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第127話 悪役なら世界を救うために戦う

古代文明の塔。


 世界の魔力を集める巨大装置。


 その前に。


 アステルが立っていた。


「始めましょう。」


「この世界を救うために。」


「……。」


 俺は構える。


 後ろには。


 リリア。


 セレナ。


 レオンハルト。


 そして。


 世界共同調査団の仲間たち。


「アルベルト。」


 魔王が言う。


「今回だけは。」


「一人で終わらせるな。」


「……。」


 分かっている。


 もう。


 昔とは違う。


「行くぞ。」


 魔法生命体が動く。


 巨大な腕。


 塔全体が揺れる。


「防御!」


 クラウス隊長が叫ぶ。


 騎士団が盾を構える。


 リリアが光魔法を展開。


「これ以上は通しません!」


 セレナが氷の魔法で足元を止める。


「動きを封じます!」


 魔王軍も攻撃を開始する。


「魔族の力を!」


 黒い魔力。


 しかし。


 魔法生命体は倒れない。


「無駄です。」


 アステルが言う。


「これは世界中の魔力を集めた存在。」


「一つの国の力では止められません。」


「……。」


 なるほど。


 だから。


 世界規模で集めた。


「なら。」


 俺は言う。


「世界規模で止める。」


「?」


 通信魔法。


 各国へ繋がる。


「聞こえるか。」


 世界共同調査団。


 全員が反応する。


『アルベルト男爵!』


「魔法陣の中心を確認した。」


「各地点の魔力供給を逆流させる。」


「協力しろ。」


『了解!』


 人間国家。


 魔族領。


 隣国。


 獣人国家。


 全ての魔力が繋がる。


「ありえない……。」


 アステルが呟く。


「敵対していた国々が。」


「これほど簡単に協力するなんて。」


「……。」


 俺は答える。


「簡単じゃない。」


「?」


「時間がかかった。」


「争いもあった。」


「でも。」


「変わることはできる。」


 アステルは黙る。


「あなたは。」


「それを信じているのですか。」


「ああ。」


 即答。


「人間も。」


「魔族も。」


「間違える。」


「でも。」


「変わることもできる。」


「……。」


 魔法生命体が再び攻撃。


 今度は。


 全員の力で受け止める。


「アルベルト様!」


 リリアが叫ぶ。


「中心部が開きました!」


「行く。」


 塔の中心。


 アステルの魔法装置。


「止めます。」


「……。」


 アステルが前に立つ。


「ならば。」


「最後は。」


「私自身が相手になります。」


 白い魔力。


 今までで最大。


「私は。」


「この世界を救いたい。」


「……。」


「だから。」


「あなたを止める。」


 俺は拳を握る。


「なら。」


「俺も。」


「お前を止める。」


「なぜ。」


「同じく。」


「世界を救いたいからですか?」


「違う。」


「……。」


「俺の周りの人間が。」


「困るからだ。」


 アステルは。


 一瞬。


 目を見開いた。


「……。」


 そして。


 最後の戦いが始まった。

第127話を読んでいただきありがとうございます!


最終決戦が本格的に始まりました。


アステルは「世界全体を救う」という考え。


アルベルトは「目の前の人を守る」という考え。


同じようで違う二人の答えがぶつかります。

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