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蛊真人  作者: 魏臣栋
魔头乱世
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第一百六十七節:炼得地魁尸蛊

狼群(ろうぐん)()()(あと)巨浪(きょろう)()(せき)うつが(ごと)く、福地(ふくち)山河(さんが)()(あら)われた。


方源(ほうげん)は淡々(たんたん)とした表情(ひょうじょう)で、天青狼王(てんせいろうおう)()端座(たんざ)し、脚下(きゃっか)()(ひろ)げられる無情(むじょう)殺戮(さつりく)(あた)眼中(がんちゅう)()きが(ごと)くに()ていた。


脑海(のうり)(なか)墨瑶(ぼくよう)意志(いし)(かす)かに(まゆ)をひそめた。


彼女(かのじょ)霊縁斎(れいえんさい)(そだ)てられた(ひと)りの仙姫(せんき)であり、正道(せいどう)人間(にんげん)である。


方源(ほうげん)が軽々(かるがる)しく(おお)きな殺生(せっしょう)(はたら)くのに(たい)して、()るべく歓喜(かんき)(かん)じる(はず)()い。


()少年(しょうねん)()偽装(ぎそう)して身分(みぶん)(かく)し、北原(ほくげん)蛊仙(こせん)()(まえ)王庭福地(おうていふくち)潜入(せんにゅう)するとは、(じつ)悍勇(かんゆう)鷹鳩(ようきゅう)のごとき人物(じんぶつ)だ。


(また)()()伝承(でんしょう)手掛(てが)かりを()き、仙蛊(せんこ)煉成(れんせい)するとは、(えにし)()り、()手段(しゅだん)非凡(ひぼん)なり。


(さら)()()()(くっ)し、(こと)()すべからざるを()れば(すなわ)妥協(だきょう)するとは、城府(じょうふ)(ふか)し!


()たして(なん)なる由来(ゆらい)人物(じんぶつ)なるか?」


墨瑶(ぼくよう)()一片(いっぺん)意志(いし)は、(おも)わず(あん)推測(すいそく)(はじ)めた。


彼女(かのじょ)近水楼台(きんすいろうだい)から()方源(ほうげん)脑海(のうり)()()いたばかりの(ころ)(たし)かに方源(ほうげん)(おお)くの(ねん)解析(かいせき)し、一時的(いちじてき)(すく)なからぬ秘密(ひみつ)()()た。


(しか)方源(ほうげん)反応(はんのう)敏速(びんそく)で、()ぐに対策(たいさく)(こう)じた(ため)()の後の進展(しんてん)(おも)(よう)には(はかど)らなかった。


(ゆえ)に、墨瑶(ぼくよう)意志(いし)()方源(ほうげん)秘密(ひみつ)は、(じつ)(すく)ないのである。


()(なか)には、方源(ほうげん)(みずか)(すす)んで(さら)した秘密(ひみつ)(ふく)まれている。


方源(ほうげん)春秋蝉(しゅんじゅうせん)(ゆう)する(こと)は、(いま)彼女(かのじょ)()るところでは()い。


方源(ほうげん)穿越者(うつりこしもの)であるという最大(さいだい)秘密(ひみつ)(いた)っては、(なお)(さら)()(よし)()い。


此処(ここ)()世界(せかい)なのだ。


墨瑶(ぼくよう)(すで)陨落(いんらく)し、(のこ)されたのは一片(いっぺん)意志(いし)()ぎない。


蛊虫(こちゅう)駆動(くどう)する(こと)出来(でき)以上(いじょう)墨瑶(ぼくよう)意志(いし)(あざむ)けるのは、方源(ほうげん)智道(ちどう)への造詣(ぞうけい)未熟(みじゅく)である(てん)だけである。


()れは到来(とうらい)したばかりで、(かれ)素性(すじょう)()らぬ。


()少年(しょうねん)(たし)かに意志堅固(いしけんご)で、(つよ)自主性(じしゅせい)()(ぬし)だ。


一旦(いったん)静観(せいかん)し、(かれ)をして近水楼台(きんすいろうだい)門派(もんぱ)返還(へんかん)させよう。


霊縁斎(れいえんさい)到着(とうちゃく)してから、(あらた)めて(かれ)(ぜん)(みちび)くも(おそ)くはあるまい……」


墨瑶(ぼくよう)意志(いし)本体(ほんたい)一片(いっぺん)知恵(ちえ)継承(けいしょう)しており、説得(せっとく)無駄骨(むなぼね)()るや、(ただ)ちに(くち)()じて沈黙(ちんもく)した。


