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第118話 悪役なら国の会議に参加する

 王城。


 最高評議会。


 名前だけ聞けば。


 ものすごく重要な場所だ。


 そして。


 俺は。


「……。」


 椅子に座っていた。


 最悪だ。


「ようこそ。」


 国王が笑う。


「今日から君も評議会の一員だ。」


「帰る。」


 即答。


 周囲の貴族が驚く。


「今来たばかりですよ!?」


「関係ない。」


「関係あります!」


 リリアが慌てる。


「男爵様。」


「これは国の重要な会議です。」


「だから嫌なんだ。」


 セレナが苦笑する。


「理由が完全に逆ですね。」


 最高評議会。


 王国の政策を決める場所。


 本来なら。


 長年の経験を持つ大貴族。


 騎士団長。


 魔法長官。


 そういう者たちが集まる。


 そこに。


 若い男爵。


 場違いにもほどがある。


「では。」


 議題へ入りましょう。


 一人の貴族が書類を開く。


「まず。」


「魔族との正式な条約について――」


「長い。」


「……。」


 全員が止まる。


「まだ始まっていませんが。」


「説明が長い。」


「必要な部分だけ言え。」


「……。」


 リリアが頭を抱える。


「またやりましたね。」


「?」


「普通は言いません。」


「だが。」


「事実だ。」


 しかし。


 意外にも。


 魔王側の代表が頷いた。


「確かに。」


「我々も同じ問題を感じていた。」


「……。」


 人間側の貴族も。


「説明資料が多すぎる。」


「決定まで時間がかかる。」


「……。」


 また。


 変な方向へ進む。


「なら。」


 俺は言う。


「重要事項だけ決めろ。」


「細かい部分は担当者に任せる。」


「責任の所在だけ明確にしろ。」


 沈黙。


 そして。


 国王が笑った。


「なるほど。」


「君らしい改革案だ。」


「……。」


 また評価された。


 違う。


 ただ早く終わらせたいだけだ。


 会議後。


 廊下。


「男爵様。」


 リリアが言う。


「評議会でも変わりませんね。」


「何が。」


「普通なら。」


「緊張して発言できない場所です。」


「……。」


 セレナも続く。


「でも。」


「あなたは。」


「必要なら王でも貴族でも関係なく言う。」


「……。」


「怖くないんですか?」


 少し考える。


「怖い?」


「ああ。」


「失敗すれば。」


「国に影響するかもしれません。」


「……。」


 確かに。


 だが。


「だから。」


「余計なことを減らす。」


「……。」


 二人は笑う。


「やっぱり。」


「あなたですね。」


 その日の夜。


 評議会で決められた新政策。


 王都中へ広まった。


『アルベルト男爵の提案により』


『行政手続きの大幅な簡略化を実施』


「……。」


 翌日の新聞。


 また名前が載っている。


「なぜだ。」


 俺は新聞を置く。


 その時。


 新たな報告が届く。


「男爵様。」


 騎士が慌てて入ってくる。


「隣国から。」


「緊急の使者です。」


「……。」


「内容は。」


 騎士が答える。


「アルベルト男爵との。」


「直接会談を希望しているとのことです。」


「……。」


 嫌な予感。


 また。


 面倒なことが始まる。

第118話を読んでいただきありがとうございます!


新章「最高評議会編」開始です!


アルベルトは本人の意思とは関係なく、ついに国の意思決定へ関わる立場になりました。


しかし本人は相変わらず「早く静かな生活に戻りたい」と考えています。


次回、隣国との外交編へ進みます!

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