第123話 悪役なら隣国の危機を終わらせる
レイヴェル王国。
王城内部。
黒い鎧を纏った敵。
その魔力は。
今まで戦った者たちと同じ系統だった。
「また黒い魔法か。」
俺は呟く。
「あなたは。」
敵の男が笑う。
「本当に理解していない。」
「何を。」
「この力こそが。」
「世界を正しく導くものだ。」
「……。」
聞き飽きた。
「お前たちは。」
「いつも同じことを言う。」
「力があれば。」
「世界は変わる。」
「だが。」
「その力で。」
「誰かを傷つける。」
男の魔力が膨れる。
「ならば。」
「あなたを倒し。」
「証明する。」
「……。」
攻撃。
黒い雷。
王城の床が砕ける。
「カイル!」
「分かっている!」
第一王子が騎士たちを指揮する。
「王女を守れ!」
「はい!」
エリシア王女も魔法を展開。
「私も戦います。」
「危険だ。」
俺が言う。
「分かっています。」
王女は答える。
「ですが。」
「この国の問題を。」
「誰かに任せるだけにはできません。」
「……。」
以前なら。
俺一人で終わらせていた。
だが。
今は違う。
「なら。」
「頼む。」
エリシア王女が少し驚く。
「……。」
「はい。」
敵が叫ぶ。
「なぜだ!」
「なぜ君は!」
「他人を頼る!」
「力があるなら!」
「一人で全てできるだろう!」
俺は答える。
「できる。」
「……。」
「だが。」
「一人でやる必要はない。」
魔力がぶつかる。
黒い力。
白い力。
「カイル!」
「任せろ!」
王子の剣が敵の魔法を逸らす。
「エリシア!」
「結界を張ります!」
隙ができる。
「今だ。」
俺は前へ出る。
「馬鹿な!」
「一人で来るのか!」
「違う。」
「……。」
「全員で作った隙だ。」
拳を握る。
黒い鎧へ。
一撃。
ドォン!
魔力が弾ける。
「……。」
敵の鎧が砕ける。
「ありえない。」
「私の力が。」
「……。」
男は倒れる。
そして。
持っていた黒い魔石が割れた。
中から。
一つの映像が浮かぶ。
『計画は順調だ』
『アルベルトが動けば動くほど』
『世界は一つになる』
「……。」
知らない声。
しかし。
聞き覚えがある。
「まだ黒幕がいるのか。」
セレナが険しい顔になる。
「これまでの事件。」
「全て裏で操っている存在が?」
「……。」
カイル王子が言う。
「世界規模の組織かもしれない。」
エリシア王女も頷く。
「なら。」
「止めなければ。」
「……。」
また。
面倒な話だ。
しかし。
俺は思う。
以前なら。
ここで帰ろうとしていた。
でも。
今は。
「調べる。」
全員が笑う。
「やっぱり。」
「何だ。」
「いえ。」
こうして。
隣国の政変は終わった。
しかし。
世界の裏で動く存在。
その正体は。
まだ見えない。
そして。
王国へ戻った俺を待っていたもの。
それは。
『緊急召集』
『世界連合会議の開催』
「……。」
俺は手紙を見る。
「世界か。」
ため息。
「規模が大きくなりすぎだ。」
第123話を読んでいただきありがとうございます!
隣国編の戦いが決着しました。
しかし、これまでの事件の裏にはさらに大きな存在がいることが判明。
アルベルトの関わる範囲は、ついに一つの国から世界規模へ広がっていきます。