地上(ちじょう)には(なん)抵抗(ていこう)勢力(せいりょく)()い。


方源(ほうげん)幽邃(ゆうすい)とした()で、(おもむ)ろに俯瞰(ふかん)する視線(しせん)(おさ)め、(おおかみ)背中(せなか)端座(たんざ)したまま、瞑目(めいもく)して精神(せいしん)(やしな)(はじ)めた。


(かれ)無差別(むさべつ)無実(むじつ)(ころ)(やから)では()い。


今日(こんにち)(おおかみ)(はな)って屠戮(とりく)()(ひろ)げたのには、(しか)るべき理由(りゆう)存在(そんざい)する。


()(いち)地下(ちか)(ひそ)地魁獣(ちかいじゅう)()れをおびき()(ため)


地魁獣(ちかいじゅう)野獣(やじゅう)たるを(もっ)てし、濃厚(のうこう)血腥(ちなまぐさ)気配(けはい)()()せられ、凶暴(きょうぼう)(さが)(はげ)しくして(みずか)地面(じめん)(あらわ)()る。


()()大量(たいりょう)殺戮(さつりょく)大量(たいりょう)魂魄(こんぱく)をもたらす。


王庭之争(おうていのあらそい)初頭(しょとう)より、方源(ほうげん)葬魂蟾(そうこんせん)(もっ)()れを収集(しゅうしゅう)(つづ)けてきた。


(かれ)蕩魂山(とうこんざん)(ゆう)し、()()(やま)完全(かんぜん)死滅(しめつ)しぬ(かぎ)り、此等(これら)魂魄(こんぱく)(おお)ければ(おお)(ほど)()いのである。


()(さん)()れは脑海(のうり)(ちゅう)墨瑶(ぼくよう)意志(いし)(たい)するもの、(また)試探(したん)(よう)()()る。


蛊師(こし)肆意(しい)斬殺(ざんさつ)する(こと)がもたらす悪劣(あくれつ)反響(はんきょう)(いた)っては、方源(ほうげん)怡然(いぜん)として(おそ)れない。


仮令(たとえ)(かれ)事前(じぜん)公告(こうこく)(はな)ち、(ひろ)周知(しゅうち)させるという布石(ふせき)()っていなかったとしても、


世論(せろん)沸騰(ふっとう)し、万人(ばんにん)怨念(おんねん)憎悪(ぞうお)渦巻(うずま)こうが、


(なん)()そうと()うのじゃろうか?


(かれ)凡俗(ぼんぞく)頂点(ちょうてん)()(もの)


()()(たか)狼王(ろうおう)常山陰(じょうざんいん)である!


最早(もはや)数年前(すうねんまえ)の、薄氷(はくひょう)()むが(ごと)小人物(しょうじんぶつ)では()いのだ。


()蛊仙(こせん)さえも(はい)()めぬ王庭福地(おうていふくち)(おい)て、


(かれ)一哮(いっこう)すれば、(よろず)蛊師(こし)(ふる)()がる。


(あし)(ひと)()()らせば、聖宮(せいきゅう)(うえ)(した)()たび()らぐ。


()(ひと)つの(ねん)(もよお)せば、狼群(おおかみむれ)呼嘯(こしょう)し、瞬時(またたく)にして千万里(せんばんり)血染(ちぞ)めにする。


地球(ちきゅう)一句(いっく)名言(めいげん)()る──


銃口(じゅうこう)(さき)政権(せいけん)()まれる」と。


拳骨(げんこつ)(かた)きは(すなわ)強権(きょうけん)


強権(きょうけん)()(まま)真理(しんり)なればなり!


(しかし)れども地球(ちきゅう)()っては、権力(けんりょく)(しゅう)(あつ)むるに()り。


暴力(ぼうりょく)拳骨(げんこつ)のみならず、大義(たいぎ)(もっ)()れを(おお)い、民心(みんしん)(もっ)(なご)むるを(よう)す。


(しこう)して此処(ここ)()っては、個人(こじん)(ちから)集団(しゅうだん)凌駕(りょうが)()る。


民心(みんしん)大義(たいぎ)脆弱(ぜいじゃく)たり。


(ほか)()くとして、(いま)方源(ほうげん)(もっ)()れを()かば——


民衆(みんしゅう)怨嗟(えんさ)など()った(こと)か! (いど)(もの)(ほろ)ぼし、()()わぬ(もの)皆殺(みなごろ)し!」


衆生(しゅじょう)睥睨(へいげい)し、民心(みんしん)()(にじ)り、自由自在(じゆうじざい)振舞(ふるま)快哉(かいさい)(かぜ)(ごと)し!


