19 知らない町を冒険していたら帝国の貴族に絡まれた
「こちらに居る方を誰だと思っている!」
そう言われたので
「この町にきたばかりのボクが知る訳ないじゃん?」
とホントの事を言ったら怒られた
いえね、共和国の町にやってきたんだよ
学校がある町だね
お爺ちゃんとはぐれたので待ち合わせしている(ことになっている)
一人で退屈なので町を探検していた
多くの人、豊富な商品
戦争なんて無縁な景色だった
・・・悔しくなんてないからな!
なにせ暇なので朝から晩まで色々な所を見て回った
屋台あり、出店あり、普通のお店あり
平和な日々だったね
・・・ほらボクはいつも騒ぎを起こしている訳じゃないのが証明されたよね
疫病神とか言ったやつを殴ってやりたい
ある日、顔見知りになった出店 ~買わずに商品を眺めてばかりでごめんなさい~ の人が絡まれていた
出店は地面に布を広げてその上に商品を置く店だよ
知っていた?
何に使うのか判らないものがあって結構楽しめる
いや眺めて楽しんでいた
今日も眺めるだけ眺めて雑談しようとしていた ~商売の邪魔して結構酷いね~ ら店主が絡まれていた
たった一人の店なので助ける人間はいなかった
そして周りの出店の人間も被害を恐れて助けなかった
まあそうだよね
人間、自分の得になることしかしないんだ
という訳で絡まれている店主を助けることにした
・・・雑談したなら友達だ
「いい歳した大人が大人げない」
ではなく
「ばっかじゃないの」
そう言ってみた
最初のセリフにしようと思ったんだけど、口に出す際に二番目の言葉になったんだよ
なんかそっちの方がよさそうだから
「なんだと!?」
すぐに引っかかってきた
大人とはいわないけど、子供でもない
20歳くらいかな?
それなのに子供の言うことに目くじら立てて怒ってきたよ
残念すぎて哀れだよね
そうしたら取り巻きが言ってきた
「こちらに居るのは誰だか判っているのか?」
それが冒頭のシーンだ
いやちょっと前にこの町に来たんだから判る訳ないじゃん
自分のことは誰でも知っているとか自意識過剰だよね
・・・本当のことだけど11歳の子供に言われたのが気に食わなかったらしくて怒ってきたよ
「帝国のスポイル子爵の御子息のスタン様だ!」
勝手に自己紹介していた
「そしてオレ様はスカー様だ!」
勝手に取り巻きの自分も自己紹介していた
貴族の血を引いているとはいえ子供は2ランク下の地位に該当する
つまり子爵の子供だと平民だね
そんなことも分からないの
ぶ~、クスクス
本気で言ってやった
だって帝国の貴族だよ?
父親や祖父やご先祖様の仇だ
仲良くするよりも殴る方が先だよね?
死んだ父親たちが帝国の貴族を殴ったって聞いたなら
「よく言った!」
って褒めてくれると思う
・・・天国で言ってくれているよね?




