↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生で奪われた娘を取り戻すために戦う父親は、魔法少女になって娘の親友の銀髪お嬢様に愛される  作者: 古川智明
第一章:魔法少女になってからしばらくの話

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
103/153

第百三話:お揃いのリボン

「ひよりちゃん……ほんとにもう大丈夫なの?」


「うん、大丈夫。心配かけてごめんね」


「ともかちゃんは心配しすぎだよ、ひよりちゃんだって風邪ぐらい引くんだから」


「そうだけど……」


 ううむ、成瀬さんに心配をかけてしまった。

 結局、『口裂け女』討伐の翌日は学校を休むことになり、そして今は金曜日の放課後。


 明後日の地区大会に向けて、成瀬さんが『卓也』のために作るお弁当の材料を、いつもの3人で買いに行くのだ。

 しかもお弁当は僕の分も作ってくれるというのだから、これは嬉しい。


 それにしても、気合い入ってるなぁ。

 こんなに応援してくれてるんだ。一次予選ぐらいで敗退することは許されないぞ、原口くん。


 まぁ、今朝の『秘密特訓』での様子を見る限り、そこらの小学生が今の原口くんに勝つのはなかなか難しいはずだ。

 『成瀬さんへの告白』を成功させるためにも、まずは1歩前進することを祈る。


「で、なに買うんだっけ?」


「卓也はお肉が好きだから、お肉をたくさんと……ひよりちゃんの好きな食べ物、教えて?」


「確か、すあまって言ってたよね?」


 う、その設定覚えてたのか。

 さすが小春さんと言わざるを得ないが、お弁当にすあまは普通入れないと思う。


「すあまは……さすがにお弁当にはね」


「そ、そうだよね……他に好きな食べ物は?」


 本当に好きな食べ物は、焼き魚だ。

 特に、焼いたサンマは最高だと思う。


「焼き魚かなぁ、サンマとか」


「サンマは……この時期は売ってないかも。他の魚じゃだめかな?」


 さすが成瀬さんは魚に詳しい。

 そもそも、お弁当に焼いたサンマは微妙な気もするし……


「うーん、焼き鮭とか」


「うん。それなら大丈夫だと思う」


「わあい」


「いいなー。ともかちゃんがお弁当作ってくれるなら、私も応援行きたかった」


 心底残念そうに、小春さんが言う。

 残念ながら明後日は用事があるとかで、応援には参加できないらしい。


 もちろん――『なにか』が起きるとすれば、小春さんが現場にいないこと自体は歓迎するべきことなのだけど。


「小春さんは、お弁当が目当てなの?」


「うん。ひよりちゃんが試合に出るなら別だけど」


「あはは……それは次の大会に期待してね。レギュラー入りできるかはわからないけどさ」


「ひ、ひよりちゃんがレギュラー入りできないなんて……絶対ないよ!」


「そうそう。なんでそんなに自己評価低いかなぁ」


「そうかな?」


「そうだよ……!」


 そんなことを言われても、まぁ……

 自分の実力だとはいまだに思えないから、どうしても自信満々とはいかないんだよな。


「……ところで、ひよりちゃん」


「ん? どうしたの、小春さん」


「そのリボン、どこで買ったの?」


「あ、私も気になってた……すごく綺麗だよね……」


 リボンというのは、僕のポニーテールに結ばれている物のことだ。


 その正体は『蒼穹のリボン』

 効果はというと……『すべての状態異常に耐性を持ち、身に着けた者を徐々に回復させる』

 もちろん、口裂け女を倒した後で現れた、『虹色の宝箱』から出現した品だ。


 まるで蒼穹をそのまま編み込んだような幻想的な色合いで、見る者の目を嫌でも惹きつける。

 要するにものすごく目立つわけだけど、性能が性能だから、身につけざるを得ない。


 これがあれば、月城さんに迷惑をかけることも減るだろう。

 そう思ったのだけど、どういうわけか月城さんは少し残念そうにしていた。


 ……いずれにせよ、『これ』の効果を一昨日のうちに知っていれば、昨日学校を休む必要もなかったんだよな……

 本当に、タイミングが悪い。


 次からはさっさと開けた方がいいのかなぁ。

 でも、伊吹さんに鑑定してもらわないと、結局なんなのかはわからないから……うーん。


「これは、海外のお土産にもらった物だから……どこで売ってるかは知らないんだよね」


「そうなんだ。いいなぁ、海外かぁ」


 小春さんには『青』が似合う。

 魔法少女としての姿も青が基調のものだったし、活発で爽やかな印象の彼女がこのリボンをつければ、それはもうたいへんな可愛さだろうと思う。


「お揃いにしたかったな……」


「ごめんね、成瀬さん」


「あ、謝ることないよ……!」


 成瀬さんが慌てたように両手を振る。


 お揃いのリボンか……

 もちろん同じ物は用意できないけど、似たような品ぐらいは探せば手に入るかもしれない。


 いつもお世話になっていることだし、小春さんと成瀬さんに、それぐらいはしてもバチは当たらないよな。


 ……少しばかり、照れくさいけども。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。