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次は戦場で会おう  作者: 成瀬丈二


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鉄級

ショートリングは操縦槽から器用にバスケットを取り出すと、中からハムを挟んだパンを取り出し、ぬるくなった茶と一緒に、頬張りはじめた。

このショートリング──ウィンが乗っている、騎体、ウォーン・バウルは鉄級のDLである。

イエンゼ遺跡からの素体の枯渇に伴い、ジェンド本国での新規生産は終了し、今では古びたという評価もあるが、設計思想の確かさになる、騎体の頑丈さとDLの動力源の虹石の燃費から、現在でも前線で運用されている。

ウォーン・バウルの操縦席は、最新鋭機と比較すれば計器類はアナログの極みであり、無骨なレバーとスイッチが所狭しと並んでいる。しかし、その無骨さこそが、過酷な戦場での信頼性に繋がっていた。運用データが示す通り、この騎体は少々の損傷では沈黙しない。装甲の継ぎ目に錆が浮き、関節部分からは微かに油が滲み出ているが、それでもなお、大地を蹴って駆けるその脚力は健在であり、現在の部隊においても若手騎士たちの憧れの的であり、同時に、この機体を乗りこなすことこそが一人前の証であるという不文律すら存在している。

とはいえ、配備当初より、標準で対魔法装備の欠如が難点だという声もある。当時の戦術思想において、DLは圧倒的な物理的突破力を期待されており、魔法防御は二の次とされていたからだ。しかし、時代の変化とともに魔法使いが戦力として運用されると、その脆弱性は致命的な弱点として浮き彫りになった。敵の術式の一撃で霊子回路が焼き切られ、制御不能に陥る機体が続出したのである。

その対策として、追加装備で耐熱/魔法の盾を加えることとなる。現場の整備兵たちが涙ぐましい努力で考案した、現地改修型の強化装甲板である。これを左腕にマウントすることで、飛来する火球や氷柱を弾き、あるいは衝撃を拡散させることが可能となった。

結果、武器を両手で運用出来ないことに起因する、攻撃力の頭打ちと引替えに、安定して戦場でDLの数を揃えることを可能とした。

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