第6話
今まで1話で進む時間が長くて5〜6時間。
このままだと一生話が動かなそうだから今回ちょっと長めにとりました。
書斎を後にした俺はさっそく本を読むべく自室へと向かう。
ちなみに書斎から拝借した本はこの3冊だ。
『片手剣 剣術基礎1』
『魔法 基礎知識』
『自宅警備員の日常 ~ニートって言うな、これでも俺は忙しいんだ~』
前2冊は右側の棚から借りた指南書だ。
で、3冊目は正面の棚にあった小説だ。だが、勘違いしてはいけない。俺は決して今後について考えたくなくて、現実逃避のためにこの本を読もうと思ったわけではない。単純に面白そうだと思って持ってきたのだ。
、、、本当だからな?
と、自室の前まで来たわけだが。なぜか俺の自室の前にネルアがいた。
もう風呂とか入って寝る準備は万端にしてきたのか、もう寝巻きに着替えていた。
「あ、お兄ちゃん。部屋にいたんじゃなかったんだ」
「ああ、ちょっと書斎に行っててな。ほら、ちょいと本を借りてきた。」
「なんだ、ノックしても返事がないからてっきり無視されてるのかと」
「そんなわけないだろ。もし部屋にいるにも関わらずノックして返事がなければ、それはただ寝ているだけだ。」
「そっかぁ。で、何借りてきたの?」
「これ」
ネルアは本の表題を確認して、
「え、お兄ちゃんニートになりたいの?」
「断じて違う!!」
閑話休題
「で、ネルア、何か用があったんだろ?いったん中入りな」
「うん、ありがと。」
俺は扉を開くとネルアを中に招き入れた。
俺はベッドに座り、ネルアは俺が普段使っている椅子に腰掛けた。
「まあ、用っていってもそう大したものじゃないんだけれどね。」
「そうか?」
「昼間のことだけどさ、ごめんね。」
「昼間のこと?」
何のことだっけか。
「だからその、裸見て悲鳴をあげちゃったこと」
「ああ、その事か。」
すっかり忘れていた。というか裸を見たことじゃなくて悲鳴をあげた事に対してとはこれまた、、、
「お兄ちゃんって意外と筋肉あったんだね。」
「なにおう!腹筋だって割れてるんだぞう!」
「うん、それでちょっとビックリしちゃって」
「俺は今まで妹にお腹ぷにぷにとでも思われていたのだろうか。」
そっちの方がショックかもしれん。
「いや、ぷにぷにとは思ってなかったけどさ、どっちかっていうとお兄ちゃんって結構痩せてるじゃん?だからこう、骨とか浮き上がってるのかと思ってた。」
「俺は餓死寸前の乞食か何かかな?」
「そ、そこまでは言ってないよ、、。それでさ、触ってみても良い?」
「え、もしかして本題はそれ?」
コクリ
視線を下に下げて頷く妹。
いやまあ別に良いんだが。お腹や腕触られるくらいはどうってことはないのだが。問題があるとすれば。
「なあ、ネルア、夜に兄の筋肉を触る為に兄の部屋を訪れる妹、コレ、どう思う?」
「兄弟なら普通じゃないかな?」
「うん、普通ではないと思うよ?ま、そこは置いておいてだ。俺は別に良いけど、お前他の男にもおんなじようなことしてないよな?」
「え?いや、流石にしてないよ?」
「そうか?なら良いんだけどな?」
もしそんなことしてたら俺は殺人事件を起こさなければならなかった。
「よし、それじゃあ遠慮なく」
「いや、遠慮しろ?」
その後しばらく、俺はネルアにお腹と腕を撫で回された。
「お兄ちゃん、やばい、お兄ちゃんのせいで筋肉フェチになっちゃいそう。」
「止まれ!止まるんだネルア!」
