表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/55

第11話 王女との初対面

王女が現れた。


 会場にいた全員が頭を下げる。


 もちろん俺も……。


「いや。」


 悪役だぞ。


 ここで頭を下げるなんてありえない。


 俺は腕を組んだまま、その場に立っていた。


 周囲がざわつく。


「男爵様……?」


「まさか。」


「王女殿下に……。」


 よし。


 いい反応だ。


 このまま不敬罪で睨まれれば完璧だ。


 王女はゆっくり俺の前まで歩いてくる。


 静まり返る会場。


 そして。


「初めまして。」


 柔らかな笑みを浮かべた。


「アルベルト・フォン・グランディア男爵ですね。」


「そうだ。」


 最低限だけ答える。


 愛想なんて必要ない。


「お噂は以前から聞いております。」


「悪い噂なら嬉しい。」


 ぼそりと呟く。


 しかし王女は聞こえなかったのか、そのまま続けた。


「領民のために自ら悪者を演じる貴族がいる、と。」


「違う。」


「そのような生き方は、とても勇気のいることです。」


「だから違う。」


 まただ。


 どうして誰も話を聞かない。


「ふふっ。」


 王女は小さく笑う。


「照れなくても大丈夫ですよ。」


「照れてない。」


「本当にお優しい方なのですね。」


「……。」


 終わった。


 王女まで勘違いしている。


 すると王女は少しだけ声を潜めた。


「実は。」


「なんだ。」


「ぜひ一度、お話ししてみたいと思っていたのです。」


「断る。」


 即答した。


 悪役が王女と仲良くしてどうする。


 ところが。


「……!」


 王女はなぜか少し頬を赤くした。


「そんなに簡単には近づかせてくださらないのですね。」


「?」


「ですが、ますます興味が湧きました。」


 周囲の貴族たちがざわめく。


「王女殿下が……。」


「自らお話を……。」


「さすが男爵様だ。」


 何がさすがなんだ。


 理解できない。


「では。」


 王女は優雅に一礼する。


「またお会いしましょう。」


「ああ。」


 適当に返事をする。


 王女は嬉しそうに微笑み、その場を離れていった。


 それを見送った瞬間。


「坊ちゃま。」


 レオンが真顔で口を開く。


「王女殿下が笑顔で帰られました。」


「そうだな。」


「奇跡です。」


「大げさだ。」


「いえ。」


 レオンは首を横に振る。


「王女殿下は初対面の男性に、あそこまで親しげに話しかける方ではありません。」


「そうなのか。」


「ええ。」


 だから何だ。


 俺には関係ない。


 俺は悪役になる。


 それだけだ。


 そんな俺の決意とは裏腹に。


 舞踏会ではすでに新たな噂が広がり始めていた。


『王女殿下が唯一心を開いた貴族。』


 そんな、とんでもない噂が。

第11話を読んでいただきありがとうございます!


ついに王女との初対面となりました。


ここから王都でも勘違いがさらに広がっていきます。


「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、ぜひブックマークや**★★★★★評価**で応援していただけると嬉しいです!


感想やレビューもお気軽にお待ちしております!


次回もよろしくお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