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第4話 領民から金を搾り取れ

第4話です。


今回は屋敷を飛び出し、領民たちが初めて本格的に登場します。


悪役として嫌われる計画は、果たして成功するのでしょうか。もちろん主人公は成功するつもりです。

 屋敷の使用人は駄目だった。


 庭師も駄目だった。


 なら次だ。


「悪役貴族と言えば税金だろ。」


 前世のゲームでも、アルベルトは領民から重税を課していた。


 これなら間違いなく嫌われる。


「エレナ。」


「はい、坊ちゃま。」


「領地を見て回る。」


「かしこまりました。」


 馬車に乗り、屋敷を出る。


 窓の外には畑が広がり、あちこちで領民たちが働いていた。


 俺の姿を見ると、一斉に頭を下げる。


「坊ちゃま、おはようございます!」


「……。」


 笑顔だ。


 その笑顔を絶望へ変えてやる。


 馬車を止め、一人の老人の前へ立つ。


「お前。」


「は、はい。」


「今年の税を増やす。」


 周囲が静まり返った。


 当然だ。


 悪役らしい一言だからな。


「収穫量の三割。」


 領民たちは顔を見合わせる。


 よし。


 これだ。


 これが悪役だ。


「文句があるなら言ってみろ。」


 老人は震えながら口を開いた。


「坊ちゃま……。」


「なんだ。」


「ようやく……決断してくださったのですね。」


「……?」


「今年は豊作です。」


 老人はゆっくり頭を下げた。


「余った作物を倉庫にしまっても腐らせるだけでした。」


「……。」


「三割を男爵家が買い上げてくださるなら、皆助かります。」


「…………は?」


「市場まで運ぶ手間もなくなります!」


「ありがとうございます!」


「坊ちゃまのおかげで安心して冬を迎えられます!」


 周囲の領民まで頭を下げ始めた。


 拍手まで起きている。


「違う。」


 俺は思わず口を開く。


「俺は税を増やすと言ったんだ。」


「はい!」


「だから感謝する話じゃない。」


「領民の生活を考えてくださるなんて……。」


 老人は目に涙を浮かべていた。


「先代様でも、ここまで私たちのことは考えてくださいませんでした。」


「……。」


 なんなんだ。


 なんでそうなる。


 すると隣にいたエレナが小さく頷く。


「坊ちゃま。」


「なんだ。」


「税という名目で余剰作物を回収し、冬に食糧として配給するお考えなのですね。」


「違う。」


「さすがです。」


「違うと言ってるだろ。」


「皆様も安心されたようです。」


 話を聞け。


 俺はただ嫌われたかっただけなんだ。


 その日の夕方。


 屋敷へ戻ると執事が深々と頭を下げていた。


「坊ちゃま。」


「今度は何だ。」


「本日のお話を聞いた商人たちから、『ぜひ男爵家と取引したい』との申し出が殺到しております。」


「…………。」


「領民を守る男爵家なら信用できる、と。」


 俺は天井を見上げた。


 悪役になろう。


 そう決めてから今日で四日。


 使用人には感謝され。


 庭師には尊敬され。


 今度は領民と商人にまで好かれた。


「……なんでだ。」


 誰も答えてはくれなかった。

第4話をご覧いただきありがとうございます!


少しずつアルベルトの勘違いが領地全体へ広がり始めました。


少しでも「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、ぜひブックマーク、★★★★★評価をよろしくお願いいたします!


感想やレビューも作者の励みになりますので、お気軽に書いていただけると嬉しいです!


次回もよろしくお願いいたします!

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