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第107話 悪役なら世界を救う旅に出る

 古代魔王封印地。


 そこへ向かうため。


 俺たちは魔王領の北東部へ向かっていた。


 同行者。


 魔王レオンハルト。


 四天王ルシア。


 王国騎士団クラウス。


 王女。


 リリア。


 セレナ。


 そして俺。


「……。」


 人数が多い。


 多すぎる。


「何だ。」


 リリアが笑う。


「いえ。」


「以前なら絶対に一人で行くと言っていたので。」


「……。」


 否定できない。


「今回は。」


 セレナが続ける。


「最初から仲間を受け入れていますね。」


「必要だからだ。」


「はい。」


 セレナは微笑む。


「そういうことにしておきます。」


 ……。


 山道。


 封印地へ近付くほど。


 空気が重くなる。


「この先です。」


 ルシアが指差す。


 巨大な黒い山。


「古代魔王は。」


「この地下深くに封印されています。」


「……。」


 その時。


 地面が揺れた。


 ドォン。


 ドォン。


「!」


 全員が警戒する。


 山の一部が崩れる。


 そして。


 巨大な魔物が現れた。


「封印を守る番人です。」


 魔王が言う。


「昔から存在する古代魔獣。」


「……。」


 大きい。


 かなり。


 リリアが杖を握る。


「全員で戦いましょう。」


 俺は前へ出ようとする。


 すると。


「待ってください。」


 リリア。


「?」


「今回は。」


「私たちも先に動きます。」


「……。」


 セレナも頷く。


「いつもあなたが全部終わらせていましたから。」


「少しくらい。」


「頼ってください。」


「……。」


 少し考える。


「分かった。」


 魔王が驚く。


「素直に認めるとは。」


「何だ。」


「いや。」


「君は変わったな。」


「違う。」


「違わない。」


 魔獣が咆哮する。


「来ます!」


 戦闘開始。


 クラウス隊長が前衛。


「騎士団!」


「防御陣形!」


 魔族兵が援護する。


「魔王軍!」


「魔力砲撃!」


 リリアとセレナ。


「光束!」


「氷結槍!」


 二つの魔法が魔獣を拘束する。


「今です!」


 全員の視線が俺へ向く。


「……。」


 最後だけ。


 俺の役割。


「分かった。」


 魔力を集中。


 しかし。


 以前のような一撃ではない。


 周囲の魔力。


 仲間の力。


 全部を合わせる。


「これで終わりだ。」


 一撃。


 魔獣は崩れ落ちる。


 静寂。


「……。」


 魔王が呟く。


「見事だ。」


「だが。」


「以前とは違うな。」


「?」


「一人の力ではない。」


「……。」


 俺は黙る。


 確かに。


 今回。


 俺一人ではなかった。


 その事実に。


 少しだけ。


 悪くないと思った。


 そして。


 魔獣の消滅した場所。


 巨大な扉が現れる。


『古代魔王封印領域』


 文字が浮かぶ。


「ここから先。」


 魔王が言う。


「後戻りはできない。」


 俺は扉を見る。


「……。」


 面倒だ。


 だが。


 行くしかない。


 扉を開く。


 その先。


 暗闇の中で。


 二つの赤い目が開いた。


「久しいな。」


 低い声。


「人間と魔族が共に来るとは。」


「……。」


「面白い。」


「我を倒しに来たか。」


 古代魔王。


 復活の時が。


 近づいていた。

第107話を読んでいただきありがとうございます!


古代魔王封印地への旅が始まりました。


今回はアルベルトが少しずつ「一人で戦う」から「仲間と共に戦う」へ変化している部分を描きました。


そしてついに古代魔王と対面。


次回、最終決戦の幕が上がります!

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