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第47話 悪役なら友達を作らない

 恋愛相談役。


 そんな意味不明な噂まで流れ始めた。


「……。」


 もう限界だ。


 悪役に友達など必要ない。


 これからは誰とも関わらない。


 そう決めた。


 翌日。


 教室へ入る。


「男爵様!」


「おはようございます!」


「アルベルト!」


 三方向から声が飛ぶ。


 リリア。


 王女。


 ルーク。


「……。」


 無視だ。


 今日は絶対に話さない。


 席へ座る。


「男爵様。」


 リリアが机の横へ立つ。


「昨日の宿題なんですが。」


「知らん。」


「ありがとうございます!」


「?」


 何を感謝してる。


「自分で考えろってことですよね!」


「違う。」


 しまった。


 返事をした。


「ほら!」


 ルークが笑う。


「やっぱ返してくれるじゃねぇか!」


「……。」


 また失敗だ。


 その時。


 教師が教室へ入ってくる。


「皆さん、おはようございます。」


「今日は来月行われる学院交流祭について説明します。」


 交流祭。


 教室が一気にざわつく。


「楽しみ!」


「他の学院も来るんだよね!」


「模擬店とかあるらしい!」


 教師が黒板へ文字を書く。


『二人一組』


「交流祭では二人一組で行動していただきます。」


「ペアは自由です。」


 その瞬間。


 教室中が騒ぎになった。


「一緒に回ろう!」


「もちろん!」


「もう決まり!」


「……。」


 関係ない。


 俺は一人で行動する。


 教師が苦笑する。


「一人は駄目です。」


「……。」


「必ず誰かと組んでください。」


 最悪だ。


 すると。


「男爵様!」


 リリアが勢いよく立ち上がる。


「私と!」


「殿下!」


 王女も負けじと立ち上がる。


「私とお願いいたします。」


「アルベルト!」


 ルークまで机を叩いた。


「俺だろ!」


 一瞬で。


 三人の視線が俺へ集まる。


「……。」


 面倒だ。


「誰とも組まん。」


「ですが!」


 教師が困った顔をする。


「規則です。」


「……。」


 仕方ない。


 悪役らしく決めよう。


「なら。」


 三人を見る。


「くじ引きだ。」


「「「え?」」」


「誰でもいい。」


 そう言い放つ。


 これなら。


 三人とも呆れる。


 嫌われる。


 そう思った。


 しかし。


「男爵様らしいですね。」


 王女が微笑む。


「公平です。」


「さすが男爵様!」


 リリアも笑顔だ。


「誰も傷付かない方法ですね!」


「アルベルト!」


 ルークは親指を立てる。


「そういうとこ好きだ!」


「……。」


 違う。


 ただ面倒だっただけだ。


 その日の放課後。


 学院中には新たな噂が流れていた。


『男爵様、交流祭の相手を公平に決めるため、くじ引きを提案したらしい。』


『優しすぎる……。』


『普通なら好きな人を選ぶのに。』


「……。」


 俺は静かに空を見上げる。


 交流祭。


 絶対に。


 一人で回ってやる。

第47話を読んでいただきありがとうございます!


今回は学院交流祭編への導入回でした。


新しいイベントの始まりとともに、アルベルトを巡る関係も少しずつ動き始めます。


「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、ぜひブックマーク、★★★★★評価で応援していただけると、とても励みになります!


感想やレビューもお気軽にお待ちしております!


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