げられ今は雑用しかさせてもらえていないようです。
そのストレスからか、学園では常にイライラされ、他の平民の生徒と口論をすることも多くなりました。
自分の思い通りにいかない状況を受け入れない都合のいい思考は改善されないのですね。
学園で彼と話されるのは、マシュー伯爵令嬢しかおりません。
【魔法研究所所長アリトリウスの場合】
彼は、数年前に学園を卒業され、一年前に所長に任命されたエリートでした。
しかし、今回の件で所長の地位は剥奪され、2年近くホープニア王国のある魔法部署で働いてもらっています。
そこは、部署全員が変人と言いますか、最悪な部署の中でもトップクラスに酷いと言われています。
何回か、リリーダイヤとしてホープニア王国に戻った際にお会いした時、プライドの高く、常に見下していた態度は消え、生気のない人形のように働いていました。
下から上へと成り上がるために、プライドを捨てることは、そんなに嫌なのですか。
そして、マシュー伯爵令嬢宛の手紙をこちらで確認したところ、会いたい会いたいと狂ったように書かれていました。
そして、ミッシェル殿下とマシュー伯爵令嬢ですが、
「あら、ミッシェル殿下、ご機嫌よう。
今日の午後にお茶会をしますので来てくださいませ、エスコートを頼みますわ」
「断る!なぜ、貴様の命令など!」
「あら、国王陛下に私の言うことをしっかり聞くよう命令があったのでしょう?
引き受けて頂かないと言うのであれば私、国王陛下にご報告させて頂かなければいけませんわね。
私もう、我慢することはやめましたの。
これからは好きなようにさせていただきますわね、ミッシェル殿下?」
今まで、碌に姉様をエスコートしてこなかった王子殿下を、貴族子息らのお茶会から始まり、王子殿下の苦手な人物らが出席する夜会に無理矢理連れ出しました。
その先で、わざと王子殿下の逆鱗に触れるように、小言や我儘を言い、怒りを溜めさせました。
元々、我慢ができないお方ですからすぐに罵倒や暴力を振るわれますが、そのままにしておきます。
すぐに護衛の者が連れ戻していきますから、特に大事にはなっておりません。
何度注意されても変わらないのですね。
「ご機嫌よう、マシュー様。
相変わらず、ミッシェル殿下方に纏わり付いているのですね。
盛りのついた雌猫のような下品な行為は、おやめになっていただけませんか?」
「私はただ、お疲れの皆様の役に立とうと思っているだけです!
あと、私の悪口を皆さんに言いふらすのはやめて下さい!」
「あら、事実を申し上げているだけですわ?
否定したければ、貴方が直接否定すればよいでしょう?
最も、貴方をお茶会や夜会に誘う方なんていないでしょうけど?」
マシュー伯爵令嬢は、以前に増して女子の皆様からの憎悪が増し、最近ではいじめられているそうです。
私は、面と向かって事実を言うだけなのですが、彼女はいじめも私が主犯と勘違いされていまして、王子殿下方に告げ口していましたね、本当に愚かなこと。
この学園での辛い現実は、ある意味でターニングポイントでもあったと言うのに。
彼らの愚かさは結局、卒業するまで改められることはありませんでした。
さて、次はいよいよ冒頭の部分に繋がっていき、最後の復讐へと取りかかっていきます!
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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