(ただ)方源(ほうげん)大道(だいどう)(こころざ)す。


みだりに(あり)(いのち)(もてあそ)(こと)に、(じつ)興味(きょうみ)()い。


今日(こんにち)大屠戮(だいとりく)も、()崇高(すうこう)目標(もくひょう)()かう一小步(いちしょうほ)()ぎない。


(もく)(まえ)目標(もくひょう)(おも)(えが)き、方源(ほうげん)(おもむ)ろに双眸(そうぼう)(ひら)いた。


()え――!


(ひと)(こえ)獣吼(じゅうこう)天駆(あまが)ける(くも)をすら()めんばかりに(ひび)(わた)る。


(はる)(とお)くの大地(だいち)()()がり、小山(こやま)(ごと)(おか)形成(けいせい)するや、(ごう)という一音(いちおん)(とも)土石(どせき)(ほとば)しり、()(なか)から(たか)五丈(ごじょう)(あま)地魁万獣王(ちかいばんじゅうおう)(おど)()た。


方源(ほうげん)双眸(そうぼう)寒光(かんこう)きらめき、()ややかに(わら)(ごえ)()らした。


(すなわ)()れと()めた。」


(ただ)ちに狼群(おおかみむれ)指揮(しき)攻撃(こうげき)開始(かいし)させた。


刹那(せつな)(かれ)脑海(のうり)には(ねん)()()び、細雨(さいう)(ごと)()()なく()(そそ)いだ。


高空(こうくう)より俯瞰(ふかん)すれば、(よろず)(おおかみ)奔騰(ほんとう)し、(うしお)(ごと)く滔々(とうとう)と()()せ、()場面(ばめん)(じつ)壮観(そうかん)である。


地魁万獣王(ちかいばんじゅうおう)肉薄(にくはく)せんとする刹那(せつな)狼群(おおかみむれ)(たちま)幾筋(いくすじ)かに分岐(ぶんき)した。


()一団(いちだん)一団(いちだん)は、(あた)巨象(きょぞう)()がる蟻蟻(あり)(ごと)く。


同時(どうじ)に、(あお)狼群(おおかみむれ)(うな)りを()げて()()り、地魁万獣王(ちかいばんじゅうおう)(ひだり)(みぎ)旋回(せんかい)して、小鳥(ことり)大樹(たいじゅ)(めぐ)るが(ごと)し。


地魁万獣王(ちかいばんじゅうおう)()(おど)らせて狼群(ろうぐん)(なか)()()み、左右(さゆう)()(はら)えば、狼血(ろうけつ)(ほとば)しり、(おおかみ)(しかばね)地面(じめん)(おお)う。


巨足(きょそく)()つに()()らせば、無数(むすう)凄惨(せいさん)血溜(ちだま)りを(のこ)す。


方源(ほうげん)微笑(びしょう)()かべて、雲霄(うんしょう)(うえ)端座(たんざ)す。


狼群(ろうぐん)(かれ)指揮(しき)(もと)進退(しんたい)(のっと)り、緩急(かんきゅう)分明(ぶんめい)たり。


次次(つぎつぎ)突撃(とつげき)敢行(かんこう)し、衆蟻(しゅうぎ)(ぞう)()らむ戦局(せんきょく)形成(けいせい)す。


地魁万獣王(ちかいばんじゅうおう)咆哮(ほうこう)()(かえ)し、左衝右突(さしょううとつ)して狼群(ろうぐん)甚大(じんだい)損害(そんがい)(あた)え、(じつ)悍勇(かんゆう)たり。


脑海(のうり)(なか)墨瑶(ぼくよう)(かろ)く「ふむ」と(こえ)()らし、方源(ほうげん)奴道(どどう)への造詣(ぞうけい)(すこ)しばかり(おどろ)きを(おぼ)えた。


「いやはや、()小僧(こぞう)(おも)いの(ほか)才情(さいじょう)(ゆた)かなり。


若年(じゃくねん)()ながら、(ばん)(おおかみ)()使(つか)うこと呼吸(こきゅう)(ごと)く、指揮(しき)(さだ)まり、(ひじ)を使って(ゆび)(うご)かすが(ごと)し。


