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第103話 悪役なら魔王の悩みを聞かない

 魔王城。


 広大な謁見の間。


 玉座に座る魔王。


 その前に俺たちは立っていた。


「改めて。」


 魔王レオンハルトが口を開く。


「来てくれて感謝する。」


「……。」


 俺は腕を組む。


「それで。」


「何が問題だ。」


 魔王は少し驚いた顔をする。


「話が早いな。」


「長話は嫌いだ。」


「……。」


 ルシアが小さく笑う。


「本当に噂通りですね。」


 魔王は立ち上がる。


「現在。」


「魔王領では。」


「魔力の異常現象が発生している。」


「異常?」


 セレナが尋ねる。


「ああ。」


 魔王は地図を広げる。


「各地の魔力源が。」


「少しずつ枯れている。」


「魔物も凶暴化している。」


「……。」


 北部。


 王都。


 そして魔王領。


「繋がっている可能性は?」


 俺が聞く。


 魔王は頷く。


「高い。」


「以前。」


「王国で起きた事件についても調べていた。」


「黒い魔法。」


「古代式の術式。」


「……。」


 仮面の男。


 やはり。


 同じものか。


「奴らの目的は。」


「魔力そのものだ。」


 魔王は言う。


「世界中の魔力を集め。」


「何かを復活させようとしている。」


「……。」


 リリアが不安そうな顔になる。


「復活?」


「何をですか?」


 魔王は答える。


「古代魔王。」


 空気が変わる。


「数千年前。」


「この世界を滅ぼしかけた存在だ。」


「……。」


 また。


 面倒な話になった。


「なら。」


 俺は言う。


「そいつを倒せばいい。」


 全員がこちらを見る。


「簡単に言いますね。」


 セレナが呆れる。


「問題は。」


「場所も。」


「方法も。」


「分かっていないことです。」


「……。」


 そうか。


 面倒だ。


 魔王が少し笑った。


「君は本当に変わっている。」


「?」


「普通。」


「古代魔王の話を聞けば恐れる。」


「しかし君は。」


「倒せばいいと言う。」


「違う。」


「邪魔なら消すだけだ。」


 魔王は目を細める。


「なるほど。」


「だから君は強いのかもしれないな。」


「……。」


 その時。


 城内へ警報が鳴り響いた。


 ゴォォン。


 ゴォォン。


「緊急報告!」


 魔族兵が駆け込む。


「西部魔力鉱山にて。」


「巨大な魔力反応!」


「さらに……。」


 兵士が息を呑む。


「黒い魔法陣を確認しました!」


「……。」


 魔王の表情が変わる。


「始まったか。」


「奴らが。」


 俺はため息を吐く。


「……。」


 せっかく遠くまで来たのに。


 また戦いか。


 ルシアが剣を抜く。


「出撃します。」


 魔王も頷く。


「アルベルト。」


「君にも頼みたい。」


「……。」


 悪役なら。


 断る。


 しかし。


 黒い魔法陣。


 仮面の男。


 王都。


 北部。


 全部繋がっている。


「分かった。」


 魔王が少し笑う。


「ありがとう。」


「勘違いするな。」


「?」


「早く終わらせたいだけだ。」


 リリアが微笑む。


「はい。」


「いつもの男爵様ですね。」


 魔王領西部。


 古代魔法陣。


 そして。


 復活へ向けて動き出す存在。


 新たな戦いが始まる。

第103話を読んでいただきありがとうございます!


魔王領で発生している異変の正体が少しずつ判明しました。


王都で起きた事件と、魔王領の異変は同じ黒幕によるもの。


世界規模の問題へと発展していきます。


次回、魔王領西部での調査が始まります!

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