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第121話 悪役なら隣国の争いに巻き込まれる

 王城。


 朝。


 いつものように。


 静かな時間を過ごそうとしていた。


「……。」


 紅茶。


 庭。


 完璧だ。


 そう思った瞬間。


「男爵様。」


 リリアが来た。


「隣国から緊急連絡です。」


「……。」


 予想通り。


「内容は。」


 セレナが手紙を読む。


「隣国レイヴェル王国で。」


「王位継承を巡る争いが発生。」


「一部の貴族が。」


「第一王子カイル様と第二王女エリシア様を排除しようとしているようです。」


「……。」


 面倒だ。


 非常に面倒だ。


「関係ない。」


 即答。


 リリアが苦笑する。


「でも。」


「エリシア王女は昨日までここにいましたよ。」


「……。」


「あなた自身が案内していました。」


「……。」


 そこを言われると。


「さらに。」


 セレナが続ける。


「隣国との関係悪化は。」


「王国にも影響があります。」


「……。」


 なるほど。


 放置すると。


 後でさらに面倒になる。


「調査する。」


 リリアが笑う。


「やっぱり行くんですね。」


「違う。」


「?」


「問題を早く消すだけだ。」


「はい。」


 数日後。


 隣国レイヴェル王国。


 王都。


 しかし。


 前回来た時とは空気が違った。


 兵士が増えている。


 街も緊張している。


「……。」


 カイル王子が迎えに来る。


「アルベルト男爵。」


「来てくれたか。」


「状況は。」


「父上が病に倒れ。」


「一部の貴族が。」


「国を変えると言って動いている。」


「……。」


「裏には?」


 カイル王子が表情を変える。


「やはり気付くか。」


「?」


「黒い魔法の痕跡がある。」


「……。」


 また。


 黒い魔法。


 仮面の男。


 古代魔王事件。


 全部が繋がっている。


「敵の目的は。」


「おそらく。」


「国を混乱させること。」


「……。」


 エリシア王女も来る。


「アルベルト様。」


「ありがとうございます。」


「礼はいらない。」


「……。」


「あなたは変わりませんね。」


「当然だ。」


 その時。


 城内から爆発音。


 ドォン!


「!」


「始まったか!」


 カイル王子が剣を抜く。


 騎士たちが走る。


「王城内部へ侵入者!」


「敵は魔法を使用!」


「……。」


 俺はため息を吐く。


「また黒魔法か。」


 奥から。


 一人の男が現れる。


 黒い装束。


 手には魔石。


「初めまして。」


「アルベルト・フォン・グランディア。」


「……。」


「あなたは。」


「本当にどこへ行っても邪魔をしますね。」


「誰だ。」


 男は笑う。


「我々は。」


「世界の流れを変える者。」


「そして。」


「あなたを止める者です。」


「……。」


 また。


 同じようなことを言う。


「お前たちは。」


「世界を変えると言う割に。」


「やることは。」


「毎回騒ぎを起こすだけだな。」


 男の笑顔が消える。


「……。」


「その考え。」


「いつまで続くか試しましょう。」


 魔石が光る。


 隣国の王城を包む黒い魔法陣。


「来るぞ。」


 カイル王子が構える。


 エリシア王女も杖を持つ。


 そして。


 俺は思う。


「……。」


 静かな生活。


 また遠のいた。

第121話を読んでいただきありがとうございます!


隣国編が本格的に始まりました。


レイヴェル王国の政変にも、これまで登場した黒い魔法の影が関わっていることが判明。


アルベルトはまたしても本人の意思とは関係なく、大きな事件の中心へ向かいます。

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