(よわ)きを(もっ)(つよ)きに(たたか)い、消耗戦術(しょうもうせんじゅつ)奴道(どどう)三昧(さんまい)(ふか)体得(たいとく)せり。


()れは大師級(たいしきゅう)(いき)なるかな……」


(しか)()れも()(すこ)しの(おどろ)きに()ぎなかった。


墨瑶(ぼくよう)見聞(けんぶん)(ひろ)く、尋常(じんじょう)蛊仙(こせん)では()く、霊縁斎(れいえんさい)某代(ぼうだい)仙姫(せんき)として、眼界(がんかい)(たか)し。


記憶(きおく)(なか)には、方源(ほうげん)(ごと)(わか)くして大師(たいし)()りし(もの)(すく)なからず存在(そんざい)するのである。


戦闘(せんとう)片時(かたとき)(つづ)き、地魁万獣王(ちかいばんじゅうおう)嘶叫(しきょう)()(かえ)し、群狼(ぐんろう)消耗(しょうもう)され()くして(からだ)(つか)()(よわ)り、凶威(きょうい)最早(もはや)()くなっていた。


大量(たいりょう)地魁獣(ちかいじゅう)が、地底(ちてい)から続々(ぞくぞく)と(あたま)(もた)げ、戦団(せんだん)参加(さんか)して()た。


方源(ほうげん)(あわ)微笑(ほほえ)み、(すで)予測(よそく)()みの(こと)とし、指揮(しき)(さだ)まり(みだ)れず。


()大戦(たいせん)は、最初(さいしょ)から(すで)結末(けつまつ)()まっていた。


万獣規模(ばんじゅうきぼ)地魁獣群(ちかいじゅうぐん)一支(いっし)が、(どう)して(かれ)(てき)であり()ようか?


広大(こうだい)戦場(せんじょう)は、方円千里(ほうえんせんり)放射(ほうしゃ)するも、方源(ほうげん)(たく)みに(これ)数十(すうじゅう)区域(くいき)分割(ぶんかつ)し、孱弱(せんじゃく)なる狼群(ろうぐん)をもって包囲困(ほういこん)じ、矯健(きょうけん)なる異獣狼(いじゅうろう)(もっ)鋒矢(ほうし)形成(けいせい)し、往来(おうらい)衝突(しょうとつ)せしめた。


()(ひと)つの戦区(せんく)狼群(ろうぐん)摧破(さいは)され、併呑(へいどん)され、


(つづ)いて第二(だいに)第三(だいさん)と、局部(きょくぶ)(てき)優位(ゆうい)累積(るいせき)され、


勝利(しょうり)天秤(てんびん)次第(しだい)方源(ほうげん)(かたむ)いた。


最終的(さいしゅうてき)には狼群(ろうぐん)併呑速度(へいどんそくど)加速(かそく)し、


(つい)には地魁万獣王(ちかいばんじゅうおう)()()絞殺(こうさつ)した。


()(ちい)さな(もの)奴道(どどう)修為(しゅうい)(たし)かに非凡(ひぼん)なり。


指揮(しき)細膩(さいじ)にして豪邁(ごうまい)()ね、鋒鋭(ほうえい)(なか)柔和(にゅうわ)(ふく)む。


(しか)れども宗師級(そうしきゅう)までは(いま)(おお)きな(へだ)たり()り。」


墨瑶(ぼくよう)(こころ)の中で(おも)った。


蛊師(こし)修行(しゅぎょう)は、(よう)(よう)(れん)三面(さんめん)()り。


()(いず)れもが、広大(こうだい)精深(せいしん)たる世界(せかい)である。


(おな)蛊虫(こちゅう)(もち)いるにしても、


特定(とくてい)蛊師(こし)格別(かくべつ)卓越(たくえつ)した用法(ようほう)()せ、


芸術(げいじゅつ)(いき)昇華(しょうか)させる(もの)がいる。


人々(ひとびと)は()くの(ごと)(もの)(しょう)して


──大師(たいし)()す!


