第125話 悪役なら世界共同調査団を率いる
世界共同調査団。
名前だけ聞けば。
非常に立派だ。
しかし。
「……。」
俺の机には。
また。
大量の書類。
「多い。」
即答。
リリアが苦笑する。
「まだ結成したばかりですよ。」
「だからだ。」
「?」
「始まったばかりでこの量なら。」
「先が思いやられる。」
セレナが書類を見る。
「確かに。」
「各国の報告書。」
「魔法研究資料。」
「移動予定。」
「かなりありますね。」
「……。」
魔王レオンハルトも隣でため息を吐く。
「魔王になった時より忙しい気がする。」
「なぜ受けた。」
「君がいるからだ。」
「……。」
意味が分からない。
調査団の最初の目的。
黒魔法の発生地点を調べる。
各国から集められた情報。
地図へ印を付ける。
「……。」
俺は地図を見る。
「おかしい。」
「何がですか?」
リリアが覗き込む。
「黒魔法の場所。」
「全部。」
「中心から離れている。」
「中心?」
セレナが聞く。
「ああ。」
「これは。」
「何かを囲んでいる。」
地図上。
複数の事件。
王国。
魔王領。
隣国。
その位置を線で結ぶ。
「……。」
一つの形になる。
「巨大な魔法陣。」
全員が息を呑む。
「世界そのものを。」
「魔法陣にしている?」
魔王が呟く。
「可能性が高い。」
その時。
調査員が駆け込む。
「報告です!」
「新たな黒魔法反応!」
「場所は。」
「大陸中央部。」
「未所属地域です!」
「……。」
未所属地域。
地図を見る。
中心。
まさに。
魔法陣の中心部分。
「行く。」
俺は立ち上がる。
リリアが笑う。
「早いですね。」
「早く終わらせる。」
「はい。」
未所属地域。
そこは。
誰も支配していない荒野。
しかし。
到着すると。
そこには。
巨大な塔が建っていた。
「……。」
古代文明の建造物。
黒い魔力が漏れている。
「ここが。」
セレナが呟く。
「敵の本拠地かもしれません。」
塔の入口。
一枚の扉。
そこには文字。
『世界を変える者へ』
「……。」
嫌な予感。
扉が開く。
中には。
一人の人物。
白い服。
穏やかな笑顔。
「ようこそ。」
「アルベルト・フォン・グランディア。」
「……。」
「待っていました。」
「お前は誰だ。」
男は笑う。
「私は。」
「この世界を救う者です。」
「……。」
また。
同じようなことを言う。
「そして。」
「あなたの存在こそ。」
「私の計画に必要なのです。」
「……。」
俺はため息を吐く。
「またか。」
世界の中心で。
最後の敵との出会いが始まった。
第125話を読んでいただきありがとうございます!
世界各地の事件が一つの魔法陣へ繋がっていることが判明しました。
そしてついに、黒魔法を操る存在の中心人物が登場。
アルベルトにとって最後の大きな問題へ近づいていきます。