ムキムキなおっさんに囲まれるネルア、そんなものを見たら俺は間髪入れずにその男どもをぶっ飛ばしにいく自信がある。そして俺が逆にぶっ飛ばされる。そんなのゴメンだ。
「ところでネルア」
「なーに?」
「お前次で10歳だろ?」
「うん!なになに?誕生日プレゼント?」
「いや気が早すぎるだろ」
1月前に9歳の誕生日来たばかりやぞ。
「いや、10歳っていうとさ、周りに学校行くってヤツも出始める頃じゃん?ネルアはどうなのかなって。学校、興味とかあるのか?」
「うーん、全く興味がない訳じゃないよ?でも、別にお兄ちゃんも行ってないわけだし行かなくても良いかなーとかも思ってる。」
「そうなのか、、、」
「急にどうしたの?」
「いや、俺ももう直ぐ働き始める年じゃん?」
「自宅警備員?」
「いやだから違うって」
「ニート?」
「違うったら。」
「監視カメラでストーカー?」
「その「かめら」とか「すとーかー」ってのが何かよく分からんけれど、すっごく不名誉なモノなのはわかる。違うからな。」
「カメラってのは動きを監視するための道具で、ストーカーってのは特定の相手をつけ回す事を言うんだよ。」
「絶対違うからな!」
そもそもニート=ストーカーではない。この世にいるニートに謝れ。あ、いや、やっぱネルアは可愛いから特別に許す。
「で、だ。お金稼ぐようになれば稼ぎ口も増えるわけで、お前が進みたいとこ進めるんじゃないか、とか思ったってわけ。」
「お兄ちゃん、気持ちは嬉しいけど、でもお兄ちゃんが働いたくらいで通えるほど学校って安くないんじゃない?」
「いや、そこはほら、力技で学園長をプチってやって」
「いや、そんなことしなくて良いから。さっきも言ったけど、私そこまでして学校行きたいわけじゃないし。そりゃ、これからお兄ちゃんも学校行き始めるんなら一緒に行ってみたいなーとかは思うけど、そう言うわけじゃないんでしょ?」
「ま、そうだな」
「なら別にそんな無理しなくて大丈夫だよ。」
「ま、お前がそう言うのならそうか。」
「もし気が変わってお兄ちゃんも学校行く気になったら教えてね。その時は私も絶対行くから。」
「お、おう、、」
やけにそこは押してくるんだな。ま、俺を慕ってくれてるって思えば微笑ましいもんだ。
「さ、もう私眠くなってきちゃったから、もう、、、」
ネルアの動きがぴたりと止まる。
「ん?そうか?それじゃあ部屋まで一緒にい行くよ。行こうか。」
「あ、うん。」
俺たちは俺の部屋からネルアの部屋へと移った。
そのままネルアがベッドに横になったのを見届けて、
「それじゃあ、ネルア、お休み。」
「お兄ちゃん、待って。」
「ん?どうした?」
自室に帰ろうと思ったら呼び止められた。
「今日も昨日みたいに、私が寝るまでそばにいて。」
「ああ、怖い夢を見たってやつか?」
「うん」
「すぐに忘れられないなんて具体的な夢だったんだな。一体どんな夢を見たんだ?」
「えっと、ね。」
「ああ」
「お父さんが死んじゃう夢。」
「ほうほう」
あのなにが起きてもひょいひょいとかわして生きそうな親父がねぇ。
「熱と痛みに襲われてすっごく苦しそうにしながら、でも家族の前では元気なふりしながら死んじゃう夢。」
「風邪ってことか?」
「分からない。」
「まあでも、所詮は夢だ。だから大丈夫。安心して寝な。」
「、、、」
「大丈夫か?」
「あのね、お兄ちゃん。お父さんにもお母さんにも言わないでくれる?」
「ああ、約束する。」
何をだろうか?