大師(たいし)()うべくして(もと)(がた)く、


()資源(しげん)堆積(たいせき)するのみでは(はぐく)()ず。


天賦(てんぷ)のみならず、才情(さいじょう)必要(ひつよう)とされる。


(しか)れど大師(たいし)(うえ)には、(さら)宗師(そうし)()り。


大師(たいし)宗師(そうし)とを(くら)ぶれば、(あた)(ちい)さな(くさ)大樹(たいじゅ)(たい)するが(ごと)し。


天賦(てんぷ)才情(さいじょう)資源(しげん)除外(じょがい)した(うえ)で、


(さら)機縁(きえん)悟性(ごせい)が求められる。


(およ)宗師(そうし)到達(とうたつ)する(もの)は、


触類旁通(しょくるいぼうつう)して如何(いか)なる流派(りゅうは)にも(つう)じ、


陰陽(いんよう)乾坤(けんこん)(さと)り、宇宙(うちゅう)奥妙(おうみょう)()る。


凡俗(ぼんぞく)()(ぞく)(だつ)し、


(まさ)仙中(せんちゅう)(せん)賢上(けんじょう)(けん)なるものなり。


墨瑶(ぼくよう)煉道(れんどう)宗師(そうし)たり、


(いま)(いえど)隕落(いんらく)せりと(いえ)ど、()眼界(がんかい)(いま)()り。


彼女(かのじょ)生前(せいぜん)()にした大師(たいし)数知(かずし)れず、


方源(ほうげん)造詣(ぞうけい)非凡(ひぼん)だと(かん)じたのは、


(おも)()若年(じゃくねん)である(てん)考慮(こうりょ)しての(こと)であった。


()()く、地魁万獣王(ちかいばんじゅうおう)轟然(ごうぜん)(たお)れ、重傷(じゅうしょう)(もと)(いき)()()った。


鮮紅(せんこう)血液(けつえき)滾滾(こんこん)(なが)()し、


(またた)(うち)()(かたわ)らに、


河塘(かとう)(ごと)血溜(ちだま)りを形成(けいせい)した。


方源(ほうげん)降下(こうか)し、(みずか)(すじ)()(かわ)()ぎ、


処理(しょり)()えると、血溜(ちだま)りを利用(りよう)して、


群狼(ぐんろう)周囲(しゅうい)護衛(ごえい)させながら、


(ただ)ちに炼蛊(れんこ)()()かった。


墨瑶(ぼくよう)改良(かいりょう)した地魁尸蛊(ちかいしこ)は、


(もっと)新鮮(しんせん)血肉(けつにく)必要(ひつよう)とし、


(さら)地魁万獣王(ちかいばんじゅうおう)最良(さいりょう)とし、


千獣王(せんじゅうおう)()ぎ、百獣王(ひゃくじゅうおう)()(つぎ)()す。


()(ゆえ)に、方源(ほうげん)大規模(だいきぼ)出動(しゅつどう)決行(けっこう)し、


(みずか)()(くだ)して、地魁万獣王(ちかいばんじゅうおう)斬殺(ざんさつ)したのである。


煉蠱(れんこ)三晩(みばん)()(よる)(つづ)き、大功(たいこう)()()げられた。


方源(ほうげん)目的(もくてき)(たっ)すると、()ぐに大部分(だいぶぶん)狼群(おおかみむれ)()(はな)ち、()(はな)った。


異獣精鋭(いじゅうせいえい)のみを()れ、(いき)つく(いとま)()聖宮(せいきゅう)帰還(きかん)した。


戦場(せんじょう)()(せき)(せま)(なか)小山(こやま)(ごと)血森狼(ちしんろう)(しかばね)(なか)から、()()血人(ちびと)()()()た。


血人(ちびと)はよろめきながら(ある)き、(ひがし)(たお)れんばかりに西(にし)(かし)ぎ、数歩(すうほ)(すす)むと(つい)力尽(ちからつ)き、()(たお)()した。


(かれ)(あら)(いき)()()り、()には(しん)(がた)(いろ)()かべ、(くち)々(ぐち)に(つぶや)いた。


(われ)……(いま)()(なが)らえているというのか?」


(かれ)()()ばし、(かお)(はげ)しく(ぬぐ)い、(つい)真実(しんじつ)姿(すがた)(あら)わした。


(ほか)(だれ)でもない。(まさ)馬鴻運(ばこううん)その(ひと)であった。


元来(もとより)(かれ)蒋凍(しょうとう)気絶(きぜつ)させられた(のち)地面(じめん)(たた)きつけられ、人事不省(じんじふせい)となっていた。


()地魁老獣王(ちかいろうじゅうおう)(かれ)(かま)うことなく、蒋凍(しょうとう)執拗(しつよう)()(つづ)けた。


(しか)しその()狼群(おおかみむれ)(おそ)(きた)り、万物(ばんぶつ)屠戮(とりく)する(なか)馬鴻運(ばこううん)(みじ)めにも(おおかみ)餌食(えじき)()ったのである。


