第122話 悪役なら隣国王城を守る
レイヴェル王国。
王城内部。
黒い魔法陣が広がっていく。
「これは……。」
エリシア王女が顔を青くする。
「王城全体を覆う結界です。」
カイル王子が剣を構える。
「敵は。」
「城を制圧するつもりか。」
「違う。」
俺は魔法陣を見る。
「目的は。」
「王族じゃない。」
「……。」
全員がこちらを見る。
「この魔法陣。」
「城の地下へ向かっている。」
セレナが驚く。
「地下?」
「ああ。」
「何かを探している。」
黒装束の男が笑う。
「さすがですね。」
「アルベルト男爵。」
「あなたは本当に。」
「隠されたものを見つける。」
「……。」
「王国にも。」
「魔王領にも。」
「そして。」
「この国にも。」
「何が目的だ。」
男は魔石を掲げる。
「古代王家の秘宝。」
「それを手に入れれば。」
「この国の力を超える。」
「……。」
また。
力。
支配。
同じだ。
「お前たちは。」
「本当に学ばないな。」
「何?」
「力を手に入れれば。」
「全部解決すると思っている。」
男の表情が変わる。
「力があれば。」
「世界は変えられる。」
「違う。」
俺は魔法陣へ近付く。
「力だけでは。」
「人は動かない。」
「……。」
「恐怖で従わせても。」
「いつか壊れる。」
魔法陣へ手を置く。
「解除する。」
「無理です!」
エリシア王女が叫ぶ。
「これは古代式魔法です!」
「知っている。」
「ならなぜ……。」
「面倒だからだ。」
全員が黙る。
「このまま放置すると。」
「もっと面倒になる。」
「……。」
魔力を流す。
黒い魔法陣。
その流れを読む。
「ここ。」
一箇所。
魔力の中心。
「見つけた。」
黒い魔石を砕く。
バキン。
魔法陣が消えていく。
「な……。」
黒装束の男が後退する。
「一瞬で……。」
カイル王子が呟く。
「やはり。」
「彼は規格外だな。」
「……。」
しかし。
男は笑う。
「なるほど。」
「ならば。」
「直接あなたを倒すしかない。」
魔力が膨れ上がる。
黒い鎧。
仮面の男と同じ系統。
「またか。」
俺はため息を吐く。
「何度来ても。」
「結果は同じだ。」
男が襲い掛かる。
しかし。
「アルベルト様。」
エリシア王女が前へ出る。
「私たちも戦います。」
「危険だ。」
「分かっています。」
カイル王子も剣を構える。
「これは我々の国の問題だ。」
「あなた一人に任せるわけにはいかない。」
「……。」
少し考える。
「分かった。」
人間魔族だけではない。
隣国とも。
共に戦う。
それが今の時代なのかもしれない。
「行くぞ。」
王城を揺らす戦いが始まった。
第122話を読んでいただきありがとうございます!
隣国での事件が本格化しました。
アルベルトだけではなく、カイル王子やエリシア王女も自分たちの国を守るために戦います。
これまで広がってきた「協力」というテーマが、隣国編でも描かれていきます。