「私ね、何歳からだったか分からないけど、一年に一回くらい、特別な夢を見るの」
「特別な夢」
「例えば、誕生日プレゼントにお父さんがぐちゃぐちゃになったケーキを買ってくる夢とか、友達と一緒に一晩中星を見る夢とか。」
「ああ。あ?」
ん?これってまさか
「でね、これ、どっちも現実に起きてるんだ。」
「正夢ってやつか?」
それとも予知夢とか言う類か。どっちにしろ、父さんがケーキ買って家に帰る道中に転んでぐちゃぐちゃのケーキを食べた覚えもある。
ネルアがいない!?って大騒ぎして家族総出で探し回ったら広場で友達と2人横になって星を見上げて笑いながら喋ってた、なんて事もあった。
「今回の父さんのもそうかも知れないって思ってるって事か?」
「うん。何となく「あ、これこの後起きる、、、」みたいなのが感覚であるんだ」
「すごい力だ、、、けども、今回に限ってはそんなこと言ってられないな。」
もし本当にそんな事になったら、、、
だが、絶対起きないとは言えない。父さんは昨日の夜倒れた状態で見つかってる。その上絶対に何かあった事を隠してる。
「お兄ちゃんはこの話信じてくれるの?」
「ああ。信じたくはないけどな。何で父さんと母さんには内緒なんだ?」
「だって自分が死ぬ予知夢を娘が見たなんて知ったら嫌でしょ?」
「母さんには何でダメなんだ?」
「特に理由はないけど、、、でもやだ」
「でももしそれが本当なら皆で協力した方が良くないか?」
「それもそうだけど、、、」
「今まで黙ってたから言いづらいとかか?」
「それもある」
「俺も一緒に話してやる。それでどうだ?」
「、、、ちょっとだけ考えさせて。月曜日までには答えを出すから。」
「ああ。ゆっくり考えれば、良い。」
事は一刻を争うかもしれない。ゆっくりではいけないかもしれない。だがそこは、父さんの次に真実に近いであろう俺が何とかすればいい。
そういえば今日父さんに何があったのか聞くつもりだったのに疲れ果てて聞きそびれてしまったな。
明日、明日こそ絶対に聞く。こんな話を聞いて何もせずにはいられない。
「俺が、絶対何とかしてやるから。俺を信じろ。だから今日はとりあえず、もう寝るんだ。」
「うん。分かった。」
「ネルアが寝るまではここにいてやるから。」
「うん。ありがとう。」
「ああ」
「あのさ、」
「ああ」
「私、やだよ。もっとお父さんと一緒にいたい。」
「俺もだ。普段はあんなんだけど、でも俺にとっては最高の親父だ。だから、絶対助ける。」
「お父さん、、、」
それからしばらくネルアは静かに泣き続けた。そしてそのうちに疲れてしまったのか静かに寝息を立てて寝てしまった。俺はネルアの涙を静かに拭き取って、自室へと戻っていった。
「父さん、今一体父さんの身には何が起こってるんだ、、、」
おっすー。つむぎんこと綴莉紡だよ。
これ書く時、大まかな流れとかは考えてるわけだけど、その中の細かいエルディアたちの動きにつてはなーんにも考えてないんだよね。筆の向くまま主人公の気分に従って書いてるんだけどさ。
だから書いてるうちに筆が乗って、無駄に長くなるんだよな。
で、これで一日が終わったわけだけど、書き終わってみて衝撃。
この一日、起きて食べて運動して、食べて寝て起きて食べて、また寝る。
自分で書いてて、この人は何をされてる人なん?とか思ったわけよ。
こーいう世界だと普段庶民の人らってどんな暮らししてんのかねー。
てかさ、これ読んでる皆はもし毎日仕事も学校もバイトもなかったとしたら、何やって一日過ごすん?
なんか非日常すぎてなーんも想像つかないわ。
あ、あと明日明後日は投稿お休みね。次は10月27日の予定だから見てくれてる人はその日にまた見に来てくれなー。
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あと、もし要望がそれなりにあったら、
『自宅警備員の日常 ~ニートって言うな、これでも俺は忙しいんだ~』
も別枠で投稿するかもしれねー。短い話になるけど。興味あったら「書け!」ってコメントよろしくなー