()()れが(ぼん)なる野狼(やろう)(たと)えば亀背狼(きはいろう)水狼(すいろう)風狼(ふうろう)(たぐい)であれば、


馬鴻運(ばこううん)(とっく)四散五裂(しさんごれつ)に引き()かれ、無数(むすう)肉片(にくへん)()って(おおかみ)(はら)(なか)()()っていた(こと)であろう。


幸運(こううん)(こと)に、(かれ)()べたのは、(ちい)さな(やま)(ごと)体躯(たいく)()血森狼(ちしんろう)であった。


()(おおかみ)巨口(きょこう)(ひら)き、(した)(ひと)()めに百歩(ひゃっぽ)以内(いない)草皮(そうひ)()()った。


馬鴻運(ばこううん)地魁老獣王(ちかいろうじゅうおう)死体(したい)(とも)に、血森狼(ちしんろう)腹中(ふくちゅう)(もの)()る。


()()()(まか)せに()せば、馬鴻運(ばこううん)(おそ)(はや)血森狼(ちしんろう)消化(しょうか)され、最期(さいご)には(ひと)(たい)狼糞(ろうふん)()った(こと)であろう。


(しか)(のち)地魁獣群(ちかいじゅうぐん)との開戦(かいせん)(ともな)い、


()血森狼(ちしんろう)包囲攻撃(ほういこうげき)()け、戦死(せんし)して砂塵(さじん)(たお)れ、


(はら)()かれた(こと)で、(かえ)って空気(くうき)()()った。


馬鴻運(ばこううん)は昏々沉沉(こんこんちんちん)目覚(めざ)め、(あわ)てふためいて(そと)()()した。


()(とき)(すで)大戦(たいせん)終結(しゅうけつ)し、戦場(せんじょう)には(けもの)(しかばね)(あまね)()っていた。


(おり)重傷(じゅうしょう)()(いま)()なずの(けもの)哀嚎(あいごう)喘息(ぜんそく)が、周囲(しゅうい)死寂(しせき)一層(いっそう)際立(きわだ)たせている。


馬鴻運(ばこううん)(あえ)()え、(おもむ)ろに体力(たいりょく)回復(かいふく)してくるにつれ、(はな)()濃厚(のうこう)血腥(ちなまぐさ)気配(けはい)意識(いしき)()ます。


(かれ)危険(きけん)察知(さっち)した。「此処(ここ)(いそ)いで(はな)れねば。()()く、()血気(けっき)()かれて無数(むすう)(けもの)(あつ)まって()るに(ちが)いない。」


北原(ほくげん)(そだ)った馬鴻運(ばこううん)にとって、()(よう)生存(せいぞん)知恵(ちえ)骨髓(こつずい)(きざ)()まれている。


(あわ)てて()()がり、聖宮(せいきゅう)方向(ほうこう)確認(かくにん)するや、(ただ)ちに()()した。


(しか)(わず)数歩(すうほ)(ある)いた(ところ)で、(かれ)(あし)突然(とつぜん)釘付け(くぎづけ)となった。


()視線(しせん)は、一匹(いっぴき)蛊虫(こちゅう)()()せられる。


()れは地魁獣(ちかいじゅう)屍体(したい)(うえ)(たたず)一匹(いっぴき)野蛊(やこ)であった。


地魁獣(ちかいじゅう)()んで、野蛊(やこ)(ほろ)()るか()()るかの二者択一(にしゃたくいつ)だが、()野蛊(やこ)(たま)たま()れた(ほね)()()かって、()()れずにいる。


()れは二転(にてん)の……()(なん)とか()だった(はず)だ」


馬鴻運(ばこううん)(くわ)しくは(おぼ)えていないが、()蛊虫(こちゅう)価値(かち)()からない(わけ)では()い。


()蛊虫(こちゅう)()蛊虫(こちゅう)()れを()にすれば、(たと)(みずか)使(つか)えなくとも、(すく)なからぬ元石(げんせき)()えられるぞ。」


馬鴻運(ばこううん)(むね)(おど)らせ、(いそ)いで(ちか)づくと()()ばして()らえ、難無(なんな)()(おさ)めた。








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