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黒き百合のリリーダイヤ  作者: 山平学美
本編
5/10

後編 中

更新です!

いよいよ取り巻きの復讐です。

リリーダイヤちゃんが結構空気です。

「呼んだかい?私の愛しき妻」

「旦那様、皆さまは?」

「勿論、連れてきたさ。

では、皆さまおいで下さい」


旦那様……ホープニア大公様は私の呼びかけの後に魔法陣から出てきました。

そして、旦那様の後にもう一つ大きな魔法陣が浮かび上がり、そこからある人物たちが現れました。


「な、ブライト辺境伯爵…それに財務大臣、アヌー商会会長!?

それにそこにいる女は……?」


第一王子は、そこに現れた方々に驚き、マシュー伯爵令嬢やそのご子息に当たる方々は訳がわからないという表情をしておりますね。

ただ一人、顔を青白くされている方もおりますが……。


「皆様、お初にお目にかかります。

私は来月より、命により王国魔法研究所副所長をさせて頂けることになりました、アリトリエラと申します。

そこにいる愚兄の妹にございます」


アリトリウス様のご実家は、この国でも有数の魔法の名門のルーン伯爵家で、現在の当主はアリトリウス様の兄君となります。

そんな、アリトリウス様には表向きには病弱で療養地にて休まれているという妹様がおられますが、真相は違います。


「私と母は、幼い頃より父や次兄に虐待を受け、年々酷くなっていくそれに耐えきれなくなった長兄の手により療養という名目で、昨年までホープニア王国に隠れていました。

その際に、ホープニア大公夫妻にさまざまな援助をして頂きました。

この度は、我が兄上から愚兄の処遇についての文書を託されたので伝えにきました」

「この、この出来損ないの妾の女が……副所長だと?私と同じ地位を、この女が?

私よりも劣っているあの不良品が?」


アリトリウス様は、ぶつぶつと信じられないといった表情で頭を掻きむしりながら喚き続けています。


「『アリトリウス、この日を持ってルーン伯爵から除籍、及び王国魔法研究所からの強制退職を所長から命令され、これを受け入れること。

また、貴殿の身柄はドラコニア公国のバトリー第三公女の預かりとする』

……とのことです、良かったですね。

バトリー公女は近々爵位を貰うことですし、愛想を振り撒けば愛人の枠を維持できるかもしれませんよ?

まぁ、五体満足は無理だとは思いますが」

「あ、あ……嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ!!

嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だいやだぁ!!

『拷問姫』のところなど嫌だああぁぁ!!」


ドラコニア公の末娘であるバトリー公女は、公女でありながら竜騎兵として戦場を駆け回る武人で、非常に加虐的な性格をされていることで恐れられています。近年、魔力に精通する美青年を婿にと要望しているという噂を聞いていましたが……本当でしたか。


「息子よ……何度もチャンスを与えたというのにお前は、お前は!」

「父上?」

「我がブライト辺境伯が命ずる!

今日を持ってお前を廃嫡し、クラウド子爵に奉公へ出す!!

もう二度と我が領土の土を踏むことも許さん!!」

「ま、待ってくれ父上!!

クラウド子爵って、あの……嘘だろ!?

あんな所にいたら、俺は!?」

「もうお前の父ではない、クラウド子爵にも好きにするように言ってある。

誠心誠意、リリーマリア嬢への謝罪と奉公に勤めよ」

「あ、あ、ああああぁぁぁ!!!!」


クラウド子爵は、表向きはブライト辺境伯の領土内に存在する軍人家系の貴族です。

しかし、裏側はスパイや叛逆者と言った者達から情報を聞き出す拷問官の一族でもあり、クラウド一族の者にはそれぞれに一人、大罪を犯した人間が奉公という形で与えられます。それらの人間は、もはや人権は無く拷問の練習台から戦場での奉仕となんでもさせられるのです。


「親父……あんたもか?

あんたも俺を見捨てるのか!?」

「お前は、今日を持って廃嫡及びアヌー商会からも抹籍する。

……無一文で国外追放か、生涯王宮で無給の下働きでいるか、選べ」

「はぁ!?なんだよそれ!!

なんで、なんで俺がこんな目に!」

「……選ばないのなら、もういい。

明日の朝一に、デスロック島行きの船に乗ってもらう。

そこで一生、鉱夫として働いてもらう」

「は、おい、親父?」

「……父親として本当に悲しい、リリーマリア様にはどんなに悔やんでも悔やみきれない」

「親父……おい、親父」


デスロック島は、罪人の墓場とも言われている炭鉱の島で、そこには、監視者と罪人の鉱夫しか存在しないと言われています。

あまりにも過酷な労働で10年も生きられないという、実質的な処刑でもあります。

先ほどの選択肢は、彼への最後の救いだったというのに。


「ゴールドバグ財務大臣」

「えぇ、わかっております……息子よ」

「父上……」

「今日を持って廃嫡し、そして……。

そして、お前は、これから、王宮の最下層の牢獄の担当警護兵を命ずる」

「………………え?」

「私が、もっと、厳しくしていれば……!」

「は、はは、あはははははははは!!!」


この王宮の最下層にある牢獄は、建国時に圧政者たちを閉じ込め拷問死させた曰く付きの場所で、そこの門番は呪われ、例外無く壮絶な死を迎えてしまうのです。

警護兵に任命された人間の多くは、数ヶ月で精神が壊れてしまうそうですが。



彼らのご血縁の方に話をした際、皆さまそれはそれは謝られていました。

それはもう、命を絶たれようとするほどに。

何故、このような人格者からあのような愚かな人間が生まれるのか、不思議でなりません。


さて、取り巻きの方への復讐も終わりましたし、メインディッシュといきましょう。


覚悟してくださいませ?

第一王子、マシュー伯爵令嬢?


さて、取り巻きの処遇は結構悲惨ですが、残りのお二人はどのような末路に向かうのか?

何かございましたら、感想の方へどうぞ。

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